福祉用具レンタル業 社長は決断力が重要!とは言うけれど・・・

経営者たるもの決断力が重要・・・

それはわかってるんだけどね~

社長とはいうものの、一人の人間。
全知全能ではないし、そんなパキパキと決断できない社長もいるんだよ・・・

そう思われる方は多いか少ないかわかりませんが、すべての社長さんが決断力を備えているとは限らないでしょう。
今回のコラムでは、社長の決断力と、決断ができる環境との関係性を考えてみたいと思います。

ポイント1:経営者は日々決断の連続と言われるが・・・

経営者は日々決断の連続だと言われます。

私もそれは大いに同意するところであり、会社の業績が上がるかどうかは社長の決断によって左右されると言って過言でないと思います。

会社の将来をどうするか、市場の中のどのポジションで戦っていくかという大きなところから。
目の前で面接しているこの人材を採用するか否か、入社したらどの部署で育てていくかというのも決断です。
はたまた、社員からのメールにどう返信するかといったところまで。

大きなものから、日常のことまで決断の連続といっていいでしょう。

一般の社員も日常のことは決断していますが、部門をどうするとか、会社をどうする、人材をどうしていくかという部分は決断を迫られることはないと思います。
経営者は日々多くの決断をしなければならず、決断を先送りにしたり塩漬けにしていると、あっという間に会社は停滞していってしまうことでしょう。

少しだけ話は変わりまして、会社の経営というのはとことんシンプルに考えると次の2つをやることで、社長が思う方向へ、つまり業績を上げ成長させていくことができると思います。

①会社の将来の姿を描くこと(=ビジョン)
②描いた姿に向かって決断し行動すること(=アクション)

ものすごくシンプルに考えると「ビジョンを描いてアクションする」これがきちんとできれば、会社は思ったように成長していきます。

ビジョンには正解も不正解もありません。

社長が心から思う将来の姿が正解であり、思い描いたように現実が近づいていくものだと思います。
「そんな大それたビジョンなんて・・・」とおっしゃる社長もいれば、かなり壮大で野心的なビジョンを描く方もいらっしゃいます。
それも含めて、社長が思ったようになっていくし、思ったようにしかならないという性質のものだと思います。

そのようにビジョンを思い描いたとして、、、

現実を動かしていくのが日々の決断であり、行動ということになります。

「そうしたいとは思ってるんですけどね~」

という言葉のなかには、ビジョンは描くものの、そこに至る決断がなかなかできない心のうちが見え隠れしますよね。

社長のなかには決断するのが何の苦も無く日々されているという方もいれば、決断するということにハードルを感じながら社長業をされているという方もいらっしゃると思います。
このあたり、掘り下げて考えていきましょう。

あなたは日々、決断できていますか?

ポイント2:決断力 × 決断できる環境 で考えてみる

さまざまな会社の経営者と接する中で、社長の意思決定ということに注目しています。
社長が決断できる/決断できないというのも、もう少し細分化してみると、決断力の有無 × 決断できる環境 で考えることができるのではないかと思います。

決断力の有無というのは、そのまんまで決断ができる社長かどうか、これまでに数々の決断をしてきたかどうかという決断ということに対する社長の資質のことを指しています。

決断できる環境というのは、会社の状況によって決断したくても自由に決断できない環境というのもあり、そうした外的要因のことを指しています。
例えば、創業社長ならいろいろな意思決定はまさに社長の意のままにできる一方で、これが2代目・3代目の社長になるといろんな関係者の手前、なかなか自由に意思決定ができない環境というのもあると思います。

そうした観点から、決断力の有無 × 決断できる環境 で考えてみると、、、

第1象限:決断できる社長 × 決断できる環境

決断の内容が間違っていなければ、業績は上がり、会社は成長していくことでしょう。
適切に判断し、それを実行していくことでどんどん前に進んでいくことができると思います。

「ウチの社長は次々に新しいことをもってくる。言うこともコロコロ変わる。」
そんな風に言われることもあると思いますが、前に進まないよりは100倍くらい良いと思います。

正しく判断ができるよう助言をしてくれる存在を大切にし、周りのメンバーと気持ちを合わせることに注意しながら突き進んでいくことでしょうか。

第2象限:決断できる社長 × 決断が難しい環境

いろんなことを決めて行動していきたいのに周囲の環境がそう易々とはさせてくれないということになります。

「そんなことってあるの!?」

と思うかもしれませんが、例えば社長の親族が会社にいたり、先代の頃からの番頭さんがいて、何かと意見をされるケース。
何かをしようとしたときにお金が必要で、金融機関の協力なしには身動きが取れない場合などもあると思います。

