福祉用具レンタル業 なぜ利用者1000名で成長が止まるのか!?

「どうしても利用者1000名の手前で足踏みしてしまうんです・・・」

不思議なことにそうした悩みをお持ちの経営者は多いものです。
1000名を突破していたとしても、その前後で停滞してしまい次のステージに行けなくなってしまうこともあります。
どうやら利用者1000名までの成長と、1000名を超えて2000名、3000名と成長していくのとでは、ひとつのカベがあるのかもしれません。
今回は「なぜ利用者1000名で成長が止まるのか!?」というテーマでお送りしていきたいと思います。

ポイント1:ビジネスモデルがないと成長が止まる

成長のカベにぶつかってしまう一つの要因は「ビジネスモデルがない」ということにあります。
利用者1000名というと、営業4名~5名程度。
社長が営業最前線で引っ張ってきて、社長と一緒にやってきたメンバーが周りを固めている状態というのがありえるケースだと思います。

社長が強い営業力とリーダーシップで会社を伸ばし、社長と一緒にやってきたメンバーは社長のやり方を注入されています。
そろそろ人も増やして、社長は営業現場からは外れていこうかというところ。
ところが新しく採用したメンバーはなかなか育たず、これまでのやり方を注入しようとしてもうまくいきません。
そのうちに新しいメンバーは退職してしまい、また社長と元のメンバーに逆戻り。

まったくこの通りでなくても、近いケースは思い当たる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
社長のやり方、社長の営業力という、属人的なスタイルで成長させてきた会社は、それを展開・拡大させようとしたときに成長が止まってしまいます。

このケースでは、社長あるいはトップ営業でなくても、ごく一般のメンバーでも業績をつくっていける、
再現性のあるビジネスモデルを社内に落としていくことが必要になるでしょう。

ポイント2:人材採用ができないと成長が止まる

先ほどの「ビジネスモデルがない」では、人材を採用しても戦力化できずに途中で離脱してしまうというものでした。
一方で、そもそも人材採用ができないということも要因としてあると思います。

これについては、前回のコラム「福祉用具レンタル業 人材採用力が成長格差を生む時代が来る!?」に詳しく書きましたが、人材を採用する力が今後の成長を決めるというものです。
人がいないから慌てて採用を考えるという会社は、いざ採用募集をしても応募を集めることができず、成長させるための経営資源を獲得することができません。

一方で成長していく会社は、常に人が集まるような情報発信をしており、極端に言うと「いつでも」「どこからでも」応募を獲得することができる状態になっています。
これからの人口減少時代はこれまでに増して人材争奪戦になっていくことでしょう。
人材不足・採用難の特効薬はなく、常日頃から採用を意識した体質に変えていくことが重要だと思います。

ポイント3:サポート体制がないと成長が止まる

利用者1000名クラスになって成長が止まってしまう典型的な要因はここにあるのではないかと思います。
先述したように利用者1000名クラスというと、営業は4名~5名程度です。

新規獲得も増え、利用者も1営業あたり200名前後を担当し、日々の仕事はかなり忙しくなってきます。
そうするとケアマネへの営業活動ができなくなり、接触頻度が落ちてしまうことで成長が止まってしまうことになるのです。

「いやいや、ウチはケアマネに営業行かなくても新規依頼は獲れるからね。」


そうおっしゃる方もいるでしょう。
短期的に見ればケアマネへの営業は落としても、リピート依頼で新規依頼を獲得することは可能だと思います。

ただ、やはり普遍的な新規獲得のメカニズムは、

新規獲得数=ケアマネ面談数×相談発生率×成約率

であり、ケアマネとの面談回数をしっかりと確保しないことには、長期的な成長は望むべくもありません。

このコラムでも何度かご紹介しているビックリ企業:株式会社西本様も、最重要の営業パラメータとしてケアマネとの面談回数をど真ん中に置いています。
さらに、成長過程で営業がケアマネとの面談回数をしっかりと確保できるように、
・営業がやるべき仕事(=ケアマネとの面談)
・本来営業がやるべきでない仕事
これらを明確に仕分けをして、営業がやるべき仕事に集中できるような分業体制を組み立てていかれています。

いまや利用者数8000名規模となっている株式会社西本様も、過去のことを振り返って、
「利用者数1000名くらいが一番キツかった。あのときに思い切って分業体制を作っておいたから今のウチの会社がある。」
とおっしゃっています。

今回のコラムでは「なぜ利用者1000名で成長が止まるのか!?」というテーマでお伝えをしてきました。
ビジネスモデルの視点、人材採用の視点、営業のバックアップ体制の視点、それぞれで停滞の要因とそれを乗り越える方法を考えてまいりました。

特に営業のバックアップ、分業体制をいかにつくっていくかということについては、1月下旬に迫ってきているセミナーをぜひお聴きいただきたいと思います。
株式会社西本・西本社長から直接お話しをしていただき、営業の秘訣、分業体制のポイントをご講演いただきます。

ご参加いただいて絶対に損はない、絶好のチャンスです。
ぜひお見逃し無いよう、お願い申し上げます。

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■ 執筆者紹介
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株式会社 船井総合研究所
リフォーム支援部
チーフ経営コンサルタント
入江 貴司

【プロフィール】
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルと
シニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する
専門コンサルティングを進める。
商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制
づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

⇒ 入江 貴司 への経営相談は、コチラまで
E-Mail:takashi_irie@funaisoken.co.jp

この記事を書いたコンサルタント
入江 貴司
入江 貴司
入江 貴司

1976年大阪府生まれ。
大阪大学経済学部卒業後、大手工作機械メーカーに入社。
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルとシニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する専門コンサルティングを進める。商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

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