- 2022.01.21
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新規事業
新規事業の可能性を探る ~家電・家具レンタルの立上げ要件~
◎みなさまこんにちは。
船井総合研究所の入江貴司です。いつも「福祉用具&リフォーム業績アップコラム」をお読みいただきありがとうございます。
≪要点をまとめると…≫
【ポイント1】立上げに許認可・資格要件は必要なし
【ポイント2】追加人員必要なし、ライトに立ち上げる新規事業
【ポイント3】立上げ要件と投資回収
≪以下 詳細内容≫
5回シリーズの連載企画でお送りしている「新規事業の可能性を探る」、第1回はお読みいただけましたでしょうか。
第2回は「新規事業の可能性を探る ~家電・家具レンタルの立上げ要件~」としてお届けしてまいりたいと思います。
◆ポイント1:立上げに許認可・資格要件は必要なし
前回から「新規事業の可能性を探る」として、家電・家具レンタル事業という新たな事業の詳細、事業可能性を考えていっています。
家電・家具レンタルは介護保険を使わない、保険外のサービスであり今後の報酬改定の影響を受けにくいという点もお伝えいたしました。
保険外ということは、事業立上げの際にもメリットがあります。
それは事業立ち上げに際して許認可や資格などは一切問われないということです。
福祉用具貸与事業所を立上げるときのことを考えてみましょう。
まず保険者に対して事業所登録が必要です。介護保険を使う以上、当然のことなのですが。
その際に人員要件として福祉用具専門相談員が常勤換算で2名以上必要とか、管理者が1名必要とか、人員要件も定められていると思います。
また事務所についても、利用者の相談スペースの有無や、清潔/不潔スペースを分ける必要があるなどの条件を満たさないといけません。
事業を始めるに際して事業所登録というハードルを越えないといけないと思います。
また、福祉用具レンタルの営業をするのなら福祉用具専門相談員の資格が必要になったり、住宅改修の申請書・理由書を書くには福祉住環境コーディネーター2級以上の資格が必要になると思います。(保険者によって理由書の作成にあたっての資格要件は異なります。)
そのように誰でもできるわけではなく、事業を運営するスタッフの資格要件についてもいくつかの定めがあります。
新たに事業所を立上げる、あるいはエリアを拡大して追加で事業所登録をする、いずれにしても専門資格を取得するか、資格保有者を採用するなどしなければならないでしょう。
一方、家電・家具レンタル事業の立上げにあたっては、特に事業所登録をするということは必要ありません。
当然のことながら、運営するスタッフの人員基準も資格要件も、事務所に関する規定などもありません。
既存事業の事務所の一角で、既存のメンバーを活用して、極端に言うと「明日からでも」はじめられるのがこの新規事業なのです。
◆ポイント2:追加人員必要なし、ライトに立ち上げる新規事業
先ほどの資格要件のところで、運営するスタッフについて少し触れました。
家電・家具レンタル事業の立上げには、追加で人員を確保する必要はなく、既存事業からメンバーを割いて立上げていくことも可能です。
それというのも、この事業に必要なのは施設開拓および入居者様との契約を行う、いわゆる営業スタッフが1名いれば始められるためです。
福祉用具レンタルのようにモニタリングもなければ、サービス担当者会議もありません。
一度契約してレンタルがスタートすれば、あとは商品が毎月のレンタル料を稼いでくれる状態となります。
一時的に納品や引き上げで人手が必要となりますが、その場合は社内で応援を回すか、アルバイトでもカバーできると思っていただければいいと思います。
こうした点からも、スモールスタートでかつローコスト運営ができるビジネスであるといえるでしょう。
実際にこの事業を業界に先駆けてスタートさせているゴトウライフクリエイション様の例を挙げましょう。
ゴトウライフクリエイション様はとてもユニークな会社さんで、【福祉用具の営業は40歳未満に限定】という決まりがあります。
「スポーツ・健康×福祉用具」というのをコンセプトにしており、フレッシュで生き生きとしたイメージを体現するために営業スタッフの年齢規定を定めているのです。
とはいえ、誰もが1年に1歳ずつ年を重ねていきます。実際に創業から間もなく合流したメンバーで、40歳を超えた方もいらっしゃいます。
その方が現在は家電・家具レンタル事業のメンバーとして運営を担っているのです。
追加人員も、資格要件も必要なし。
非常にライトに立上げができるというのが家電・家具レンタル事業の特徴でもあるのです。
◆ポイント3:立上げ要件と投資回収
今回お伝えした立上げ要件、許認可手続きや人員要件、資格要件を含めてとてもライトに立上げができる事業というのがおわかりいただけたと思います。
この立上げ要件というのは、新規事業を考える上でとても重要なファクターになります。
新規事業を考える際に、初期投資がどれくらいかかるのか?というのを気にされる方は多いと思います。
初期投資が大きければ大きいほど事業参入のハードルになるのはもちろん、将来の事業判断の結果として万一「撤退」となった場合に投資金額が大きいと「引くに引けない」状態となりかねません。
そのようにすでに投資してしまった金額はサンクコスト(埋もれてしまったコスト)といいます。
初期投資が小さい新規事業は参入へのハードルも低く、万一の撤退の際にもサンクコストが小さい。
つまり、言い方はあまり良くないかもしれませんが「まずはチャレンジしてみて結果を見て撤退も判断する」という動きができるのです。
もちろん、初期投資が小さければ投資回収までの期間も短くすることもできます。
事業そのものとして手軽に立上げられる上に、投資効率もよくなる家電・家具レンタル事業。
ぜひご注目いただければうれしい限りです。
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■ 執筆者紹介
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株式会社 船井総合研究所
リフォーム支援部
チーフ経営コンサルタント
入江 貴司
【プロフィール】
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルと
シニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する
専門コンサルティングを進める。
商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制
づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。
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E-Mail:takashi_irie@funaisoken.co.jp