なぜあの会社は住宅改修粗利率「20%」を「40%」にできたのか?

みなさまの会社の住宅改修粗利率は何パーセントくらいでしょうか?
業界のなかでも多いのが10~20%程度、なかには紹介して手数料をバックしてもらって5%というところもなくはないと思います。

今回ご紹介するある会社は、ご多聞に漏れずもともとの粗利率は20%いけば良い方で、手間をかけて住宅改修を受けても手元に残るのは微々たるものという状態でした。
そんな会社が急激に粗利率を上げ、現在では平均して40%以上、なかには60%以上の粗利を確保できる工事も受けられるようになりました。
今回のコラムでは、住宅改修でガッツリ粗利を稼ぐ事例をお伝えしたいと思います。

ポイント1:粗利率の改善で利益が取れる事業に変身

みなさまの会社の福祉用具事業、ぶっちゃけ儲かってますか?
「なかなか利用者数が伸びなくて、赤字と黒字を行ったり来たり・・・」
そんな風に思っている経営者様もいらっしゃるかもしれません。

利用者数が200名とか300名とかだと、まともにやっていてはなかなか売上・粗利が伸びず、固定費に食われて毎月赤字という事業所も少なくないでしょう。
利用者数も500名を超えてくるとようやく毎月の利益もちょっとは見込めるようになってくる。
そんな感じではないでしょうか。

そんな会社様にはぜひ私の話を聞いてほしい!

【住宅改修で粗利を稼げば利益が取れる事業に変身させることができます!】

利用者数200名とか300名の事業所は黒字化ラインまでもっていけます。
利用者数500名以上の事業所は利益率をもっと高めることができます。

実際に、今回ご紹介する会社様では、粗利率が20%程度だったところ、住宅改修の強化に取り組み粗利率を40%以上にしたことで、毎月の営業利益がプラスに転じるようになりました。
もちろんレンタル利用者数が伸びて、レンタル売上・粗利を積むことができたのもありますが、黒字化のスピードを一気に上げたのは住宅改修の粗利改善による部分が最大の要因です。

Before ⇔ Afterで比較してみましょう。
私たちは住宅改修の指標として「粗利率」と「売上構成比」を重視しています。

<Before>

住宅改修売上構成比5%
住宅改修粗利率20%

<After>

住宅改修売上構成比15%
住宅改修粗利率40%

比率での表記なのでピンときにくいかもしれませんが、売上構成比は3倍、粗利率は2倍に上昇しています。
単純計算で粗利金額は6倍稼げるようになったとみることができます。

例えば利用者数が300名程度だったと仮定しましょう。
月次売上がだいたい400万円くらい、そのうち住宅改修は20万円(売上構成比5%)、粗利は4万円(粗利率20%)という状態でした。

それが、仮に同じ利用者数だったとして、月次売上500万円、そのうち住宅改修は75万円(売上構成比15%)、粗利は30万円(粗利率40%)というイメージです。

ざっくりした計算ではありますが、粗利金額:4万円が30万円へと伸びることになります。
あと一息、粗利が伸ばせれば黒字化できるという状態のときに、30万円の粗利が稼げるとしたらどうでしょうか?
レンタルで30万円の粗利を伸ばそうと思うと、70~80名の利用者増が必要(卸レンタルで粗利40%と仮定)ですが、住宅改修なら一気に短期間で粗利改善をすることができるようになります。

そう考えると「住宅改修を強化しない手はない」と思うのですが、
多くの会社が住宅改修に及び腰になるのは、まるで「ニワトリと卵」のような事情があるようです。

ポイント2:多くの会社が住宅改修に及び腰なワケ

「住宅改修を強化しない手はない」のですが、ではなぜ多くの会社が住宅改修に力を入れていないのでしょうか。
私の感覚では業界のなかのざっと8割の会社は住宅改修にあまり力を入れていません。
ちょっとしたコツを知り、ちょっと強化するだけで、すぐに粗利をアップさせることができるのに・・・です。

住宅改修は手間がかかる割に儲からない

なぜ住宅改修に及び腰かというと、これに尽きると思います。
住宅改修は案件が発生してから、その案件を完了させるまで数多くのステップを踏んでいきます。

①相談案件発生
 ↓
②現場調査・提案
 ↓
③見積り提出
 ↓
④受注
 ↓
⑤事前申請
 ↓
⑥工事
 ↓
⑦事後申請

実にざっと見ただけで7つものステップを踏まないといけない。さらにそれぞれのステップで手間や時間がかかることも二の足を踏んでしまう要因となるでしょう。
どんな風に手間や時間がかかるかというと…

