千葉県で利用者数6000名!シルバーとっぷのカリスマ社長からの継承に挑む外山部責に迫る!

以下、株式会社シルバーとっぷ 部責任者 外山司様のご紹介レポートです。

まずは、シルバーとっぷという会社のことを簡単にご紹介させていただきたいと思います。

・千葉県内で1拠点利用者数6000名
・レンタル売上年間10億円弱
・法人部門も合わせて、年商約20億円
・創業から36年間黒字経営を継続
・20年前から新卒採用に取り組み、社員の定着率も高い

・・・とまぁ、外から見ると「いい会社」に見えると思います。
実際に外部からの企業の評価は高く、色々な方面からお褒め頂くことも少なくありません。
それだけに、近い将来現社長からバトンを受け、社業を引き継ぐ立場の私にとっては、大きなプレッシャーを感じています。
このレポートをお読みのみなさんの中には、私と近い境遇の方もいらっしゃるかもしれません。
私が会社に入り、これまで経験してきたこと、色々と悩みながら奮闘していることなど、お話できればと思います。

あることをきっかけに会社に本気で向き合い始める

もともと、父の会社に入ることはまったく考えていませんでした。
学生時代は、プログラミングなどのシステム分野を専攻していて、そちらの業界に携わりたいと考えていました。
卒業後について家族で話した時も、「お前の好きにしたらいい」という話でした。
そんなこんなでゲーム会社に就職をし、ゲームの基盤システムのコードを書いたりするような仕事をしていました。

エンジニアとして働きはじめて3年がたった頃、少し体調を崩してしまった時がありました。
それもそのはず、当時のエンジニアあるあるですが、残業は100時間を超え、いわゆるブラックな働き方を余儀なくされていたのです。
そんなこともあり、自分自身がこれからどんなキャリアを歩みたいのか、真剣に考えるようになりました。
今後のキャリを両親に相談したところ、思わぬ返答がありました。「それだったらうちの会社で働けば?」
もともとは会社に戻るつもりのなかった私でしたが、そんな選択肢もあったかと思い考えている内に、少しづつ傾いていきました。

会社に戻り、会社を継ぐことを決意

その後、29歳で会社に入ることになり、配送業務を半年、在宅営業を2年半、法人営業を5年と、ひと通りの現場実務を経験しました。
現場実務をやっている中で、入社3年目くらいの頃だったと思います。新たにオープンした東京支店がうまく回っていないという状況を聞き入れました。
その時、「東京支店には、営業スキルの高いメンバーがたくさんいるのになぜだろう?」と思い不思議に感じていました。
詳しく話を聞いたり、現場を見に行ったりするうちに、少しずつ現状が見えてきました。
確かに支店のメンバーそれぞれは優秀だが、想いや理念の共有が行き届いておらず、このままでは外山社長が目指したい会社の姿は実現されないのではないかと感じました。
そんなことを考えているうちに、「1番社長のことを知っているのは息子である自分ではないか」「社長の目指す会社にするには自分がやっていくしかない」と思うようになりました。

継承を見据え、まずは行動!新たな取り組みを始める

なんだかんだ言っても、やはりこの先シルバーとっぷを背負っていくのは自分の役割だろうと覚悟を決めました。
自分が次の社長になると決意をしたその日から、少しずつ会社を自分の思う方向にもっていくための取り組みをはじめました。

■社員との関係性づくり
まずは、社員との接し方に力を入れました。今の社員は現社長に惹かれて入っている人がほとんど。
「あの人と一緒に仕事がしたい」「外山社長でなければ一緒に働きたくない」という声もあり、自分のほうを見てもらうのは容易いことではありませんでした。
だからこそ、自身の思いをしっかりと伝えないといけない。そんな中で、私は社員に積極的にアプローチするようになりました。
特に気を付けていることは、営業や配送、事務、メンテナンスなど特定の部署に限らず、様々な人に分け隔てなく声を掛けるように意識をしています。

