新規事業の可能性を探る ~家電・家具レンタルの概要~

◎みなさまこんにちは。
船井総合研究所の入江貴司です。いつも「福祉用具&リフォーム業績アップコラム」をお読みいただきありがとうございます。

≪要点をまとめると…≫

【ポイント1】福祉用具レンタル業が取り組む【新規事業】の可能性

【ポイント2】保険外領域の開発・強化が経営体質強化のカギ

【ポイント3】保険外 家電・家具レンタルとは!?

≪以下 詳細内容≫
介護保険制度を使っての福祉用具貸与制度がはじまり20年以上が経過しています。
業界が成長期を超え成熟期に差し掛かるなかで「そろそろ次のエンジンを・・・」とお考えの経営者の方も少なくないと思います。
本コラムではこれから全5回にわたり「新規事業の可能性を探る」というテーマで連載シリーズをお届けしてまいりたいと思います。
全5回の内容としては、次のような記事を考えています。
第1回:新規事業の可能性を探る ~家電・家具レンタルの概要~
第2回:新規事業の可能性を探る ~家電・家具レンタルの立上げ要件~
第3回:新規事業の可能性を探る ~家電・家具レンタルのターゲット・営業手法~
第4回:新規事業の可能性を探る ~家電・家具レンタルの収益性・投資回収~
第5回:新規事業の可能性を探る ~家電・家具レンタル 本業との連携~

新規事業ということですので、福祉用具レンタルから少し離れたお話も出てくると思います。
新たな視点も取り入れつつ、これまでとは少し違ったアイデアもお届けできれば幸いです。
ぜひお楽しみください。

◆ポイント1:福祉用具レンタル業が取り組む【新規事業】の可能性
事業の柱がしっかりと立っているという前提でのお話ですが、経営体質を強化していくために新規事業を付加していくのは当然に考えていくべきテーマだと思います。
とはいえ、これまでやってきていることとかけ離れた事業は考えにくく、既存事業の発展系のところに事業アイデアを求めるのは自然のことではないでしょうか。

少し理屈っぽい話になりますが、経営学では「アンゾフの成長マトリックス」という考え方があります。
これは①顧客軸と②商品・市場軸の2つの軸で考え、それぞれ既存/新規でマッピングして事業領域を考えていくというものです。
2つの軸でそれぞれ既存/新規を考えていくと、下記の4つの象限で考えることができます。
1)既存顧客×既存商品⇒現在の事業領域での【シェアアップ】
2)既存顧客×新規商品⇒既存のお客様に新たな商品・サービスを提供する【業態付加】
3)新規顧客×既存商品⇒商品軸はそのままで新たなお客様層を開拓する【商圏拡大】
4)新規顧客×新規商品⇒商品・サービスも新しく、顧客層も新しい【まったくの新規事業】

これまでの福祉用具貸与事業での戦略強化や営業力強化は1)シェアアップを進めてきているという理解です。
また、4)まったくの新規事業はもっとも難易度が高く、まずは2)あるいは3)を中心に考えるべきというのが基本の考え方です。

そうした視点で考えると、福祉用具レンタル業が取り組む新規事業というのも2)既存顧客×新規商品、3)新規顧客×既存商品で考えていくのが妥当な線ではないかと思います。
では、業界にとっての事業アイデアにはどのようなものがあるのか、少し例を挙げてみたいと思います。

ひとつは保険外リフォームの強化ということが挙げられると思います。
福祉用具や住宅改修のお客様に対して、トイレや浴室など水回りを中心としたリフォームを提供していく事業です。
これまでもニーズがあるのはわかっていながらも、うまくそれにミートさせていくことができたら…という思いをお持ちの経営者様は多いと思います。
そうした保険外のリフォームサービスを業態として立上げ、新たな事業として確立していくのが一つのあり方だと思います。

さらに別の視点で今回シリーズで取り上げていく施設向け 家電・家具レンタルという事業があります。
これは自社の商品を広く「レンタルサービス」と捉え、施設入居者という新たな顧客層に対してレンタルを提供していく事業です。
高齢者施設の入居者ということで、これまでの事業と近くにありながらも異質なマーケットで、あまりイメージがわかない部分もあるかと思います。
そこで今回の連載シリーズでは新規事業のアイデアのなかでも「家電・家具レンタル」に絞って、その概要から詳細までお伝えしてまいりたいと思います。

◆ポイント2:保険外領域の開発・強化が経営体質強化のカギ
先ほど触れた保険外リフォームはもちろん介護保険を使わないリフォーム分野です。
これからお伝えする家電・家具レンタルも介護保険制度とは別枠のレンタルサービスとなります。
今後、新たな事業を考えていく際に保険外領域というのは重要なカギになってくると思います。

みなさまには釈迦に説法のようなお話だと思いますが、財政状況が厳しくなり介護保険報酬に対してさまざまな制約が強くなっていくことを考えると、介護保険を前提としたビジネスのみで会社の収益を組み立てるのはリスクになると捉えるべきでしょう。
本業である福祉用具レンタルは介護保険制度の恩恵を存分に受けつつも、これから立ち上げる新たな事業に関しては介護保険に依らないビジネスを組み立てていくべきだと思います。

「介護保険での公的扶助がなくって事業として大丈夫なのか?」
そんなお気持ちも少なからずあるかもしれませんが、よくよく広く考えると世の中のほとんどの事業は公的扶助など受けていないビジネスです。
当たり前のことですが、その代わりに膨大な書類作成や、定期的なモニタリングも担当者会議もありません。

保険外という大きな、自由な市場で思いっきり翼を広げて羽ばたいていきませんか?

◆ポイント3:保険外 家電・家具レンタルとは!?
ここまで福祉用具レンタル業が取り組む新規事業、その領域として保険外がカギになるというお話をしてきました。
新規事業の一つの有力なものとして家電・家具レンタルの概要をご紹介して連載シリーズの第1回を締めたいと思います。

保険外 家電・家具レンタルとは!?
家電・家具レンタルとは、サ高住や有料老人ホームに入居する方に対して居室内で使用する家電や家具など身の回り品をレンタルするビジネスです。
期間が読めない一時的な入居で、家電や家具を購入する、あるいは自宅からもってくるのは負担に感じるところ、レンタル利用を提案することで入居者の不便を解消します。
一方で、高齢者施設にとっては入居時に説明するだけ、コストゼロで導入することができ、かつ他の施設との差別化が図れるということで採用が進みます。
入居者、またはご家族との契約は自費でのレンタルとなるため、介護保険制度に頼らないビジネスとして注目が集まっています。

第2回以降、家電・家具レンタルについて、さらに深堀りしてお届けしてまいります。
ぜひお読みいただきますよう、心よりお願い申し上げます。

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■ 執筆者紹介
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株式会社 船井総合研究所
リフォーム支援部
チーフ経営コンサルタント
入江 貴司

【プロフィール】
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルと
シニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する
専門コンサルティングを進める。
商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制
づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

⇒ 入江 貴司 への経営相談は、コチラまで
E-Mail:takashi_irie@funaisoken.co.jp

この記事を書いたコンサルタント
入江 貴司
入江 貴司
入江 貴司

1976年大阪府生まれ。
大阪大学経済学部卒業後、大手工作機械メーカーに入社。
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルとシニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する専門コンサルティングを進める。商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

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