福祉用具レンタル業 利用者数8000名 県内No.1企業になったのはナゼ!?

何も特別なことはやってません。本気でやっただけです。

ある都道府県で県内No.1、利用者数8000名をかかえる福祉用具レンタル会社の社長さんの言葉です。
介護保険がスタートした当初、自社よりもはるかに大きな会社がたくさんあったのも昔の話。
そうした先行企業をいつしか抜き去り、地域No.1の会社まで成長したのはなぜなのか?

今回のコラムではその秘訣に迫りたいと思います。

ポイント1:とにかく「お金がない!」大学生活を投げうって家業を支えた若き日

この会社さんの創業は2000年よりももっと古く、当初は家具の販売などをされていたそうです。
先代が体調を崩されたことを契機に、ご家族のため、また生活のために家業に手伝いに入るようになったのが大学4年生のころ。
介護保険制度が始まって少し経ったころのことだそうです。

当時はお母上と、現社長と、社員1人の3人で、本当に中小零細事業所。
大学生活の自由を謳歌していたところ、家業に入ってまず驚いたのが「お金がない!」ということでした。
超がつくほどの自転車操業で、お金がないからといって借入をしようにも信用もないので、手を差し伸べてくれるところなどありません。

そんな中で、なんとか食いつなぐために文字通り必死で働いていた、そんな日々だったそうです。
21歳くらいから家業を支え、5年くらい経つとようやく少し一息つけるくらいになっていました。
当時の利用者数はというと、はっきりした記憶がないのでなんとも言えないが、おそらく1,000名くらいになっていたのではないかと振り返ります。

現在の8,000名という規模からすると、1,000名というのは通過点のように思えますが、実質スタートしてから5年で1,000名です。
2000年代前半という成長期バリバリの時流という後押しもあったと思いますが、それでもこの時点ですごい成長スピードだと思います。

ポイント2:本気で、必死に、やり切ったらいつの間にか伸びていた

当時はこの会社さんよりもはるかに規模が大きい、いわゆる古豪のような会社がゴロゴロあったと言います。
ただ、いまになってそうした会社さんを見ると、すでにマーケットからいなくなっていたり、当時とほぼ変わらない規模のままで伸びていなかったりという会社もざらにあります。

社長になぜ自社は順調に成長して、それらの会社は伸びないままに停滞しているのかとお聞きしました。

まあ他社さんのことはよくわかりませんが、当たり前のことを当たり前にやっただけじゃないですか。

スゴイ会社、「一流」に近づいている会社ほど、この言葉をよく言われます。

当たり前にやっているだけ。

おそらく、その「当たり前」のレベルが高いか、あるいは他社が「当たり前」のことをやっていないか、ということなのでしょう。
例えばものすごく基本的なことで言うと、
・連絡がかかってきたら電話に出る
・出られなかったら必ず折り返しする
・聞かれたことにはスグに返答する
・スグに返答できない場合は、「スグには難しいですが、必ずご連絡しますのでお時間をください。」と一報を入れる

本気でやっている会社さんは、そうした本当に基本的なことから徹底的にやり切っているのだと思います。

一方で伸びていない会社はどこか他人事、電話がかかってきても「ま、いっか。」と放置してしまう。

細かな一つ一つが積み重なって安心して任せられる会社なのか、イマイチ信用できない会社なのか、見透かされてしまうことになります。

みなさんの会社は、一つ一つのことを本気で、ド真剣に、取り組めていますか?

ポイント3:いまでも会社に息づく「ハングリー精神」でさらに上のステージへ!

県内No.1の事業所、利用者数8,000名を抱える規模となったいまでも、社内には「ハングリー精神」が息づいているそうです。

社長自身は事業のほとんどを社員に任せていて、いまでは時間的な余裕がかなりある状態になっています。
任せている社内メンバーは、若いころの苦労を共に生き抜いてきた仲間。
その後に入社してきたメンバーにも「本気でやる」ことの大切さは脈々と受け継がれています。

そのように当たり前のことを当たり前にやる風土。
当たり前のレベルがとても高い社風。
そんな環境があるからこそ、入社してくるメンバーもストイックで筋肉質な体質に順化していくことになるのでしょう。

先ほど社長は時間的にかなり余裕がある状態と書きました。
社長はご自身のことを「商売人」と評されます。

自分自身は何かを創り出すということはできない商売人ですが、時流に合ったことをふつうにやればうまくいくと思っています。

ある程度の規模になったら社長はヒマであるべきだと思います。

ヒマな時間で新たな事業とか、次の時流を見つけ、そのチャレンジを企てていく。
そんな時間的余裕をつくることも、社長の大切な仕事と言えるかもしれません。

いまも息づく「ハングリー精神」と社長の時流を観る眼でさらに上のステージへ。
この会社さんからますます目が離せなさそうです。

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■ 執筆者紹介
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株式会社 船井総合研究所
リフォーム支援部
シニア経営コンサルタント
入江 貴司

【プロフィール】
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルと
シニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する
専門コンサルティングを進める。
商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制
づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

⇒ 入江 貴司 への経営相談は、コチラまで
E-Mail:takashi_irie@funaisoken.co.jp

この記事を書いたコンサルタント
入江 貴司
入江 貴司
入江 貴司

1976年大阪府生まれ。
大阪大学経済学部卒業後、大手工作機械メーカーに入社。
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルとシニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する専門コンサルティングを進める。商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

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