- 2025.11.20
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新規事業
福祉用具レンタル業 貸与事業所がまさかの居宅立ち上げレポート ~前編~
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ケアマネ10名・売上8,000万円・営業利益1,500万円
ニュースタイル居宅介護支援ビジネスモデルを徹底解説!
当社は株式会社フローラとして福祉用具レンタル事業をやっているのですが、ある思いがあり2025年5月に居宅介護支援事業所 エンリッチを立ち上げました。
自分でもびっくりするくらい順調に業績が上がり、開業から半年が経過した10月にはケアマネ5名、利用者数190名で、単月黒字に転換しています。
今回の開業にあたってはけっこう入念に準備をして立ち上げたのですが、そのポイントは次のようなところにあると思います。
ポイント1:ケアマネ1人あたり利用者45人以上を担当 だから・・・「稼げる」居宅経営へ
ポイント2:AI/ICT活用でケアマネ業務を効率化 だから・・・1人あたりプラン数が増やせる
ポイント3:出社の義務なし 在宅ワーク&直行直帰 だから・・・ケアマネ人材が集まる
ポイント4:人材採用はビジョンでガッチリ惹きつけ だから・・・いきなり5名ケアマネ採用
ポイント5:稼ぐケアマネが集まるニュースタイル居宅経営 だから・・・開業から半年で黒字化実現!
これらのポイントについてそれぞれお話していきたいと思います。
ポイント1:ケアマネ1人あたり利用者45人以上を担当 だから・・・「稼げる」居宅経営へ
福祉用具の営業活動で常々感じていたことがあったんです。
「ケアマネジャーさんってなんだか忙しくてたいへんそうだな・・・」
ただ、すごく忙しそうにされていても、どのくらいのプランを担当されているのかと聞くと30件とか35件とか・・・
もしかしたら皆様も一度くらいは考えたことがあるのではないでしょうか。
「自分たちで居宅を持ってたら営業的にもすごく楽になるんじゃないか!?いやいや・・・居宅はなかなか利益が出ないし、やっぱり合わないな。」と。
事業としてもなかなか利益体質にならない上に、ケアマネジャー個人としてもそんなに担当数を持てないから実入りも多くない。
そうした居宅介護支援事業の「これまでの常識」を変えないといけないなというところから事業の計画を組み立てていきました。
エンリッチのケアマネジャーは入職するときから「1人あたり45人以上担当」を目指して入ってきます。
それだけ1人あたりの収益も上がりますので、プラン数40を超える部分には件数に応じたインセンティブも設定しています。
お付き合いのある他の事業所のケアマネジャーに聞くと、多くの居宅介護支援事業所では月の新規利用者は1人あたり2~3件だそうですが、私たちエンリッチの場合は月10件以上の新規利用者を受けています。
それだけの新規利用者のプランを受けているからこそ、急速にプラン数を増やし、収益を上げ、半年で単月黒字化を成し遂げることができたのです。
ここできっと皆様はこのように思われますよね?
