福祉用具レンタル業 業界最前線のメガ企業に学ぶ業界動向の行方レポート ~後編~

神奈川県中心に16拠点!利用者数34,000名!

グループ年商50億円企業がついに登場!

前回に引き続き、今回も株式会社メディケアー 代表取締役社長 後藤康太氏にお話しをお伺いしてまいります。

Q3.地域包括支援センターと連携しての「介護予防体操教室」について教えて下さい

私たちがここまで成長してきた過程には、間違いなく地域包括支援センターとの関係性があると思っています。

地域包括支援センターと良好で強い関係を築くことで、新規利用者の継続的な獲得につながります。

では、どうやって地域包括支援センターと良好で強い関係をつくっていったのか

私たちは2013年から地域包括支援センターと連携して予防体操教室を開催しています。

これはフレイル(健康と介護状態の間)を予防するためのもので、適度な運動を通じて心身の健康を維持してもらうための体操教室です。

地域包括支援センターの重要な役割の一つに「介護予防」ということがありますので、私たちとタッグを組みながら地域の高齢者に対して健康維持やフレイル予防のコンテンツを提供していくのは、地域包括支援センターにとってズバっとニーズにはまっているというわけです。

こうした予防体操教室を開催すると、参加された方々から大好評をいただくのはもちろんなのですが、本来の狙いである地域包括支援センターの職員の方々からもとても高評価をいただくことができます。

地域包括支援センターの職員の方々からの高評価は、やがて新規利用者の依頼、ひいては地域でのシェア向上となって私たちに返ってくるというわけです。

そんな取組みを活用することに、これまでメディケアーが成長してきたひとつのカラクリがあるのです。

私たち自身、こうした取組みは本当に地域のお役に立てている実感があるのですが、その一方で私たちだけでやるのは「もったいないな。」とも思っています。

全国の福祉用具レンタル会社さんとも連携して一緒に進めるのもアリかなとも考えていて、私たちが持っているリソースや経験値を活用してもらえたらとてもうれしいです。

Q4.ケアマネ向け情報誌「めりぃさん」を発行している狙いはどんなところでしょうか?

「めりぃさん」は2か月に1回ペースで発行している無料情報誌です。

ターゲットは50代以上の女性に置いていて、そうしたターゲット層が関心をもちそうな美容、健康、旅行、グッズなどの情報コンテンツを提供しています。

わかりやすく言うと、ケアマネをズバリのターゲットに設定したフリーペーパーということになります。

現在では50,000部を発行しているのですが、「めりぃさん」を心待ちにしてくれているケアマネもたくさんいて、メディケアーの営業はこれをきっかけに接点をつくり、ケアマネのグリップを行うと、そういう感じです。

紙面はけっこうこだわっていて、毎回必ず俳優さんに取材・インタビューを行っています。みなさんがご存じの、同世代でかつ好感度の高い俳優さんに表紙を飾っていただき、またインタビュー記事も掲載しています。

全体で48ページの構成になっているのですが、そのほとんどは先ほどお伝えした健康や美容、旅行などの情報提供コンテンツ、後ろの方の4ページだけが自社のPR記事の構成としています。

PR記事としては、福祉用具の商品紹介や住宅改修のコンテンツ、季節によって介護状態でもバリアフリーで訪れることができる地域の観光スポットを紹介することもあります。

読み手にとって欲しい情報をたっぷりと掲載するなかで、メディケアーとして届けたい情報もしっかりと掲載する。

ただし、その構成や比率は「売り込み」が前面に出ないよう、あくまでも読み手に価値がある情報誌というテイストで紙面づくりを行っています。

こうした情報誌を発行するのにはそれなりにコストがかかっているのですが、費用対効果はどのくらいあるのか?そんな話になることもあります。

これについては、福祉用具営業の役割として「ケアマネに対する情報提供」という側面があると私は思っています。

その情報提供として営業が手作りのペライチのチラシをもっていくのか、「めりぃさん」のようなコンテンツ・リッチな情報誌をもっていくのか、どちらがケアマネの心を掴む効果があるでしょうか。

