福祉用具レンタル業 利用者数3,000名を超えたら考える倍速成長法

成長のカベって感じたことありますか?

企業成長にはいくつかの段階で成長のカベが存在しています。
もっと具体的に、福祉用具レンタル会社にも成長のカベというのが存在します。

今回のコラムではいくつかの企業ステージにおける成長のカベ、さらには特に利用者数3,000名クラスで直面する成長のカベについて考えてみたいと思います。

ポイント1:企業ステージ別「成長のカベ」とは?

みなさんは「成長のカベ」って感じたことはありますか?

いやいや、いままさにカベにぶつかっているよ・・・

と言う方もいれば、

いやー、特にカベなんて感じたことはないけどね・・・

という方もいらっしゃるかもしれません。

企業ステージのいくつかの段階で訪れる「成長のカベ」についてみていきましょう。

①利用者数500名 「営業力のカベ」

利用者数300~400名まではきたけど、そこから伸びなくなってしまった。
これまで何度か500名に近づいては離れ、増えては解約で減少し、そんなことを繰り返してなかなか利用者数500名を突破できずにいる。

そんな会社さんは意外と多いものです。

こうした段階はズバリ「営業力のカベ」です。

営業スタッフが2~3名、営業1人あたり150名から200名くらいの利用者を担当している状態かと思います。
新規獲得数は1人あたり4~6件くらいで、全体で10件ちょっと超えるくらい。

たまたま解約が少ない月は利用者数が増えるけど、また解約がかさむと減少してしまって、結果として増えたり減ったりを繰り返している。

そんな状態ではないでしょうか。

「営業力のカベ」と言ったのは、この段階の多くの会社では確立された営業手法がなく、みんなそれぞれで思い思いの営業活動をしている。
いや、営業活動というよりも、日々利用者対応をしているといった方が正確かと思います。

利用者さんの用事に対応して、たまに居宅をふらっと回り、たまたま新規がもらえたらラッキー!のような。

この段階の成長のカベを突破するには、利用者獲得のロジックを知り、会社としての営業手法・営業パターンを確立することだと思います。

②利用者数1000名「組織化のカベ」

利用者数800名くらいで停滞してしまっている・・・
そんな会社さんも多いと思います。

利用者数800名くらいまでくるということは、一時は順調に伸びた時期もあることでしょう。
着々と利用者さんが増え、売上もどんどん上がっていって、

「レンタル最高!」

と思いきや、いつの間にかエアポケットに入ってしまったかのように伸びなくなっている。

そんなイメージかなと思います。

こうした段階は「組織化のカベ」ではないでしょうか。

これまでのメンバーで伸ばしてきたものの、新しい人を入れてもなかなか育たず、いつしか退職してしまう。
新人を入れては辞め、入れては辞め、そんなことを繰り返して、気づけばもう5年くらい同じメンバーでやっている。

営業メンバーの個々の力はついているものの、メンバーを増やすことができないため、利用者数1,000名を突破することができずカベにぶつかっている状態だと思います。

こうした段階で考えることは大まかに2つです。

一つ目は、教育が超・属人的になっていないかどうか。

昔っからやっているメンバーさんが何となく同行に連れて行って「とりあえず見ていて。」というなんちゃってOJTをやっている。
メンバーさんそれぞれのやり方が違うので、どれが正しいのかわからず、いつまで経っても身につかない。
そのうちに、半年が過ぎ、1年が過ぎ、活躍できる見通しが立たず、
「ここは自分がいるべき場所じゃなかった。」

そんな状態になっていませんか?

二つ目は、社長自身に根本原因があるケースです。

たくさんの会社さんを見ていますが、やっぱり人が集まる会社、人が定着する会社は、社長自身が「惹きつけ」を行っています。
夢を語り、ビジョンを語り、聞いている社員たちがワクワクするような社長さんです。

「この人についていったら楽しそう!」

自然とそう思えてくるのでしょう。

夢やビジョンは伝えているけどな・・・

そんな社長さんは、もしかしたら心の底からの夢やビジョンではなく「やらされビジョン」かもしれません。

本当に心の底から「やりたい」という気持ちがこもったものではなく、「~ねばならない」になっていないでしょうか。

夢も希望もなく、厳しいことを押し付けられる風土は、社員が逃げていきますよ。

③利用者数3,000名「拠点経営のカベ」

順調に成長し利用者数は2,000名を超えてきた。
でも、この先どうなるか、けっこう伸びしろが少なくなっており、成長率も明らかに鈍化している。

これは「拠点経営のカベ」または「シェアのカベ」といえるかもしれません。

いかがでしょうか。

みなさまの会社は、これらのいずれかのカベにぶち当たっていませんか?

