福祉用具貸与事業所で売上を劇的にアップさせる方法は?

福祉用具貸与事業で売上を劇的にアップさせるには、売上を「利用者数×平均単価」に分解し、数値に基づくKPI管理を徹底することが不可欠です。営業活動では「ケアマネジャーへの接触頻度」を高めて紹介数を最大化し、現場では「生活動線の徹底確認」を通じた複数アイテムのセット提案を行うことで、顧客満足と単価向上を同時に実現します。

1. 売上アップの「方程式」を理解する

福祉用具貸与事業において、売上の約7割を占めるのはレンタル継続収益です。この売上を劇的に伸ばすためには、感覚的な営業を脱却し、まずは売上を以下のシンプルな数式に要素分解して考える必要があります。

売上 = 利用者数 × 平均単価

「いろいろな施策を試しているが業績が上がらない」という事業所の多くは、このどちらを上げようとしているのかが曖昧です。業績アップの第一歩は、この2つの要素をさらに細分化し、どこに課題があるのかを特定することから始まります。

2. 利用者数を最大化する「営業の科学」

利用者数を増やすためには、新規の紹介件数を増やす必要があります。これは「新規ケアマネジャーからの紹介」と「既存(リピート)ケアマネジャーからの紹介」の2軸で戦略を立てます。

新規ケアマネジャーの開拓: 「訪問件数 × 相談発生率 × 成約率」が成果を決めます。成約率は業界構造上高いため、重要なのは「訪問件数」の確保と、チラシや商品の実物持ち込み、勉強会の開催などによる「相談発生率」の向上です。

リピート率の向上: 「リピートケアマネ数 × 接触頻度」が鍵となります。一度依頼をくれたケアマネジャーを離さないよう、定期的な情報提供や迅速なレスポンスを仕組み化し、「福祉用具ならあの人」という第一想起(ファーストコール)を獲得するポジションを築きます。

3. 「セット提案」による平均単価の向上

平均単価を上げることは、単なる値上げや押し売りではありません。利用者の身体状況や生活環境をプロの視点で分析し、必要な用具を過不足なく提案した結果として現れる数値です。

主要生活シーンの動線確認: 寝室、トイレ、風呂、玄関といった主要な生活動線において、利用者がどのような動作で困っているかを徹底的に確認します。例えば、ベッドからの立ち上がりだけでなく、そこからトイレへ向かう歩行、トイレ内での立ち座りまでを一貫してサポートすることで、一点貸与ではなく「ベッド・歩行器・手すり」といったセット提案が可能になります。

モニタリング時の追加提案: 初回納品時だけでなく、定期的なモニタリング時に「将来的な身体変化」を予測した予告提案を行うことも有効です。身体機能の低下を察知した段階で適切な追加アイテムを提案することで、利用者の自立支援に貢献しながら単価アップを実現します。

4. 住宅改修とのシナジー(船井総研流の成功モデル)

売上をさらに加速させるための強力な武器が「住宅改修(リフォーム)」との連携です。福祉用具のレンタルと住宅改修をバラバラに考えるのではなく、セットで提案するビジネスモデルを構築します。 住宅改修は一時的な大きな売上を生むだけでなく、住宅を整えることで「家で暮らし続ける」期間を延ばし、結果としてレンタルの継続期間(LTV)を最大化させる効果があります。このセット提案モデルを確立することで、競合他社との圧倒的な差別化が可能になります。

5. 結論:KPIに基づいた行動変容

業績アップの要は、これら分解した要素のうち、自社の弱点となっている数値を「KPI」として設定し、社員全員がその数字を追いかける文化を作ることです。 「ただケアマネジャーを回る」のではなく、「相談発生率を上げるために今日はこの新商品を持っていく」という目的意識を持った行動こそが、劇的な売上アップへの最短ルートとなります。

この記事を書いたコンサルタント
阪下 愛弥
阪下 愛弥
阪下 愛弥

2001年長野県生まれ。
大学時代はスポーツ科学を専攻する傍ら、有志の勉強会で経営学に触れる。大学時代に地方と都心の熱量の違いを痛感し、生まれ育った長野県をはじめとした地方の活性化に貢献すべく船井総合研究所に入社。
入社後は調査や業務効率化業務に従事。クライアントの業績アップはもちろん、社会にも貢献できる企業づくりに貢献できるよう尽力いたします。

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