「ただでさえ忙しいケアマネジャーの業務なのに、そんなに新規を受けてどうやって回すのか!?」
そこで次のポイントがミソになってくるんです。
ポイント2:AI/ICT活用でケアマネ業務を効率化 だから・・・1人あたりプラン数が増やせる
ケアマネジャーの仕事って、これまで通りのふつうのやり方をしていたら、ぜったいに月の新規利用者を10人も受けられないし、まして45人もの利用者のプランを担当するなんてできないと思います。
作成しないといけない書類がたくさんある上、いろいろなサービス事業所との調整があるのに加え、月1回のモニタリング訪問もしないといけない・・・
私たちエンリッチでは、AIやICTを思いっきり活用することでこの問題をクリアしています。
例えば地域包括から新規利用者の案件がきて、認定情報の紙をもらったらすぐにスキャンしてAIのアプリに読み込ませます。
そうすると認定情報に記載してある情報を拾ってアセスメントシートを即座に作成してくれるようになっています。
これまでだったら紙の情報を自分で所定のフォーマットに打ち込むという作業を数十分かけていたことを考えると、本当に一瞬で作成できてしまいます。
また、モニタリング訪問の際に話をした音声を録音しておき、AIアプリに読み込ませるとそこからモニタリング記録を作成してくれるようになっています。
このAIアプリはとてもよくできていて、ケアマネジャーの視点としてのF-SOAIPの視点で文書を作成してくれるのです。
モニタリングそのものも、要介護の方の場合は、毎月の訪問ではなく2回に1度はテレビ電話を使ってのモニタリングにチャレンジしています。
これは2024年度の介護保険制度改正で認められるようになったもので、特に少し離れたところにお住いの利用者の訪問をテレビ電話に置き換えることで、移動時間を効率化することができるようになっています。
「利用者のような高齢の方の自宅でテレビ電話が使えるの?」
と疑問に思われるかと思いますが、そのあたりのテレビ電話端末や通信環境も利用者が戸惑うことなく使えるように整えました。
また、少し話はそれるかもしれませんが、ケアマネジャーと事務スタッフとの連携も生産性という点では見逃せない要素となっています。
外部からの連絡はすべて事務スタッフが一次対応をして、必要に応じて担当のケアマネジャーとの連絡を割り振るようにしています。
例えば利用者・ご家族からのちょっとした連絡などは事務スタッフが聞き取りをしてチャットツールで伝達するなど、ケアマネジャーが集中して業務に取り組める環境整備にも一役買っています。
このようにAIアプリやICTを存分に活用することでケアマネジャーの生産性を高め、1人あたり45人以上を担当できるという体制ができています。
ポイント3:出社の義務なし 在宅ワーク&直行直帰 だから・・・ケアマネ人材が集まる
居宅介護支援事業所を立ち上げるというと、ケアマネ人材の採用も気になるところではないでしょうか。
「そもそもケアマネジャーはなかなか集まらない上、すぐに辞めて他所に移ってしまうのでは・・・?」
開業の準備を始める時点で、私自身もその点はとても懸念していることでした。
果たしてケアマネジャーの採用募集をして応募を集めることができるのか・・・
実際にやってみるとその心配は完全に杞憂に終わりました。
募集をかけると毎日のように応募が集まり、1日2~3人ずつの応募者と面接をしたことを覚えています。
どうしてそんなにケアマネジャーを集めることができたのかというと、エンリッチではかなり自由な働き方を設定していることが大きいと思います。
1人あたり45名以上という基準をクリアして、しっかりと担当利用者をもっていれば毎日出社する必要はなく、リモート勤務でも直行直帰でも、好きなように働く場所と時間を選んでいいということにしています。
ケアマネジャーの特性として「それぞれが手に職をつけている専門職」ということがあると思います。
男性/女性を問わず、子育てや親の介護、それぞれの家庭の事情があるなかで、自由度の高い働き方で自立した仕事をしてもらう。用があるときや、出社したいときには事務所に出ればいいし、必要がなければ出社する必要はない。
そうした新しいスタイルの居宅支援事業所が今回立ち上げたエンリッチなのです。
とはいえ、それぞれがバラバラの状態というのは決して望むことではないので、定期的なミーティングを開催したり、みんなが共通で目指すビジョン設定にはしっかり力を入れています。
福祉用具レンタル業 貸与事業所がまさかの居宅立ち上げレポート ~前編~ はひとまずここまでといたします。
この後のポイントも後編でお伝えしてまいります。
ぜひご期待ください!
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■ 執筆者紹介
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株式会社 船井総合研究所
リフォーム支援部
シニア経営コンサルタント
入江 貴司
【プロフィール】
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルと
シニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する
専門コンサルティングを進める。
商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制
づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。
⇒ 入江 貴司 への経営相談は、コチラまで
E-Mail:takashi_irie@funaisoken.co.jp