福祉用具レンタル業 軽度者特化か?中重度強化か? 介護度別専門店化 差別化戦略

現在では神奈川県内に5拠点、利用者数4,500名に迫るわが社ですが、業績が停滞し、長く苦しい時期を経験したことがありました。

介護保険での福祉用具レンタルを始めて数年が経った頃のことでしょうか。地域の同業他社が自費ベッドの価格を極端に下げてきて、一気に攻勢を仕掛けてきたことがありました。

モロにその打撃を受け「このままではダメだ」と思いはするものの、どう太刀打ちするか方針もなかなか定まらず、結局その価格競争に飲まれてしまいます。

まさに「暗中模索」、真っ暗闇のなかを手探りで出口を探るような日々が続いたのを、いまでもありありと思いだします。

そんななか、悩みに悩んだ末に出てきたのが「他社に振り回されていても仕方がない。自社の原点に立ち返り、本当に利用者様のお役に立てることをやり抜こう。」という考えでした。

その考えになれたことをきっかけに、やることがスッキリと絞れていったとともに、業績も停滞期を脱していくことになりました。

取り組んでいったことの一つとして「介護度別専門店化」というのがあります。地域のお客様の特性によって、また店舗のスタッフの強みも考慮して、軽度者対応に力を入れたところ、中重度の利用者様への対応を強化したところ、それぞれメリハリをつけていきました。

全方位対応の既存店と比べて、軽度者/中重度者の対応を強化した店舗の伸び率がクッキリと上がっている傾向を掴んでいます。

これらの店舗が実際にどんな取り組みをしているか?

例えば軽度者対応強化の店舗においては、

  • 地域包括支援センターにターゲットを定めて集中アプローチ
  • ビーチクリーン作戦など地域の方々も巻き込んでの活動を進める
  • プロサッカーチームとのコラボイベントでのヨガ教室開催

などを実施しています。

選ばれ続ける福祉用具レンタル会社になるために、会社として何を貫いていくのか?

私たちの取り組みが少しでもみなさまのヒントになればうれしい限りです。1月に研究会会場でお会いできることを楽しみにしています!

この記事を書いたコンサルタント
入江 貴司
入江 貴司
入江 貴司

1976年大阪府生まれ。
大阪大学経済学部卒業後、大手工作機械メーカーに入社。
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルとシニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する専門コンサルティングを進める。商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

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