福祉用具レンタル業 経営がダンゼン楽しくなる持続的成長企業レポート ~前編~

千葉県で地域に根を張り、県内有数の福祉用具レンタル事業を営む株式会社シルバーとっぷ。

今回は同社 代表取締役である外山愼司氏(以下、外山社長)にシルバーとっぷの経営についてお話をお伺いいたします。

まずはシルバーとっぷの特徴的なポイントをご紹介いたします。

▶福祉用具事業で利用者数6,000名 年商20億円まで成長

▶創業から36年間で赤字は1度だけ 黒字経営を継続

20年前から新卒採用!人間力を高める成長支援

▶某人材口コミサイトでスコア4.1 上位1%にランクイン

年間採用数15名 低離職と積極採用で持続的成長を目指す!

本当に芯の通った「いい会社」だと思います。

そんな本物の「いい会社」に実際に伺ってリアルな現場を見れるとしたら・・・?

そんなシルバーとっぷを立ち上げた創業社長の話が聞けるとしたら・・・?

次章からは、いよいよシルバーとっぷ 外山社長にじっくりとお話を伺っていきたいと思います。

介護保険がスタートするよりずっと前から事業参入 シルバーとっぷが福祉用具を手掛けたのはなぜ?

私たちシルバーとっぷの創業は1988年、いまから36年前にさかのぼります。

私が創業した会社なのですが、なぜ会社を立ち上げたのかというと、これと言って特に理由やきっかけはなく、自分のなかではごく自然に会社をやるものという感じでした。

「え!?なんで?そんなことある?」

ふつうはそう思われますよね。

実は私が年端もいかない幼少のころに、母親から「愼ちゃん(愼司の槇ちゃんです。)は社長になるのよ。社長になるのよ。」と寝かしつけるときもずっと言われて育てられました。

三つ子の魂百までとはよく言ったもので、私の潜在意識にそれがしっかりと刷り込まれていたのでしょう。

大学生になったときには、在学中に3つほど事業を立ち上げ、すでに社長のようなことをやっていたのもあり、会社を創業することになったのも言わば当然のことだったように思います。

問題はなぜその事業が福祉用具だったのか、それも介護保険がスタートするよりもずっと前にそんな事業だったのかということだと思います。

これは本当にたまたまというか、24歳のころに事故に遭い入院することになりました。

人間というのは平常、なんの気苦労もなく安穏と生きているときには気づかないものですが、身体を壊したりすると周りのありがたみというのがひしひしとわかるものです。入院したときにあらためて気づいたのは周りの人たちに支えられているということでした。

また、入院中にあれこれと手助けしてもらったり「お兄ちゃん、どうしたの?」と優しく声をかけてくれたのは、同じ入院患者の高齢の方々でした。

大学生のころに事業を立ち上げていた私は、すでに単なるお金儲けには少し飽きを感じていました。

入院中の体験や気づきがあり、次に自分の人生を賭ける事業では、「人の役に立つことがしたい!」と思うようになっていました。

ある方から教えていただいて、この福祉用具レンタル・販売というビジネスを知ることになったのですが、この事業は地場の中小企業がやるにはピッタリだなと思っています。

業界でも長い方はお分かりになると思うのですが、これまでの業界の歴史のなかで、いくつか大手・有名企業が参入しようとしては撤退していったということがあると思います。

なぜそうした大手企業の力をもってしても事業が上手くいかないんだろうと考えたことがありました。

これはあくまでも私の持論ですが、お客様である高齢者には「表面的なサービス」と「心からのサービス」は見透かされているんだろうなと捉えています。

お客様はいくら身体機能や認知機能が低下しているとはいえ、私たちよりもはるかに人生経験を積んでいる大先輩の方々です。

いくら大手さんの看板があろうと、いくら口先で聞こえの良い言葉を並べようと、お金儲けの思惑は見抜かれているんだと思います。

お金儲けの思惑が見抜かれているからこそ、高齢者を相手にうまくビジネスをやってやろうという会社はうまくいかず、やがては撤退していってしまう。

一方で、そうした大手さんと比べると吹けば飛ぶくらいのシルバーとっぷのような中小企業でも、地場に根を張ってここまでやれて来ているのは、私たちが心の底から「いいサービスをしよう!」という信念を貫いているからなのだろうと思います。

なぜ20年も前から新卒採用に取り組んでいるのか!?人材の採用にもシルバーとっぷ流の信念がある!

現在シルバーとっぷの社員数は120名超、そのうち約半数以上が新卒採用の社員になっています。

船井総合研究所から聞きますと、福祉用具業界での採用はまだまだ中途採用が主流で、新卒採用に取り組んでいるところは多くないとか。

確かに業界大手を除くと、中小のレンタル会社で新卒採用をやっているのは少数派かもしれません。

ここ数年の採用難で、新卒にも網を張り始めたというところはあるかもしれませんが、当社のように20年も前から新卒社員を採用しているというのは珍しいと言えるでしょう。

20年前ですので、創業してから10年ちょっとが経った頃、当時は利用者数が1,5002,000名ほど、年商で3億円程度になったくらいだと記憶しています。

新卒採用に踏み切ったのも、やはり「心からのサービスがしたい!」という思いがあってのことでした。

そのころ、社員数は20名ほどになっていたかと思います。それぞれにいろんな職歴を経験してきた社員たちで、一般的に言われるように中途社員はすでに色がついていて自社の考えについていけず袂を分かつ人や、会社の考え方に反した行動を取る人も少なからずいました。

これから先々も私たちが考える「心からのサービス」をしていこうと思うと、会社の文化・風土が大切だと思うようになり、それには他の会社の色に染まっていない新卒社員をある一定程度の割合で入れていくことが必要だと考えたのです。

新卒採用をはじめるということで、年商の1割ほどの大金を投じてある採用コンサルティングの会社を使うことにしました。

その効果たるや凄まじいもので、1度の会社説明会で100名もの学生が来場し、のべ1,000人くらいがエントリーしてくれたと思います。

そのくらい学生が集まると、高学歴な人材がゴロゴロしています。

東大や早稲田、慶応など”ザ・一流大学”の学生たちがよりどりみどりの状態、正直なところ「これで会社が大きく変わる!」と舞い上がってしまったほどでした。

ただ、結果的にそこから学んだことは「採用は学歴で選んではいけない」ということでした。

先にもお話したようにお客様は人生の大先輩たち、有名大学出身の頭のいい社員がいくら口先で聞こえの良いことを言っていたって、「自身の成績を上げよう」という魂胆が見透かされているのでしょうか。

結果的にしっかりと成績を上げ続けてくるのは、決して出身大学

ザ・一流”とか”ザ・有名”と言えない学校を出た社員ばかりでした。

彼ら彼女たちは、決して話が上手なわけではなく、それでも「お客様の役に立ちたい」という強い魂を感じるようなマインドをもっている社員たちで、そうしたマインドを持ったメンバーたちがいまでも会社の第一線で活躍してくれています。

(後編へつづく)

こんな方には特にオススメの現地視察&セミナーです!

会社の方向をどうもっていけばいいか悩んでいる・・・

□ 人材採用と離職の繰り返しで、正直なところ疲れ気味・・・

□ 先輩経営者からガツンと活を入れてもらいたい!

会社の足腰を強くする方向を見定めていきたい!

□ 社員と一緒につくっていく会社の姿をイメージしていきたい!

この記事を書いたコンサルタント
入江 貴司
入江 貴司
入江 貴司

1976年大阪府生まれ。
大阪大学経済学部卒業後、大手工作機械メーカーに入社。
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルとシニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する専門コンサルティングを進める。商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

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