- 2024.11.25
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社員教育
福祉用具レンタル業 優秀な幹部・リーダーは「仕組み」をつくれ!
幹部社員といわれても、いったい何をすればいいんだろう・・・?
多くの会社さんでは、実績を上げた社員を幹部やリーダーとして登用されると思います。
ただ、現場で実績を上げることと、幹部やリーダーとして成果を残すのは決してイコールではありません。
幹部やリーダーといわれる人はどんなことを考えないといけないのか、今回のコラムではそうしたことについて考えてみたいと思います。
ポイント1:会社にとっての優秀な人材ってどんな人?
いわゆる会社にとって優秀な人ってどんな人でしょうか?
そこで私は考えてみました。
「優秀な右腕、優秀な人材ってどんな人なのか?」ってどんな人かな?と。
例えば、多くの会社さんでは現場で実績を上げた人を登用して、現場リーダーとか、会社の幹部とかに引き上げるケースが多いと思います。
もちろん、これは私たち船井総研でも同じことです。
現場で実績を上げる、すなわち「売り子」として超・スゴイっていうのは間違いなく「優秀」だと思います。
ただ、現場で実績を上げるということと、会社を成長させるということは、必ずしもイコールではないということに注意が必要です。
会社のリーダーや幹部として「優秀」いうのは、必ずしも現場で実績を上げることではなく、
むしろ「仕組み」をつくることができる人のことを言うんじゃないかというように思います。
どういうことか、ちょっとお話ししていきたいと思います。
例えば、世の中に、いわゆる零細といわれる会社さんっていっぱいあると思います。
社長と社員数人でやってます。という会社さんのイメージです。
そうした会社さんの場合、ほとんどの会社は社長が超・優秀な売り子だと思います。
ひとりでバリバリ仕事を取ってくる。そんな社長さんのイメージで、社員の方たちは社長が取ってきた仕事をこなしていくような感じです。
社長は売り子としては超・優秀ではあるんですが、これだと社長の力以上には大きくならないというのが、この構図です。
みなさまなんとなくおわかりいただけるんじゃないでしょうか。
次の段階として、中小企業という会社さんがあります。
イメージ的には社長がいて、社員数が30人とか50人とかくらいでしょうか。
この段階になると、社長は売り子として仕事を取ってくるというのはやらなくなってきます。
それでは、社長は何をやるのかというと、社長は「仕組みをつくる人」になるんですね。
社長が仕組みをつくって、その仕組みで動く社員が何人もいる、その仕組みもひとつだけじゃなくって、いくつかあったらその仕組みの数だけそこで動く社員がいるので、会社がそこそこ大きくなっていく。
そんな感じなのではないでしょうか。
さらに段階が進むと中堅企業のような規模になってきます。
社員数は100名を超えてくるとか、売上でいうと数十億円規模になってくるような会社さんのイメージです。
社長のもとに幹部社員というのがいらっしゃって、その幹部が今度は仕組みをつくるようになる。
仕組みで動く社員が何人、何十人もいて・・・という構造になっていって、そうすると社長だけが仕組みをつくっていたころと比べると、各段に会社の規模は大きくなっていくと思います。
社長は何をするかというと、「仕組みを作る人をつくる人」という位置づけに変わっていくというのが、この中堅企業の段階だと思います。
ここで大事なのは、会社にとって「優秀な人材」の定義をはっきりさせることだと思っていまして、
優秀な人というのは、「仕組みがつくれる人」だと再定義していくことが重要です。
例えば、福祉用具レンタル会社さんでもけっこうあるあるだと思うのですが、
そこそこ会社が大きくなってくると、めちゃくちゃ成果を挙げる社員というのができてくると思います。
そうすると社長にとっては、
「あー、あいつめちゃ優秀やから、おれのザ・右腕やな。」
という具合に、幹部のポストにつけて期待するようになると思います。
ところが、しばらくすると
「あれ?思ったように成長していかへんな~」
となり、期待した幹部は相変わらず一人でパワープレイみたいなことをやっている。
…といったようなことって、意外にあるあるな現象かもしれないと感じています。
スポーツの世界でも「名プレイヤー名監督にあらず」っていう言葉がありますけど、
売り子として優秀であったとしても、そこから頭を切り替えて「仕組み」をつくるようにしていかないと、本当に右腕として会社に貢献できる幹部にはならない。
と私は思います。
ポイント2:「仕組み」をつくるとはどういうことか?
