- 2025.03.27
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福祉用具レンタル業 なぜ社会福祉法人 永寿荘はあえていま福祉用具レンタルを立ち上げたのか・・・後編
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前回に引き続き、永寿荘 永嶋理事長にお話をお伺いしてまいります。
前回はこちら
https://fukushiyougu.funaisoken.co.jp/column/1318/
福祉用具レンタル立上げ6ヶ月で黒字化に成功!
事業立上げからスタートダッシュを決めた秘訣は何か?
いざ福祉用具レンタルを立ち上げることを決めると、そこから情報を集めて回る日々がはじまりました。
当時はコロナ禍の真っ最中だったので、それまで当たり前だったいろんなことが自粛になっていました。そのおかげで一気にヒマになったので、自宅でネットやYouTubeをたくさん見て新事業についての情報収集に勤しんでいたところ、船井総合研究所のチャンネルで福祉用具レンタルについて解説している動画にぶち当たりました。
はじめはなんだか怪しげなコンサルタントが話しているという印象だったのですが、見れば見るほどクセになり、気づけば次々に動画を見てしまっている自分がいました。
これでかなり基礎知識としてはインプットすることができたように思います。
次に近隣の知り合いで、すでに福祉用具レンタルをやっているという経営者に話を聞いてみました。聞いてみたところ、みな口を揃えて言うのは「いまから参入しても無理、利益が出るまでいかないからやめた方がいい。」ということでした。

それを聞いて私が思ったことは「これは逆張りでイケるんじゃないか!」ということでした。
というのも、これまでの経験で、周りがやっていないこと、周りが反対することほど、やったら上手くいくという感覚をもっていたからです。
そんなこんなで本格的に福祉用具レンタル事業への参入を決め、準備期間を経て2023年10月に事業所をオープンすることになります。
利用者数ゼロからスタートし、1年と少し経った2024年11月には利用者数200名を突破しました。
また、立上げ直後は当然ながら赤字でのスタートですが、半年後の2024年3月には単月でなんとかプラスに持っていくことができました。
これからもっともっと事業を成長させていき、利益体質を盤石にしていかなければならないのはもちろんですが、ひとまず立上げからここまでの経緯を振り返っておきたいと思います。
介護グループならではの利用者増加施策
当たり前といえば当たり前かもしれないのですが、自法人のケアマネージャーからの福祉用具レンタル案件を流すようにしています。
ただ「ウチの福祉用具を使え!」といったところで、すなおに聞くとは限らないのがケアマネージャーの世界だと思います。
福祉用具レンタル事業所を立ち上げる際に、法人内の全スタッフにその意図や狙いを説明しました。
また居宅介護支援事業所の管理者を中心に落とし込みを行い、新規利用者が発生したときには最優先で依頼を回すように周知していきました。

とはいえ、サービスの品質が低いと他社の貸与事業所に流れてしまうというのはよくある話だと思います。
その点は、福祉用具レンタルのスタッフ2名が本当によくがんばってくれて、一生懸命にサービスをしてくれたと思います。
現在はチャットのやり取りでスムーズにコミュニケーションが取れるので、ごく自然と法人内部で依頼をする流れができ上っているようです。
他社との差別化の武器としての住宅改修
介護保険制度での福祉用具レンタルが始まって、はや四半世紀となりました。
私たちが参入したのが2023年ですので、完全に後発の参入業者ということになります。
そんな後発の私たちが、並み居る競合事業所を向こうに回して、通り一遍の営業活動で「レンタルお願いします!」と言ったところで、誰も相手にしてくれないのは目に見えています。
そこで、私たちは同業他社があまり力を入れていない、あまり積極的にやりたがらない、住宅改修という分野で差別化をしていくことにしました。
介護の法人からすると、住宅改修なんて別世界すぎて、まったくピンと来ないと思います。実際に私自身もそうでした。
それだけに、これもやはり逆張りの考え方で、みんながピンと来ないのであれば、多くの福祉用具レンタル会社もそうなのだろうと思いました。
周りがみんなピンと来なくて、だからこそ力を入れていないのであれば、そこで一点突破できる勝機があるだろうと考え、思い切ってチャレンジしてみることにしました。
もちろん独学では無理なので、船井総合研究所のネットワークを活用して、先行している同業他社にレクチャーしてもらいながら、自社で現場確認や提案、簡単な施工までできるように体制を整えていきました。