しかも、一般的なチラシはケアマネが欲しいかどうかは別として営業が「売りたい目線」でつくったもの、それに対して「めりぃさん」は多くのケアマネが心待ちにしている情報誌です。

手前味噌ながら、「めりぃさん」のような情報誌をお届けすることによって、メディケアーならではの質・量ともに充実した情報提供ができていると思っています。

こうした情報誌が継続的に発行できる会社というブランディング効果も合わせると、十分に効果は見合ったものであると私は捉えています。

Q5.メディケアーのIT化、DX推進の取組について教えてください。

IT化やDX推進は福祉用具業界の経営で欠くことのできない要素だと考えています。

福祉用具レンタルに限らず、介護関連の業界はIT化が遅れている業界だと言われていますよね。

いまだに連絡手段の主流としてFAXを使っている業界など、どこを探してもそうそう無いんじゃないでしょうか。

だからこそ、まずは社員のIT装備を充実させて、徹底的に効率化を追求することがまず第一歩だと思います。

外勤社員はiPadとiphoneを全員が装備して、外部から接続するセキュリティも強化、在宅や外出先でのリモートワークもストレスなく運用できるようにしています。

同業他社を見ていると、携帯電話はガラケーでパカパカしながら電話しているなんていう姿もけっこう目にしますよね。

私たちは、通信コストを切り詰めるよりも、外出先で効率的に仕事を処理して、なによりもスピードを上げることにこそ価値があると考え、モバイル端末への投資を行いました。

あとは、基幹システムとの連携で、社員が業務運営する上でのストレスや時間の無駄を極力排除できるようにシステム整備を進めています。

先ほどのiphoneやiPadとも関連しますが、外出先や在宅環境でも基幹システムにアクセスしてサービス計画書の作成を行ったり、商品の在庫確認や手配ができるような環境を整えています。

また、全国どこの福祉用具レンタル会社でも苦労されていることの一つとして、毎月の請求書・領収書発行があると思います。

私たちも例外ではなく、また利用者数が30,000人超ともなると、その郵送準備作業たるや筆舌に尽くしがたい労力がかかっています。

まして、今年の10月から郵便料金が上がるということで、1通あたり10円の値上がり莫大なコストアップとなって跳ね返ってくることになります。こちらも基幹システムと連携して、請求書・領収書をアプリで閲覧するか、メール配信するような仕組みに切り替えていく予定です。

こうした取組みについては、各社さんでも工夫を凝らして実践されていることも多いと思いますので、ぜひみなさまと情報交換ができればありがたいと思っています。

今回、ご縁があって船井総合研究所から「講演をお願いしたい。」と声をかけてもらってメディケアーとして登壇させていただくことになりました。

こうした講演はふだんはあまりお受けしていなくて、私たちもなかなか人前に出ていくことはないのですが、業界でも特に前向きでエネルギーあふれるみなさまが集まる場とお聞きしまして、「それならば・・・」ということでお受けさせていただくことになりました。

できましたら多くのみなさまとご縁をいただき、情報交換しながら私たちの会社も切磋琢磨していければうれしい限りです。

みなさまとお会いできますことを楽しみにしています。

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■ 執筆者紹介
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株式会社 船井総合研究所
リフォーム支援部
チーフ経営コンサルタント
入江 貴司

【プロフィール】
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルと
シニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する
専門コンサルティングを進める。
商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制
づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

⇒ 入江 貴司 への経営相談は、コチラまで
E-Mail:takashi_irie@funaisoken.co.jp

この記事を書いたコンサルタント
入江 貴司
入江 貴司
入江 貴司

1976年大阪府生まれ。
大阪大学経済学部卒業後、大手工作機械メーカーに入社。
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルとシニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する専門コンサルティングを進める。商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

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