福祉用具レンタル業 会社が成長し続ける仕組みをつくろう!

社員の目の色が変わってきた気がします!

ここのところ、いくつかの会社様で立て続けに人事制度を組み立てるお仕事をさせていただきました。
目の前の業績にとらわれているとなかなか目がいかない人事制度ですが、成長を続けている経営者は知っています。

「持続的に成長するカギは人事制度にある」

と。

今回は福祉用具レンタル会社が整備していくべき人事制度について書いていきたいと思います。

ポイント1:中小の福祉用具レンタル会社でも人事制度は必要?

社員数が20名にも満たない中小企業なんだけど、人事制度って必要?

会社を今後成長させていき、いい会社にしていきたいと思われるのであれば中小の福祉用具レンタル会社でも人事制度は必要です。
一方で、もし「今のままでいい」と思われるのであれば、特に必要ないと思っていいのではないでしょうか。

業績が上がった結果、人材を採用し社員数が増えていき、組織が大きくなってポストが増えていく。
そんな道筋をたどっているけど、人事制度として特に決められたものがない・・・

もしそうだとすると、次のような現象が起こることでしょう。

□人の入れ替わりが多く業績が頭打ちになってきた・・・
□やってもやらなくても一緒という空気が蔓延している
□「ウチは社長に気に入られるのが全てだから」と社員が言っているらしい
□若手社員が「将来が見えない」といって離職していく
□気づけば社内の平均年齢が上がっていて活気がない会社になっている

以前であれば「社員が50名を超えたら人事制度が必要」と言われました。
50名くらいまでであれば、社長が社員のことを把握していて、社長の評価で人事を動かしていけばそれでいいと考えられていたからです。

それが現在では、社員数で言うと20名前後、利用者数規模で1,000名クラスの会社でも人事制度はそろそろ考えていく方がいいと思っています。
いまや転職していくつかの会社を経験するのは珍しいことではなくなりましたよね。
また転職する際にも雇用条件や給与、制度がネットでカンタンに比較できるようになっています。

働いている社員にとっても自分の会社が将来どうなっていくのか、そのなかで自分自身の将来はどうなるのか、ものすごく気になることでしょう。
とにかく頑張って仕事をすれば黙っていても将来は報われるという時代ではなくなり、多様なキャリアで将来の選択肢がいくつもある、そんな時代になっています。

そんな時代だからこそ、中小の福祉用具レンタル会社でも人事制度を組み立てていくことで、

社員が自身のキャリアを上げていく道筋が見える
会社と自身の将来に希望をもつ社員で活気のある社風になる
これから入社する人材もそんな雰囲気に引き寄せられる

そんな会社の姿をイメージして、人事制度という「成長し続けるための仕組み」を考えてみてください。

ポイント2:人事制度の骨格をなす3つの柱

人事制度ってなんだかよくわからなくって難しそう・・・

そんなことはありません。

シンプルに次の3つの骨格だと理解すればわかりやすいと思います。
▶等級制度
▶評価制度
▶報酬制度

これら3つについてざっと見ていきましょう。

▶等級制度

等級によって組織の中でのステージが決まっているというものです。
入社したら1等級からはじまって、仕事を覚えて一人前になったら2等級になり、何人かをまとめるリーダーになると4等級くらいで・・・社長を支える幹部になると6等級になっている。

そんな感じで、自身の仕事が変わりキャリアが上がっていくにしたがって等級も上がっていくというもの。
それぞれの等級では、求められる役割が定まっていて、その役割に応じてより高次元かつ広範囲な仕事をしていくということになります。

等級制度は、評価制度や報酬制度と密接に関連しています。
評価によって等級が上がる(下がる)ということが決まりますし、等級が上がっていくと給与や賞与といった報酬も上がっていくということになります。

▶評価制度

評価によって等級の上下が決まったり、昇給や賞与が決まったりしてきます。
その評価を、特定の人物の恣意的なものではなく、評価を決めるルールを明確に決めておきましょうというのが評価制度になります。

例えば国語のテストの成績で順位をつけようと言っていたところ、
うーん、やっぱり数学が大事だから数学のテストで決めようか!
と途中で順位の決め方が変わったとしたらどうでしょうか?