こうした環境のなかで決断をしていくには周囲の理解・納得が不可欠で、しっかりと筋道を立てて説明ができるよう理論武装をしていくことも必要になると思います。

第3象限:決断できない社長 × 決断できる環境

意思決定をするのに特に成約はないが、社長が優柔不断とかで決めることができないケースです。
社長自身が決断するということの不得手を認識し、日々小さなことから決断することを意識していくと良いと思います。

余談ですが、小さなことから決めるクセづけという意味では、断捨離や整理整頓をすると良いと言われます。
あるモノを要る/要らないを決めるのも決断です。
整理整頓で要らないものはゴミ箱に捨てる、要るものは置き場所を決める。
そうしたことをいちいち決めることが決断力を高めることにつながります。

そうした意味で、きちんと5Sに取り組んでいる会社は業績がよく、また車の中がキレイな営業スタッフの成績が良いというのは、日々の細かいレベルでの決断力が影響しているのではないでしょうか。

第4象限:決断できない社長 × 決断が難しい環境

これはなかなか難易度が高いです。

たいへん表現は失礼ですが、大手グループ会社のサラリーマン社長さんなんかで、自ら動いて何かを変えていく気概もなければ、さまざまな決断に親会社の了解が必要というケース。
先代から会社を受け継いだものの、先代はまだまだ健在で院政を敷いている、社長も典型的なぼっちゃん気質で先代にびびって何も言えないというケースなどが思い浮かびます。

まずはご自身が社長としてどうなりたいか?会社をどうしていきたいか?というところを、とことん突き詰めて考え抜くというところではないかと思います。

決断力 × 決断できる環境 という視点で見てまいりました。
みなさんはどの位置に当てはまりますか?

ポイント3:決断を後押しする存在の活用も大切です

決断し実行していくということを考えると、それをサポートする存在を上手に活用していくことも大切だと思います。

第1象限:決断できる社長 × 決断できる環境
決断を間違わないよう、多角的に情報を集め、自身の判断を補うようなアドバイスを受けることも価値があると思います。
社長がイケイケタイプであれば、ナンバー2は守りが得意なタイプという組み合わせも、自身の考えとは異なる角度で意見してくれるという意味で貴重な存在といえるでしょう。

第2象限:決断できる社長 × 決断が難しい環境
私たちコンサルタントも、社長が決断したり周囲を説得したりするのがスムーズに進むよう、理論武装をサポートしたり一緒に交渉したりという動きをすることもあります。
そうして数々の苦難を共に潜り抜けて会社を動かしていくことができると、社長とはまるで「戦友」のような関係になることができ、この上なく仕事の楽しさを感じるひとときと言えます。

第3象限:決断できない社長 × 決断できる環境
もちろん社長自身が決断力を鍛えていくことが必要ですが、私たちコンサルタントも社長になんとか意思決定をしてもらうように説得する、意思決定の参考になる事例をどんどん出すなど。
ときには、参考になる他社と引き合わせて、その会社まで連れて行って直接の刺激を与えるなど、あの手この手で社長を勇気づけて決断を促すということもやっています。

第4象限:決断できない社長 × 決断が難しい環境
そもそも社長がどうされたいかということが重要なので、そこを上手く引き出してくれる存在を見つけるといいかもしれません。
さらに、社長の意思が強固なものとなり、なんとか事を動かしていきたいということであれば、環境を変え、決断できるように一緒に動いてくれるということも重要でしょう。

数々の決断ができる社長か、はたまた決断ができる環境か、それによって周囲が果たす役割も微妙に変わってくると思います。

繰り返しになりますが、

会社の経営というのはとことんシンプルに考えると次の2つをやることで、社長が思う方向へ、つまり業績を上げ成長させていくことができるものです。
①会社の将来の姿を描くこと(=ビジョン)
②描いた姿に向かって決断し行動すること(=アクション)

自らの決断力を高め、また決断をサポートする存在を上手に使いながら、会社を成長させていきたいものですね。

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■ 執筆者紹介
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株式会社 船井総合研究所
リフォーム支援部
シニア経営コンサルタント
入江 貴司

【プロフィール】
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルと
シニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する
専門コンサルティングを進める。
商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制
づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

⇒ 入江 貴司 への経営相談は、コチラまで
E-Mail:takashi_irie@funaisoken.co.jp

この記事を書いたコンサルタント
入江 貴司
入江 貴司
入江 貴司

1976年大阪府生まれ。
大阪大学経済学部卒業後、大手工作機械メーカーに入社。
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルとシニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する専門コンサルティングを進める。商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

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