①相談案件発生
 ↓
②現場調査・提案・・・現場調査に業者/職人さんを連れて行かないといけない。日程調整に時間がかかる。
 ↓
③見積り提出・・・業者/職人さんから見積りがなかなか出てこない。催促して機嫌を損ねられるのが面倒。
 ↓
④受注・・・相見積もりでなかなか決まらない。要望に沿わないとまた現場調査からやり直し。
 ↓
⑤事前申請・・・申請書・理由書の書き方がよくわからない。役所から申請を却下された。
 ↓
⑥工事・・・業者/職人さんの日程が取れない。他の仕事で忙しいらしく後回しにされる。
 ↓
⑦事後申請・・・工事前後の写真など揃える書類が多くて面倒。

いかがでしょうか。書いている私もうんざりしてきました。笑
これだけの手間とか時間をかけて、手元に残るのはほんのちょっと。

業界の平均単価が8万円前後、粗利率が10%とすると、1件の住宅改修案件を完了させて手元に残る粗利が8,000円だと、とてもじゃないけどやってられません。

業界の8割の会社が及び腰になるのもなんだかうなずける気がしますよね。

ポイント3:住宅改修はこうすれば利益が稼げるようになる!

そんな風に手間も時間もかかる上に粗利もほんのちょっとな住宅改修ですが、どうすれば利益を稼げるようにできるのでしょうか。

これは営業担当個人ががんばるというよりも、会社としていくつかの条件を整え、仕組みをつくっていくと考えていただきたいです。
整えるべき条件とは、

◆営業スタッフの現場調査スキル習得
◆施工体制を分離発注または自社施工にシフト
◆住宅改修に必要な部材は自社で仕入

「えっ?分離発注って何?」

ここで少し聞きなれない(かもしれない)ワードが出てきました。

分離発注とは、材料の仕入を自社で行い、施工を業者/職人さんにやってもらうような施工体制のことをいいます。
多くの会社はいわゆる「丸投げ」という施工体制で、材料の仕入も施工も工事業者に丸ごと発注しているケースがほとんどだと思います。
業者/職人さんに施工だけをやってもらうように変えていくのですが、それに伴って、現場調査や図面作成、申請書類の作成なども自社の営業スタッフで実施していく必要があります。

こうした3つの条件を整えていくことで住宅改修の粗利率を40%以上確保できるように変えていくのです。

①相談案件発生ケアマネからの連絡に即答で現場調査アポを入れられる0日
(この日がスタート)
②現場調査・提案自社営業スタッフが現場調査・提案、口頭で金額も伝えて即・内示受注も可能1~2日
③見積り提出見積りを作成し翌日~翌々日には見積り提示1~2日
④受注見積り提示と同時に受注。この時に工事の(仮)アポを取っておく0日
⑤事前申請役所に申請書類を提出し、許可が下りるまで概ね1週間7日
⑥工事申請許可を確認してアポ確定させ工事1日
⑦事後申請申請書類を揃えて役所へ提出2日

このように進めていくと、かかる手間は最小限に、工事までの日数を最短で2週間以内で終わらせることが可能です。
しかも手元に残る粗利は40%以上です。

ちょっとしたコツを知って、住宅改修を強化するポイントがわかれば、あとはもうやらない手はないですよね。

いかがだったでしょうか。
いかに住宅改修に力を入れて、粗利を稼げる体制をつくっていくか。勇気を出して一歩足を踏み出すお気持ちになっていただけたでしょうか。
今回のコラムでは住宅改修で粗利を稼ぐという側面についてお伝えしましたが、住宅改修に力を入れると他事業所との差別化となり、結果としてレンタル新規獲得も面白いように増加していくようになります。

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■ 執筆者紹介
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株式会社 船井総合研究所
リフォーム支援部
チーフ経営コンサルタント
入江 貴司

【プロフィール】
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルと
シニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する
専門コンサルティングを進める。
商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制
づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

⇒ 入江 貴司 への経営相談は、コチラまで
E-Mail:takashi_irie@funaisoken.co.jp

この記事を書いたコンサルタント
入江 貴司
入江 貴司
入江 貴司

1976年大阪府生まれ。
大阪大学経済学部卒業後、大手工作機械メーカーに入社。
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルとシニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する専門コンサルティングを進める。商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

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