- 2023.02.11
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福祉用具業界の時流
福祉用具レンタル業 いよいよコロナ後の世界がやってくる!
おめでとうございます!
いよいよコロナモードが終わり、コロナ後の世界がやってきます。
すでに海外との往来が解禁となり、3月にはマスク着用が個人の判断に委ねることとなり、5月には「5類」への移行となります。
3年の長きにわたりわれわれの生活を脅かしてきたコロナ禍も、ようやく終焉を迎えることとなります。
みなさまの会社はその変化への準備は大丈夫でしょうか?すでに変化を進めていますか?
コロナ後の世界に思いを馳せ、福祉用具レンタル業のお仕事や会社のあり方を再点検していきましょう。
ポイント1:営業のコロナ後対応
かなり緩和されてきているとはいえ、「コロナで。。。」を建前に、ずいぶんと営業活動も制限を受けてきました。
ケアマネへの営業活動は、あまり会えなくても仕方がない。
電話で連絡が取れればいい、窓口で呼び出して用がある人としか会わない。
これまではそんな営業活動でも
「まあ、コロナだしね。。。」
となっていたかもしれません。
ここで目を覚まして、ギアを変え、コロナ後のモードへと移行していきましょう。
新規獲得数 = ケアマネ訪問数 × 相談発生率 × 成約率
これはどんな局面でも、どんな会社様でも変わらない普遍的な新規獲得のビジネス公式です。
どれだけケアマネとの接触回数が確保できるか、会社全体としても、個々の営業の意識も、再点検をしていただきたいと思います。
加えて、2020年より前はふつうにやっていた下記のことも、どのように自社の営業活動のプラスに転換していくか、この機会に考えていただきたいと思います。
・担当者会議:この3年間は「照会」で済まされていた担当者会議もリアルに実施されるようになっていく
・退院前カンファレンス:病院に集まることを回避するために省略されていた。カンファレンスの場を知らない新人営業もいるのでは?
・退院前家屋調査:PT/OTが院外に出ることを避けるために省略されていた。家屋調査でいかに差別化し主導権を握る?
・モニタリング:電話モニタリングで済まされていたが、訪問モニタリングが戻る。サービス品質と効率性を両立させるあり方は?
これらは営業活動の中では付随的なものであり、どちらかというとあまり重視されていないイベントだったのではないかと思います。
一方で、そうした動きのなかでもきちんとした利用者対応・ケアマネ対応を実施することで、
「あの会社、あの営業さんはすごい頼もしい!」
という印象を与えることができます。
ましてこの3年の間に入社した新人は経験したことがなかったり、経験したことはあっても3年の間にどう対応するべきか忘れてしまっているという事業所も多くあります。
これらの動きのあり方を見直し、同業他社と差別化が図れるように自社の標準の動きをあらためて固めていただくとよいでしょう。
営業のコロナ後対応として、ケアマネとの接触頻度のギアを変えること、利用者対応・ケアマネ対応のあるべき姿を再点検すること、これらをお願いしたいと思います。
ポイント2:人材採用もコロナ後のモードへ
人材採用もコロナ後のモードへと変化させていく必要があると思います。
コロナが終わることで、いまよりもさらに人材の流動性が高まるのではないかと捉えています。
中途採用市場が活発となり、これまで以上に求職者が増える可能性があります。
それとともに、採用する企業側もさらに採用意欲が活発となり、より一層熾烈な人材争奪戦が繰り広げられると考えるべきでしょう。
ますます選ばれる会社、人材が集まる会社であるかどうかが問われるようになってくること必至の状況です。
忘れてはいけないのが、人材の流動性が高まるということは、自社の人材も然りという点です。
これまでは何とか持ちこたえていた離職予備軍も、いよいよ動きを始めるかもしれません。
そういう点でも、働きがいのある会社、社員が幸せを感じる会社であるかどうか、そういう会社づくりを目指しているかどうかが問われるといって過言ではありません。
選考方法についてもいま一度考えてみるタイミングだと思います。
福祉用具レンタル会社はいわゆる中小企業がほとんど、採用選考についてはこのように感じてしまうこともあると思います。
「ウチみたいな会社に応募してきてくれるだけでうれしい。もう採用!」
さらにコロナの期間はあまり接触頻度も稼げずに1~2回の面接で採否を決めるという選考方法だったかもしれません。
