社長が現場を離れて「経営者」になるためのNo.2づくり

今回は事業がある程度成長し、次のステージを目指そうとしたときに必ず考えていただきたい、会社の「仕組み化」についてまとめました。
社長が先頭に立って会社を引っ張ってきたこれまでとは違い、さらに成長させるには社長が一歩引いて社員が活躍できる環境づくりに徹しなければならない局面が必ず訪れます。
実際によくあるエピソードなども交えて解説していきますので、ぜひお読みください。

◆ポイント1:現場バリバリの社長が陥るワナ
社内でトラブル発生!社長は営業に出ていて不在、急いで携帯電話に連絡するも呼び出し音が鳴るばかり・・・
夕方帰社した社長に事の顛末を報告すると、「なんで早く連絡しないんだ!」と怒鳴りつけられるという始末。
その対応にあたった社員はほどなくして、辞表を提出して会社を去ってしまったとか。。。

福祉用具業界では、経営者の方で未だに現場バリバリで営業を行っていらっしゃる方も少なくないのではと思います。
経営者が現場に出ていることで目の前の案件に忙殺され、社内の細部が見えなくなってしまうということも考えられます。

ある程度までは社長ご自身が会社を伸ばしてきたとしても、このままの状態でいいのか?
自分自身が現場バリバリを続けていて、会社が伸び悩みになってしまっていないか?
成長の余地が非常に限られていることを感じていないか?
そんなことをいま一度振り返ってみる機会が必要かもしれません。

さらなる成長を遂げていくには、社長ご自身が更なる成長を遂げるか、自分と同じ能力のある人間を見つけてくるほかありませんが、これは相当に難易度が高いことであります。

社長の仕事とは「自社のビジネスモデル、すなわち設計図をつくる」ことであるといいます。
それは社長ご自身が業務のいちいちを行うのではなくて、社員がそれほどのスキル・知識を持たずとも業務を行える環境をつくることです。
このような「ビジネスモデル化」を行うことによって社長が現場バリバリで仕事をするのではなく、現場で仕事をするのはそれぞれの社員に任せる。
社長は業績を見守り、次の一手を手配することに専念できるようになるでしょう。

◆ポイント2:「優秀な営業スタッフ」を幹部にしても上手くいかないワケ
営業成績バツグンなAさんを幹部ポストに昇格させたのは昨年のこと。
それから半年くらいたったころ、Aさんのよくない評判を耳にすることがポツポツと増えてきました。
Aさんは人に教えることができず、それでも自身の基準で高い水準の成果を要求する。できない社員には「なんでできないんだ!」と長時間の説教を繰り返し、社員はみな嫌気をさしていると。
あんなに優秀だった営業社員が幹部ポストに就けた途端に、パワハラ上司になってしまうなんて、予想だにしていない事態が起こってしまっている。。。

例えば優秀な営業スタッフを、それまでの成績が良かったからといって、幹部のポストにつけたとします。すると、期待したような動きにならず、思ったより業績が伸びないという経験をした方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
その(元)営業スタッフは幹部のポストについても、これまでと同じように個人プレーでの営業を続けているというのはよくある話です。

ではどうすれば優秀な営業スタッフは会社にとって期待するような動きをする幹部になれるのでしょうか。
それは「優秀な人材」の定義を切り替えることにほかなりません。
幹部となった人は、社内での立場を理解し、ほかの社員たちが成果を出せるような「仕組み」をつくることに頭を切り替えることだと思います。

例えば、社員数が数名の零細企業は社長が現場バリバリの営業の役割を担っています。いわば社長自身が超・優秀な売り子です。
中小企業の社長になると社内の「仕組み」をつくるようになります。その仕組みのなかで働く社員が増えていくようになります。
さらに、中堅企業になると社長の下で幹部社員が「仕組み」をつくり、その「仕組み」のなかで、はるかに多くの人が働くようになります。
幹部社員の仕事は「仕組み」をつくることであり、社長の仕事はそういう人材を何人つくれるかによって企業成長が決まってくるようになります。

企業成長につれて、「優秀な人材」の定義を切り替えていく必要があるのです。

◆ポイント3:No.2に新店舗を任せて、会社の仕組みづくりを進める叩き上げ社長の事例
福祉用具レンタル業で北海道函館市に株式会社ひより屋という会社があります。
2009年に会社を立ち上げ、紆余曲折はありながらも創業から10年の2019年には利用者数800名強までになっていました。
ただ社長としては、会社に伸び悩みを感じていたといいます。
やはり社長ご自身も営業最前線で仕事をしており、会社の細部まで目が行き届かない。
自分自身も社員も夜遅くまで残業しながら仕事をこなしており、みんな揃って疲弊していく日々だったそうです。

そんなひより屋様も2021年3月には利用者数1000名を超え、業績をさらに大きく伸ばすことになりました。
社長は現場業務から抜けつつあり、会社の仕組みをつくる方に回っています。
さらにこの4月には隣接する北斗市に新店舗をオープン、その店長にはNo.2人材を据え、新店舗の運営・管理を任せるようになっています。
新店舗の北斗営業所では、本社に先んじて文書のペーパレス化を進め、長年の課題であった紙書類でのファイル管理を一切無くした状態でスタートしています。

株式会社ひより屋の社長はこう語ります。
「ちょうど思い悩んでいたころ、それまでは自分が動くことで利用者を増やしてきたが、自分が動けない、動くべきでない時期だと思った。そのときの決断が結果的に正しかったと思っています!」

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■ 執筆者紹介
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株式会社 船井総合研究所
リフォーム支援部
チーフ経営コンサルタント
入江 貴司

【プロフィール】
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルと
シニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する
専門コンサルティングを進める。
商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制
づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

⇒ 入江 貴司 への経営相談は、コチラまで
E-Mail:takashi_irie@funaisoken.co.jp

この記事を書いたコンサルタント
入江 貴司
入江 貴司
入江 貴司

1976年大阪府生まれ。
大阪大学経済学部卒業後、大手工作機械メーカーに入社。
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルとシニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する専門コンサルティングを進める。商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

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