小さなことですが、年末に催される納会の後は30人くらいの社員を連れて、2軒目に行ったりもしています。
また、現社長はカリスマ性があり、常に輪の中心にいるタイプです。それと比べると、自分にはなかなかそれはできないということはわかっています。
だからこそ、私は「人を頼る」ことを大事にしています。
そんな風に社員と関わっていくことで、少しずつ社員から認めてもらえるようになってきているんじゃないかと感じます。

■社員が働きやすい環境づくり
今の時代に合わせた働く環境のアップデートにも取り組んでいます。
例えば、今まではいわゆる福利厚生的な手当はほとんどなかったのですが、初めて昼食手当てをはじめました。
また、以前から完全週休二日制と謳ってはいましたが、なかなか完全に撤廃できていなかった土日の配送も少しずつ改善しています。
私は前職がエンジニアだったため、その経験を活かして業務効率化のアプリを作ったりもしています。

分かりやすいところだと、FAXで届いた見積書を自動で振り分けるシステムなんかをつくりました。
1つ1つは決して大きなことではないですが、少しづつDX化による事務作業の削減を図っています。
また、評価制度の見直しについても着手しています。社員の評価は、社長・専務と部長職が参加する評価会議で決定されます。
社長1人で評価を決めているわけではないのですが、評価される基準が完全にクリアになっているかというと、そうではありません。

そのため、社員としてはどうやったら評価されるかわからないという状態になってしまっています。
また、給与体系は職種を問わず全て一律となっています。
やはり圧倒的に業務量が多く、数字のプレッシャーが強いのは営業というのは、当社に限らず業界一般的なことだと思います。
業務量や役割に応じて、給与体系の見直しをかけていくのも、今後の課題だと捉えています。

■社長との関係性
多くの会社では、社長と社員の関係、親と子の関係、この両面でどう接していくのがいいのか手探りで、日々過ごしている方も多いと思います。
私自身もご多分に漏れず、一時期は会社の会議などで言い合いに発展することも多々ありました。
社員からすると、社長と社員というよりも単なる「親子喧嘩」のように映っていると耳にしました。
そうした「親子喧嘩」の光景を目にしたとき、社員は現社長と次期社長のどちらについていけばいいかわからなくなり、混乱させてしまっていると感じました。

それ以来、会社では親と子の関係は一線をひき、あくまでも社長と社員との関係として接するように気をつけています。
とはいえ、一歩会社を離れると、とても仲良くしています。
例えば、共通の趣味として、父とバイクでツーリングをする際などは、インカムでよく仕事の話をしていました。
社長からすると、会社の現場の状況は細部まではわからないので、そのあたりの話なども、走りながら話すこともありました。

社長と接する際は、基本的に社長を全肯定すること。向かう方向性は同じであることはいつも伝えています。
社長と対立しても、何もいいことはありません。社員の混乱も招くし、物事が前に進まず、非生産的だと感じています。
社長と思いを1つにしながら、自分の思う方向に少しずつ少しずつ会社を変えていくことが重要だと思っています。

今後の持続的な成長を目指して

まだ、取り掛かってはいるわけではありませんが、こんな内容にも着手していきたいと考えています。
まず1つは、もっと外部の風を入れていくということです。現在は新卒採用が中心になっているのですが、キャリア採用なども含めて新しい風も入れていきたいと思っています。
2つ目に、リーダーの育成です。部長職を立ててはいますが、実績を上げてはきたものの、マネジメントやリーダーシップについては、まだまだ育成が必要だと感じています。
そういった部分を会社としてもサポートできる体制を強化していきたいと考えています。

このように、数年後訪れるバトンタッチを前に、少しずつではありますが会社を変える取り組みを進めています。
まだまだ若輩者ですが、同じような境遇にある方なんかもいらっしゃると思います。
そんなみなさんに、少しでも参考にしていただけるようにお話をさせていただきたいと思います。
ぜひ、東京会場にてお会いできます事を楽しみにしております。

この記事を書いたコンサルタント
東野 準也
東野 準也
東野 準也

大学を卒業後、船井総合研究所に新卒で入社。
入社後は葬祭業・塗装業を経験し、現在は福祉用具レンタル業専門コンサルタントとして従事。
住宅改修×福祉用具セット提案モデル支援を得意とし、マーケティング、営業、DX分野を強みに業績アップ支援を行う。

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