今後の人材採用の選考方法としては、次のようなステップを踏んでいきたいものです。
1次選考:会社説明
↓
2次選考:担当者面談
↓
3次選考:職場体験(営業であれば半日同行など)
↓
4次選考:最終社長面接
①会社説明は社長が会社の考えやビジョンを語り「惹きつけ」を行うとともに、仕事の厳しさや自社の厳しさを伝え、応募者のスクリーニング(ふるいがけ)を行います。
②担当者面談は採用担当者、あるいは一緒に働く部署の責任者が面接し、最初の見極めを行っていきます。
③職場体験では実際の仕事内容を同行などの形で経験してもらってイメージと実際の仕事のミスマッチを解消するステップです。
④最終社長面談では社長自身が最後の見極めを行うとともに、入社するにあたっての覚悟を決めてもらうステップになります。
「え、こんなに回数かけるの?」
と思われるかもしれませんが、人材という経営資源を獲得するのは何にもまして重要な戦略の一部です。
こうしたステップを踏んでいけるよう、数多くの応募を集める必要もあります。
そうした意味でも、人材採用をコロナ後のモードへと変化させていただきたいと思います。
ポイント3:デジタル化をもっと進めよう!
この3年間でずいぶんとデジタル化を進めることができたという会社様も少なくないと思います。
もし、ぜんぜん進んでいなくて従来通りのアナログのままという方がいらっしゃったら、かなり危機感を持った方が良いと思います。
ハッキリ言って相当ヤバイです。
ここ数年で、福祉用具レンタル業界で進んできたことを挙げていきましょう。
・Zoomなどを使ってのオンラインミーティング、オンライン研修がふつうになった
・タブレットなどモバイル端末の装備率がかなり上がった
・請求システムもクラウドサービスに変わってきている
・販売品などの支払いにクレジットや電子マネーなどキャッシュレス決済を導入
・クラウド会計の導入でリアルタイムに財務状況を把握
・社内コミュニケーションにチャットツールを活用している
・卸会社への発注はWeb発注システムを使うようになっている
いかがでしょうか?
かなりの部分を押さえているという会社様もあれば、ぜんぜん進んでいないという会社様もあるでしょう。
もし上記の項目のほとんどが「何のことかさっぱり。。。」という状態であれば、かなりガラパゴス状態だと思います。
最新の情報を常にキャッチできる環境を、大至急考えた方が良いと思います。
今後このデジタル化の波はますます加速していくでしょう。
例えば今年の4月からスタートする「ケアプランデータ連携システム」
自社のシステム対応が必要なことはもちろんですが、営業の流れそのものが大きく変わります。
これまでは月末の恒例行事「実績配り」でケアマネとの接点をもっていたという営業は、今後実績表を配る必要はなくなります。
月末の半強制的な接点がなくなりますし、旧態依然として「実績お持ちしました~」なんてやっていると、
「いちいち持ってこないで。データで送ってよ。」
というまったくの逆効果になってしまうことも十分に考えられます。
デジタル化は単にデジタル対応するだけでなく、自社の業務のあり方も含めてデジタル時代に対応していく必要があるのです。
時代は、環境は、これから大きく変わる潮目の時期を迎えています。
この変化を先んじて捉え、新しい時代のスタンダードを作る側に回れる、そんな会社になっていきたいものですね。
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■ 執筆者紹介
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株式会社 船井総合研究所
リフォーム支援部
チーフ経営コンサルタント
入江 貴司
【プロフィール】
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルと
シニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する
専門コンサルティングを進める。
商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制
づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。
⇒ 入江 貴司 への経営相談は、コチラまで
E-Mail:takashi_irie@funaisoken.co.jp