ポイント2:利用者数3,000名で直面する拠点経営のカベとは

先ほど3つ目のカベとして挙げました、利用者数3,000名 「拠点経営のカベ」とはどういうことでしょうか。

ここではいくつかの拠点を合わせて3,000名ではなく、1拠点で3,000名のカベにぶち当たるということを想定しています。
もし、3~4拠点あって3,000名を超えるかどうかということであれば、拠点単位で500名か1,000名のカベに直面するか、あるいはまったくカベは感じないかということになるでしょう。

1拠点で3,000名に届くかどうかということは、なかなかの規模の事業所さんということになると思います。
商圏でのシェアも有数の占有率ということになるでしょう。

仮に商圏の人口が50万人のエリアだったとします。

高齢化率:30%
介護保険認定率:20%
福祉用具利用率:40%

上記の一般的な数値指標を想定すると、
福祉用具利用者数:12,000人

このうち自社利用者数3,000名ということは、シェア:25%ということになります。

ランチェスター戦略に基づくシェア理論によると、商圏内一番であるトップシェアの目安は26%です。

シェア25%ということは、ほぼトップシェア。
50万人商圏で地域一番シェアという、かなり有力な事業所さんということになるでしょう。

シェアが高いということは、そのエリアでは無類の強さを誇ることになるでしょう。
一方で、そこから先に伸びしろがあるかというと、けっこう厳しくなるのも実際のところだと思います。

解約数もそれなりに100件近くありつつ、それを維持するには月100件以上の獲得を重ねることが必要となります。
また他のライバル事業所の攻勢も受けながら、エリア一番を守っていかなければなりません。
一方で、居宅支援事業所によっては集中減算を理由に、新規依頼を絞ってくるところも出てくることもあり得ます。
かといって、新たなターゲット居宅、ターゲット包括があるかというと、商圏内の事業所はほぼ攻めつくしていて、開拓の余地も限られている・・・

と、こんな状況になっているかもしれませんね。

そんなこんなで、3,000名の手前で停滞してしまうのが「拠点経営のカベ」と名付けてみました。

いかがでしょうか。
そんなカベに直面しているという方、実際にいらっしゃいますか?

ポイント3:拠点展開する際の最大のネックとは?

拠点経営のカベに直面したとしたら、考えることは拠点展開していくことでしょう。
新たなエリアに拠点を出し、新たな居宅を開拓し、新たなケアマネとの接点をもち、新エリアで利用者獲得を進めていくことです。

拠点展開を考える際に、ぜったいに考えないといけない大きな課題があります。

店長人材をどうするか?

とても大きなテーマですね。
おそらくその時点で店長を任せられる人材がいるとしたら、とっくに拠点を出しているかもしれません。

あるいは、店長を任せられる人材さえいれば、どんどん拠点展開をしていっているという会社も少なくないと思います。

そんななか、驚くべきスピードで拠点展開をしている福祉用具レンタル会社があります。

愛知県にある一宮福祉サポートという会社さんです。

2019年から2024年までの5年間で、なんと6拠点も新たに店舗展開しているとか。
私でなくとも、みなさん気になる「店長人材どうしてる?」問題について聞いてみると、、、
拠点展開をするために店長になれる人材を探すということではなく、伸び盛りの社員にポストをつくっていくために拠点を展開し、店長ポストをつくっているそうです。

福祉用具レンタル業というのは、ザ・労働集約型のビジネスです。

人がいてナンボ。人を増やすことができれば事業を成長させられます。

これからの福祉用具レンタル業界での企業成長は、どれだけ人材を増やし、人材を育てていけるかが勝負になると言っても過言ではないでしょう。

そんな業界において、どんどん人を増やし、さらには店長を張れる人材をどんどん輩出しているのってどんな会社なの?

みなさん気になりますよね!?

そんな一宮福祉サポート・水谷社長のナマの話が聴けるのは千載一遇のチャンスだと思います。
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これからの事業成長のキーポイントがギュッと詰まった1日になりますよ!

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■ 執筆者紹介
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株式会社 船井総合研究所
リフォーム支援部
シニア経営コンサルタント
入江 貴司

【プロフィール】
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルと
シニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する
専門コンサルティングを進める。
商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制
づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

⇒ 入江 貴司 への経営相談は、コチラまで
E-Mail:takashi_irie@funaisoken.co.jp

この記事を書いたコンサルタント
入江 貴司
入江 貴司
入江 貴司

1976年大阪府生まれ。
大阪大学経済学部卒業後、大手工作機械メーカーに入社。
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルとシニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する専門コンサルティングを進める。商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

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