何で評価されるのかがその時々で変わらないよう、評価する項目や基準を決めておくのが評価制度ということになります。

業績成果など数値で評価する部分を「定量評価」、日々の行動や姿勢など数値で表現できない部分を「定性評価」として、それぞれ項目を設けるのが一般的です。

▶報酬制度

等級や評価に基づいて、給与や賞与がどのくらい報酬として支払われるのかを決めるのが報酬制度です。
報酬制度のなかで中心になるのが賃金テーブルです。

賃金テーブルは、等級×号棒でマトリックス構造になっています。
1等級1号棒からはじまって、昇給で1等級2号棒に上ると〇〇円上がる
あるいは、
1等級1号棒からはじまって、昇格で2等級1号棒に上ると■■円上がる

一般的に号棒を上げるというタテの動きよりも、等級を上げるヨコの動きになると賃金の上り幅は大きいものになります。
また、等級が上がっていくにつれて号棒が上がったときの昇給ピッチも大きいものになります。

そうすると、どうなるかというと、

「自身のキャリアを上げて等級が上がっていくとめちゃくちゃワクワクすることが起きる!」

等級制度×評価制度×報酬制度

これら3つの柱を組み立てていくことで、評価や給料の仕組みが透明なものになり、また社員にとって自身のキャリア(将来)が見えるようになる

それが人事制度です!

ポイント3:どこから手をつけていけばいいのか!?

ここまで人事制度についてざっと見てきました。
では、いったいどこから手をつけていけばいいのでしょうか。

私はまず等級制度を決めていくものとして「キャリアプラン」という表をまとめていくことをオススメしています。
これはタテ軸に等級があり、ヨコ軸に役職呼称、求められる役割、求められるスキル(定性面・定量面)といった項目を設けているものです。

等級によってどんなポストに就き、そこでどんな役割を果たし、そのためにどんなスキルが求められるのかといったことが一覧になっています。

これまでは何となく主任とか、リーダーとか言っていたけど、その役割は何となくでしかわからなかった。
何となくということは人によって捉え方が違うということで、社長が求めることと、その人自身が考えていることも違っているということになります。

それが「キャリアプラン」によって明確に決まると、誰が見ても同じ、誰が見ても求める役割やスキルが明確ということになります。
また、社員にとっても自身のキャリアを上げていこうと思うと、どんなスキルを身につけて、どんな仕事をすればよいかが見えるようになります。

「キャリアプラン」をまとめていくだけで、組織がクッキリとして、それぞれポジションでの解像度が上がっていくことになります。
人事制度を考えるならまずは「キャリアプラン」から整理していくと良いのではないでしょうか。

今回のコラムでは、人事制度について取り上げてまいりました。

これまであまり触れることのなかった会社の内部の仕組みのお話ですが、一緒に働く仲間たちと未来を見据えて持続的成長を目指すなら必須の仕組みだと思います。

あらためて人事制度について見つめ直すきっかけになれば幸いです。

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■ 執筆者紹介
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株式会社 船井総合研究所
リフォーム支援部
シニア経営コンサルタント
入江 貴司

【プロフィール】
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルと
シニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する
専門コンサルティングを進める。
商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制
づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。


⇒ 入江 貴司 への経営相談は、コチラまで
E-Mail:takashi_irie@funaisoken.co.jp

この記事を書いたコンサルタント
入江 貴司
入江 貴司
入江 貴司

1976年大阪府生まれ。
大阪大学経済学部卒業後、大手工作機械メーカーに入社。
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルとシニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する専門コンサルティングを進める。商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

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