- 2021.11.13
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データで見る福祉用具経営 ~福祉用具13品目と介護度~
◎みなさまこんにちは。
船井総合研究所の入江貴司です。いつも「福祉用具&リフォーム業績アップコラム」をお読みいただきありがとうございます。
≪要点をまとめると…≫
【ポイント1】福祉用具貸与の13品目とは?それぞれの構成比は?
【ポイント2】主要品目の介護度別件数・構成比は?
【ポイント3】介護度と福祉用具品目の傾向について
≪以下 詳細内容≫
福祉用具貸与の基本から現在の動向までシリーズでお届けしている連載コラムです。
第3回の今回は「データで見る福祉用具経営 ~福祉用具13品目と介護度~」についてお書きしてまいります。
◆ポイント1:福祉用具貸与の13品目とは?それぞれの構成比は?
これも業界をよくご存じの方なら、基本中の基本のことですね。福祉用具貸与の対象となるアイテムは車いすや特殊寝台(介護ベッド)など13品目あり、件数、単位数でそれぞれ構成比をみると下記のようになります。
(データ出所:介護給付費等実態統計 2021年3月分より加工)
◎福祉用具の13品目と件数別構成比
車いす:8%
車いす付属品:3%
特殊寝台:10%
特殊寝台付属品:32%
床ずれ防止用具:3%
体位変換器:1%
手すり:27%
スロープ:5%
歩行器:9%
歩行補助つえ:3%
認知症老人徘徊感知機器:0%
移動用リフト:1%
自動排泄処理装置:0%
⇒件数で上位80%を占める品目は、特殊寝台付属品・手すり・特殊寝台・歩行器・車いす、となります。
◎福祉用具の13品目と単位数別構成比
車いす:15%
車いす付属品:2%
特殊寝台:26%
特殊寝台付属品:12%
床ずれ防止用具:5%
体位変換器:1%
手すり:24%
スロープ:3%
歩行器:8%
歩行補助つえ:1%
認知症老人徘徊感知機器:1%
移動用リフト:3%
自動排泄処理装置:0%
⇒単位数で上位80%を占める品目は、特殊寝台・手すり・車いす・特殊寝台付属品・歩行器、となります。
単位数・件数のいずれで見ても、上位80%を占めるのは車いす・特殊寝台・特殊寝台付属品・手すり・歩行器となり、これら5つのカテゴリーが主要品目として捉えることができると思います。
◆ポイント2:主要品目の介護度別件数・構成比は?
次に、ポイント1でみた5つの主要品目について介護度別の件数・構成比を見ていきたいと思います。
◎車いすの介護度別件数・構成比
要支援1:10,300件・1%
要支援2:29,700件・4%
要介護1:48,500件・6%
要介護2:163,900件・22%
要介護3:172,300件・23%
要介護4:193,700件・26%
要介護5:138,600件・18%
◎特殊寝台の介護度別件数・構成比
要支援1:7,400件・1%
要支援2:26,600件・3%
要介護1:53,000件・5%
要介護2:328,600件・33%
要介護3:239,900件・24%
要介護4:204,400件・20%
要介護5:141,600件・14%
◎特殊寝台付属品の介護度別件数・構成比
要支援1:20,800件・1%
要支援2:76,200件・3%
要介護1:156,600件・5%
要介護2:968,100件・32%
要介護3:740,900件・24%
要介護4:643,300件・21%
要介護5:422,300件・14%
◎手すりの介護度別件数・構成比
要支援1:201,000件・8%
要支援2:407,400件・16%
要介護1:574,100件・23%
要介護2:661,700件・26%
要介護3:402,000件・16%
要介護4:226,000件・9%
要介護5:65,700件・3%
◎歩行器の介護度別件数・構成比
要支援1:88,600件・10%
要支援2:186,800件・21%
要介護1:198,100件・22%
要介護2:227,100件・26%
要介護3:117,300件・13%
要介護4:56,200件・6%
要介護5:13,600件・2%
◆ポイント3:介護度と福祉用具品目の傾向について
当たり前のことですが、車いす・特殊寝台・特殊寝台付属品は要介護2以上の介護度の件数・構成比が高くなっています。
11月10日配信のコラムでみた「2006年度の改正でベッド・車いすが要原則介護2以上」の制度が如実に表れているといえるでしょう。
一方で、手すり・歩行器は要支援1~要介護2での件数・構成比が高くなっています。
なお、参考までに歩行補助杖の介護度別件数・構成比も下記しておきます。
◎歩行補助杖の介護度別件数・構成比
要支援1:21,900件・9%
要支援2:50,900件・21%
要介護1:51,200件・21%
要介護2:65,400件・27%
要介護3:34,700件・14%
要介護4:16,600件・7%
要介護5:4,100件・2%
こうして見ると歩行補助杖と歩行器は介護度別の構成比がかなり似たようなパターンをたどっています。
歩行・移動を補助するアイテムとして杖と歩行器は互換関係にあり、その後身体の衰弱によって介護度が上がると車いすへと移行していく姿がデータ的にも読み取ることができます。
また、どのゾーンの利用者を中心顧客とするかによって、力を入れる主力商品が変わってくるという視点を持つこともできると思います。
ちなみに「どの土俵で戦うか?」というのは経営戦略上もっとも重要な意思決定事項です。
特に考えることなくやっていると、みすみす競争が激しい土俵で戦うことになりますが、よくよく考えると自ら非競合ゾーンを選んで戦いを繰り広げるということもできるでしょう。
このように、データで見ることで福祉用具貸与の品目と自社のドメイン(土俵)、商品戦略を組み立てていくことも可能になるのです。
次回は福祉用具の各品目についてマーケットサイズと購買頻度というお話をしていきたいと思います。
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■ 執筆者紹介
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株式会社 船井総合研究所
リフォーム支援部
チーフ経営コンサルタント
入江 貴司
【プロフィール】
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルと
シニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する
専門コンサルティングを進める。
商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制
づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。
⇒ 入江 貴司 への経営相談は、コチラまで
E-Mail:takashi_irie@funaisoken.co.jp