それでは、「仕組み」をつくるっていったいどういうことなの?ということを考えてみたいと思います。
みなさんにも身近な例えとして、ラーメン屋さんで考えてみましょう。
実は何を隠そう、私はラーメンが大好きなので。笑
あるラーメン店というのがあるとします。
そこの大将は超・旨いラーメンをつくる人です。
「おれはラーメンづくりでは負けへんで~」
っていう感じです。
でも、それだけだと町のラーメン屋さんという感じで、大きくはなっていかないですよね。
もちろん、1店舗で旨いラーメンを作り続けるっていうお店もあるんで、それはそれですばらしいと思います。
一方で、ラーメンチェーンというのがありましたと。
そうしたチェーンは事業規模を拡大させていくためのいろんな「仕組み」をつくっていっています。
「仕組み」のひとつとして、売れる仕組みを考えてみましょう。
例え話として、ごくごくシンプルに考えてみます。
売上=客数×客単価という公式で考えて、売上が上がる打ち手をどんどん打っていくとします。
例えば、客単価1000円で、今週は客数700人だったから売上70万円だったとします。
じゃあまずは客数アップのためにチラシを打ってみましょうと。
そうすると次の週は客数が900人になって、売上は90万円になったとします。
さらに、次は客単価を上げるためにサイドメニューを強化してみましょうと。
そうすると客単価が1200円になって売上は108万円になったとします。
そんな感じで売上が上がる打ち手をどんどん試していって、結果をチェックして、トライ&エラーを続けていく。
そういう風にやっていくと売れる仕組みになっていくじゃないですか。
そう考えると、大将がひとりで「旨いラーメンをつくってたら売上はついてくるんや~」っていうのとは大きく変わってきますよね。
「仕組み」としてもう一つ、つくる仕組みというのも考えていくとします。
もともと大将がつくっていた超・旨いラーメンの作り方を細かく分解していって、麺をゆでるのはお湯の温度は何度で、時間は何分何秒ゆでて、湯切りは何回やるのかとか、他の人がやっても大将と同じように旨いラーメンができるようにしていくとか標準化していくとします。
あとはパートさんとかアルバイトさんが入ってきてもすぐに戦力になるように育成プログラムをつくっていくとかも考えられますね。
そうしたことも「仕組み」と言えると思います。
このコラムで言う「仕組み」というのは、そういったように事業を成長させていけることや、多くのメンバーに展開して拡大させていけるためのカタチをつくっていくことと捉えていただければと思います。
ポイント3:優秀なリーダー・幹部は「仕組み」をつくれ!
ここまで、会社にとって優秀な幹部とはどういう人なのか。また「仕組み」とはどういうことなのかについてお伝えしてまいりました。
福祉用具レンタル会社のリーダー・幹部の方々は、ぜひ「仕組み」をつくることを考えていただきたいと思います。
例えばある会社さんでは、営業拠点のメンバーのスキルアップのために、
・ロープレを定期的に実施する「仕組み」をつくった
・営業拠点内の住宅改修提案の事例を共有するための「仕組み」をつくった
・さらに他の営業拠点でもロープレが定例的に実施できるよう促進していっている
といったことをやられています。
また、別の会社さんでは、これまた自社の営業メンバーのスキルアップのために、
・ケアマネのタイプ別対応法をマニュアル化している
・ケアマネ向け勉強会の進め方をマニュアル化している
といったことを進めている事例もあります。
社長さんも自身が「仕組み」をつくるということはもちろんのこと、
リーダー・幹部が「仕組み」をつくることができているか?
「仕組み」をつくるということに意識の転換ができているか?
そんな視点をもって会社全体を再点検していただければと思います。
「仕組み」をつくれる人材がどれだけいるかによって会社の成長が決まります!
ぜひ強烈にインプットしていただければうれしい限りです。
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■ 執筆者紹介
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株式会社 船井総合研究所
リフォーム支援部
シニア経営コンサルタント
入江 貴司
【プロフィール】
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルと
シニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する
専門コンサルティングを進める。
商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制
づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。
⇒ 入江 貴司 への経営相談は、コチラまで
E-Mail:takashi_irie@funaisoken.co.jp