利用者数300名の小さな事業所が急成長したワケ

◎みなさまこんにちは。
船井総合研究所の入江貴司です。いつも「福祉用具&リフォーム業績アップコラム」をお読みいただきありがとうございます。

≪要点をまとめると…≫

【ポイント1】貸与事業をはじめて20年、利用者数300名で停滞…

【ポイント2】反転攻勢をしかけて半年で純増+50名と急成長

【ポイント3】ポイントは包括攻略を徹底的にしかけた戦略にあり

≪以下 詳細内容≫
2000年に介護保険での福祉用具貸与がはじまってから、20年余が経過しました。その間で大きく利用者数を伸ばした事業所もあれば、なかにはずっと停滞が続いているというところもあるかもしれません。
今回のコラムでは、20年間ずっと利用者数300名前後で停滞が続いていたある事業所の事例を取り上げます。
そんな小さな貸与事業所がいかにして急成長をはじめるに至ったのか、ぜひ注目してお読みいただければと思います。

◆ポイント1:貸与事業をはじめて20年、利用者数300名で停滞…
M社は東北地方の中核都市にある福祉用具貸与事業所です。
多くの会社と同じく、2000年に福祉用具レンタル業界が生まれたのと時期を同じくして貸与事業をスタートさせました。
時の流れるのは早いもので、事業をスタートさせてからあっという間に20年が経過。
その間、業績はいっこうに伸びず利用者数は300名弱で停滞しています。

東北地方の中核都市というだけあって、競争環境はなかなかに熾烈を極めます。
全国的にも有名な東北地方の雄、県内に手堅い基盤を持つ企業や、地場の事業所でも強い相手がひしめいています。
競争相手が強いからというのは言い訳にすぎないのですが、とにもかくにも利用者数は300名弱でほぼずっと変わらずの状態でした。

みなさまもおわかりと思いますが、利用者数300名というのは事業所として利益が出るか出ないかギリギリのラインだと思います。
M社もご多聞にもれず、いまだ黒字化ラインは超えず、稼いだ粗利は固定費で食われてしまうというところです。
それでも事業撤退に至らなかったのは、経営者に「福祉用具貸与で勝ちたい」という思いがあったからこそ。
「なんとか事業として軌道に乗せ、成長させていきたい」
そんな思いで日々、事業所を運営していました。

◆ポイント2:反転攻勢をしかけて半年で純増+50名と急成長
そんなM社が心機一転、反転攻勢をしかけはじめたのは2021年に入ってからのことです。
新規利用者獲得が文字通りV字型で上昇をはじめ、月々の解約数をはるかに上回るようになりました。

少し余談ですが、月々の解約数はおおよそ利用者数×3%で予測を立てることができます。
利用者数300名であれば、解約数の予測値は9名。
新規利用者獲得数が10件程度であれば、ほぼイーブンなので利用者数は伸びません。
一方で新規利用者獲得数が15件とか20件あれば、解約数を上回ることになるので、利用者数が伸び始めるということになります。
もちろん、「たまたま解約が少なくて」5件であったとか、「真夏で暑いので解約が多く」15件もあったとか、月によって変動要因はあると思います。
そうした変動もありながら、ならすとだいたい利用者数×3%で予測を立てることができるということです。

余談はさておき、2021年に入ってから利用者数が増え始めて7月には350名を突破するに至りました。
年末から比べると純増で+50名は伸びていることになります。
これまで20年間ずっと300名弱が続いていたのが、わずか半年でウソのように利用者数が伸び始めたのです。

◆ポイント3:ポイントは包括攻略を徹底的にしかけた戦略にあり
M社の業績が急激に伸び始めたのにはワケがあります。
それは「包括攻略を徹底的にしかけた戦略」に一気に舵を切ったこと。

これまでのM社は、他の多くの貸与事業所と同様に、特に狙いどころも定まっていない、ごくふつうの貸与事業所でした。
日々、目の前の仕事をこなし、目の前のケアマネさん・利用者さんに対応していて、「今月は多かった」「今月は苦戦した」結果として利用者数はずっと横ばいという毎日です。
それを、戦略を大きく組み換えて軽度者にターゲットを絞ることに決めたのが2020年の年末のことでした。

それから、ターゲットに沿って屋号・ロゴ・ユニフォームなどブランディングの見直しをかけました。
いままでは、はっきり言って不得手にしていた住宅改修も一念発起して大きく強化。地域包括支援センターからの住宅改修の依頼に即座に応えられるよう、営業方法や体制も見直しをかけました。
営業訪問も「なんとなく」訪問していたところを、明確に地域包括支援センターに狙いを定め、包括に重点的にアプローチをしかけるようになりました。

M社の経営者はこうした成果に明確に手ごたえを感じています。これまでの戦いぶりを振り返って
「包括を攻めると決めただけでこんなにガラリと変わるのか。あの20年間は何だったんだ…笑」
と言います。
いまM社ではさらに体制を強化すべく、住宅改修の自社施工体制の整備、営業メンバーの増員、サポートスタッフ体制の構築などを進めています。
「なんとか事業として軌道に乗せ、成長させていきたい」
という経営者の思いが現実のものになりつつあるのです。

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■ 執筆者紹介
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株式会社 船井総合研究所
リフォーム支援部
チーフ経営コンサルタント
入江 貴司

【プロフィール】
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルと
シニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する
専門コンサルティングを進める。
商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制
づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

⇒ 入江 貴司 への経営相談は、コチラまで
E-Mail:takashi_irie@funaisoken.co.jp

この記事を書いたコンサルタント
入江 貴司
入江 貴司
入江 貴司

1976年大阪府生まれ。
大阪大学経済学部卒業後、大手工作機械メーカーに入社。
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルとシニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する専門コンサルティングを進める。商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

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