- 2022.12.16
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成功事例
福祉用具レンタル業の経営者なら押さえておくべき数字はコレ!
「業界の営業1人あたりの月間売上はいくらぐらい?」
さあ、みなさまいかがでしょうか。
だいたいどのくらいの売上を上げているのが業界標準ラインでしょうか?
みなさまの会社の営業スタッフは業界標準並みの売上を上げていますか?
今回のコラムでは「福祉用具レンタル業の経営者なら押さえておくべき数字はコレ!」と題して、福祉用具レンタル業の経営数値、営業数字についてまとめていきたいと思います。
押さえておくべき数字 その1:経営数値の業界標準
まずはいくつかの経営数値について、まとめていきます。
◆レンタル平均単価:10,000円~12,000円
レンタル平均単価は、多くの会社が10,000円~12,000円の範囲のようです。
◆損益分岐点(営業1人あたり利用者数):100名~150名
営業1人あたり、どのくらい利用者数をもっていれば損益分岐点を超えるかというところですが、100名を超えるともろもろ切り詰めてギリギリ、150名くらいあれば黒字にもっていくことができるラインです。
どういうことか。
社員1人あたりの販管費(人件費ともろもろ経費を含めて)はだいたい60万円から80万円くらいかかります。
いろいろ切り詰めて60万円かかるとしましょう。
利用者100名で、レンタル平均単価が10,000円、卸レンタルで粗利率が45%だとすると、粗利は45万円です。
これに販売や住宅改修の粗利を加えて、60万円までもっていければなんとかギリギリでトントンのラインとなります。
利用者数150名だと、レンタル粗利が60万円を超え、販売と住宅改修を加えると80万円程度の粗利を上げることができます。
そう考えると、営業1人あたりの利用者数は150名を超えていきたいところですね。
◆月間解約率:3%~3.5%
月の解約率はだいたい3%~3.5%、ざっくりとは3%で想定することが多いです。
利用者1000名だと、月の解約は理論上30名。
もちろん月によって凸凹はあると思いますが、おおよそ3%で見ておくとよいと思います。
◆営業利益率:3%~5%
営業利益率の標準的なラインは3%~5%のところが多いと思います。
多くの企業が、利用者数が伸びて「お、儲かるようになってきたな。。。」と感じる頃に、人を追加投入するという局面を迎えます。
さらなる成長のための人的投資の場合もあれば、忙しくて仕事が回らないから人を入れるというケースもあると思います。
いずれにしても、人の追加投入は固定費のアップをもたらし、結果的に利益率は3%~5%の水準を行ったり来たりというのが多いようです。
労働集約的なビジネスなので仕方ないとみるか、生産性を高めて現有戦力でより成長を目指すべきと捉えるか、考えどころですね。
◆生産性(1人あたり年間粗利):600~700万円
生産性(1人あたり年間粗利)の平均的な数値は600~700万円程度にとどまります。
福祉用具レンタル業に限らず一般的に企業の生産性の水準として、下記のような水準で考えることができます。
600万円:赤字企業
800万円:なんとか黒字転換
1000万円:黒字企業
1200万円:余裕で黒字かつ社員の給与水準を上げられる
福祉用具レンタル業は残念ながら低賃金業種ですが、きちんと利益を出してなおかつ社員の給料も上げていこうとすると、生産性を高めていくのは必須のテーマですね。
押さえておくべき数字 その2:営業数値の業界標準
続いて営業の数値の業界標準についてまとめていきます。
これはそれぞれの項目について、【一般的な営業】の水準と【上位クラスの営業】の水準とを挙げていきたいと思います。
一般的な営業 | 上位クラスの営業 | |
1人あたり利用者数 | 150~200名 | 250名~300名 |
1人あたり売上 | 150~200万円 | 250万円以上 |
月間新規獲得数 | 5件 | 10件以上 |
月間住宅改修件数 | 1~2件 | 5件以上 |
月間訪問件数 | 30~50件 | 70件以上 |
◆1人あたり利用者数
1人あたりが担当している利用者数ですが、一般的には150~200名というところが多いです。
一方で、数多く受け持っている営業スタッフであれば250~300名というところもあります。
◆1人あたり月間売上
一般的な営業であれば150~200万円。150万円だとギリギリ利益が出るかどうか、200万円だと「まあまあ」というラインでしょうか。
上位クラスの営業であれば250万円以上を売り上げてきます。
◆月間新規獲得数
月間新規獲得数の業界平均は1人5件です。上位クラスの営業だと2倍の10件以上の新規獲得を挙げてきます。
みなさまの会社の営業スタッフさんはいかがでしょうか?
◆月間住宅改修件数
同じく住宅改修の件数で見ると業界の平均的なラインは1人1~2件です。上位クラスの営業になると5件以上をコンスタントにやっているというイメージです。
◆月間訪問件数
一般的な会社さんの営業スタッフは月間30~50件程度ではないかと思います。
これでは新規獲得数はよくて5件にとどまるというのもうなずけるところでしょう。
一方で、営業が獲得成果を上げるには訪問件数が重要なファクターであるということをしっかり理解している会社さんの場合、きっちり月70件以上の訪問をしています。
みなさまの会社はどんな水準でしょうか?
押さえておくべき数字 その3:びっくり企業の経営指標
業界のなかにはびっくりするほど高い水準の経営数値、営業成果を叩き出している会社さんがあります。
株式会社西本という、兵庫県神戸市にある会社さんなのですが、本当に驚くべき水準の数値指標です。
一般的な会社 | ケアサポート西本 | |
月間新規獲得数 | 5件 | 20件 |
1人あたり利用者数 | 150~200名 | 600名 |
月間住宅改修件数 | 1~2件 | 8件 |
月間住宅改修売上金額 | 10~20万円 | 130万円 |
1人あたり月間売上 | 150~200万円 | 515万円 |
社員1人あたり年間粗利 | 600~700万円 | 923万円 |
人時生産性(1時間あたり粗利) | 3000~3500円 | 4700円 |
年間売上成長率 | 105% | 110% |
営業利益率 | 3~5% | 7.7% |
いかがでしょうか?
本当にどの数値を見ても驚くべきものばかりです。
これらの数値は決して瞬間風速とか、ある特定の営業スタッフを取り上げたものとかではありません。
社員1人あたりの平均値で、かつ年間の数値から月次平均を算出したものであることを付け加えておきます。
いったいどうすればこんな高水準の数値が叩き出せるのか?
どんな仕組みで会社を回しているのか?
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■ 執筆者紹介
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株式会社 船井総合研究所
リフォーム支援部
チーフ経営コンサルタント
入江 貴司
【プロフィール】
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルと
シニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する
専門コンサルティングを進める。
商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制
づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。
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E-Mail:takashi_irie@funaisoken.co.jp