そうすると思った通りこの効果はテキメンで、特色ある事業所として認知されるようになり、手すりなど住宅改修の要望があれば優先的に声がかかるようになりました。
自分たちに住宅改修なんてできるのだろうかと思っていたのですが、やってみると案外スルスルとできるようになったのが驚きです。
これは絶対にやっておいてよかったと思います。知っているのと知らないのとでは、天と地ほどの違いがありますね。

地域包括支援センターを中心に外部にアプローチ
介護サービスをグループで経営していると、どうしても法人内の有料老人ホームとか、サ高住の利用者さんとか、そうしたところの福祉用具を入れていくという視点になりがちです。
私たちもそうした部門の案件はなくはないのですが、あくまで「おまけ」くらいの位置づけで、外部の居宅介護支援事業所や地域包括支援センターへのアプローチが営業活動の本筋と位置づけています。
先ほど法人内部のケアマネージャーからの新規案件を回すという話をしましたが、ある一定数は内部で見込めるものの、やはりふつうに営業活動で新規獲得できないことには伸びていかないと思います。

福祉用具レンタルのスタッフには、外部のケアマネージャーとの面談数をKPIとして設定し、積極的に新規案件をいただいてくるよう促進しています。
事業の立上げから1年半が経過しての総括と永寿荘のこれからの法人経営のビジョンとは!?
2023年10月に福祉用具レンタル事業を立ち上げて、約1年半が経過しました。
ここまでの評価としては、非常に順調に立ち上がってきていると捉えています。
まずは利用者数が順調に増えていること。ちなみに福祉用具レンタルの世界では年間100名も利用者数が増えればかなり順調だということでして、そう考えると1年半で200名というのは良いペースだと思います。
また、先ほどもお伝えしたように立上げから半年で部門利益が単月黒字に転換したこと。これも一般的な損益分岐点を突破するスピードと比べると早いペースだということで、伸びるやり方を知っていることが大きかったと思います。
あとは、住宅改修という私たち独自の武器ができてきていること。これがあることで外部の地域包括支援センターや居宅介護支援事業所からも新規獲得していける流れが固まってきています。

実際に事業に取り組んでみての、ここまでの感想ですが、早期に黒字転換できたこともあってキャッシュアウトが非常に少なかったのが新規事業として非常に良かったと思っています。
ふつうは何らかの新規事業を立ち上げると、そのためのハコであったり設備に資金投下をしなければならないことが多い一方で、福祉用具レンタルは立ち上げにあたり初期投資がほとんど要らないことが大きかったです。
スモールスタートが可能で、揃えたモノと言えば営業用の軽バンと、パソコン、工事用の工具類、本当にそのくらいではないでしょうか。
その上、半年くらいで月次黒字になったわけなので、本当にミニマムの資金投下で事業を立上げることができました。とはいえ、現時点で月次売上が300~400万円程度、法人全体からすると百分の一とかそれくらいの規模しかありません。
やはりここはもっともっと成長させていって、法人全体の中でも一つの柱になるくらいに伸ばしていきたいと考えています。
そうなったときには、利用者様が在宅で生活されている時点から接点を持つことができるフロントエンドとしてこの事業が機能していくと期待しています。
これから先の近い将来、私たちも社会福祉法人と言えども地域包括ケアの視点をもっていないと早晩取り残されてしまうと予測しています。
法人の未来を切り拓くという意味でも、今回新たに立ち上げた福祉用具レンタルという事業は私たちにとって先遣隊のような欠くことのできない部門になっていく、そんな未来を描いています。
今回、船井総合研究所にお声をかけてもらってセミナーで講演をする機会をいただきました。
私たちのような社会福祉法人のみなさま、営利法人で介護経営をされている方、新たな収益事業として福祉用具レンタルを考えている方、すでに福祉用具レンタルをグループに抱えている方、、、
みなさまといろんな意見交換ができればうれしい限りです。
たくさんの方々とご縁をいただき、互いに高め合えるような機会にできればと思います。
みなさまとお会いできますことを楽しみにしています。
福祉用具レンタル 新規立上げスタートダッシュセミナー
