福祉用具レンタル業 メンバー育成に悩む管理職必見!成長段階に応じたリーダーシップ

メンバーとどう接するのが正解かわからない・・・

全国の福祉用具レンタル業の経営者、管理職からよく上がる声です。
まして世代によって考え方や常識はぜんぜん違うもの。
とくにここ数年の「Z世代」は本当によくわからないという声も耳にします。

今回のコラムでは、メンバー育成の考え方として成長段階によってどんなリーダーシップを執っていくべきかということを考えてみたいと思います。

全国の経営者のみなさま、管理職のみなさま、必見の内容ですよー!

ポイント1:全国の店長さんに聞きました!Z世代との接し方

船井総研で主催している福祉用具&リフォーム経営研究会では、2か月に1度の頻度で「店長会議ONLINE」というリモートミーティングを行っています。
全国の会員企業の店長さん、現場責任者の方々にご参加いただき、各回のテーマごとに情報交換をしていただくという全国の会社横断の「リモート店長会議」です。
6月に実施した店長会議ONLINEでは「Z世代との関わり方・接し方」というテーマを設定して情報交換を行いました。

事前にアンケートに答えていただき、その内容のフィードバックも行うのですが、少しこちらでご紹介させていただきたいと思います。

<Z世代の従業員との関係性>

・そこそこうまくいっている 70%
・関係性に困っている 25%
・うまくいっている 5%

<Z世代との関わり方で困っていること>

・コミュニケーションの取り方 35%
・叱り方 25%
・指導方法 20%
・その他

<Z世代の従業員を指導する上で最も重要だと考える要素>

・意見や考えを聞く姿勢 65%
・何を期待しているのか言葉にする 18%
・フィードバックの頻度とタイミング12%
・仕事以外でのコミュニケーション 5%

<Z世代の従業員と関わる中でギャップを感じること>

・給料よりも休みや仕事内容を重視する方が多いように感じる
・仕事に対する考え
・仕事とプライベートがきちっと 分けられている
・業務時間内で目一杯仕事をしてなるべく残業しない
・業務に対して真面目に取り組む事ができる一方で、教えられた事以外に目が向きにくい?
・自由な発想で多角的に物事を捉える視点がやや乏しいと思う事がある
・言葉意味やニュアンスのとらえ方が異なることがある
・仕事に対しての熱量が違うかなと感じる時がある
・関わる事が殆どないのでわかりません
・時間や期限が決まっていることに対しての感覚の違い
・仕事への熱量が違う
・出世欲が全くない
・仕事に対する姿勢
・習慣、ことわざ、歌等

Z世代というのは1990年代後半~2010年に生まれた世代を指すようで、現在10代後半から20代前半の世代のことをいいます。

みなさん違和感を感じることも、ふつうに接していることも、それぞれにありますが、

多くの方は、

仕事に対する姿勢
仕事に対する熱量
仕事とプライベートの区分け

といったことをZ世代のメンバーと接しているなかで感じているようですね。

ポイント2:成長段階別にメンバーとの接し方を考えよう!

さて、前述したZ世代であれ、ミレニアル世代であれ、入社して間もない頃から仕事を覚えていき、いろんな仕事を任せられるようになるまで成長させていくことに変わりはありません。

経営者または管理職のみなさんはメンバーとの接し方でこんな風になってしまっていませんか?

ケース①:誰に対しても細かく指示をして自分の思い通りに動かないと気が済まない。ちゃんと指示通りに動くよう、日々細かい【管理】を欠かさない!

これはかなり細かいチェックをしながらメンバーの動きを指揮・管理するタイプ。文字通りの管理職と言えるでしょう。

ケース②:詳細な指示や管理をするのは苦手。なんとなく指示を出しておいて、伸びるやつは自分で考えて動くっしょ・・・!

これは自由放任主義のような感じで、細かい指示は出さずにそれぞれの自主性に任せるタイプ。

ケース①とケース②のどちらがいいという話ではありません。

世の中にはいろんな人がいるなかで、細かく指示を出してもらった方が動きやすい人は、一方でいつまでも指示に依存していると自分で考えることができなくなります。

反対に、自分で考えて動くのが好きな人もいますが、その判断・行動が間違っていることもあり、状況を見て軌道修正をしてあげることも必要になるでしょう。

コレが正解!というのはないのですが、強いて言うなら「メンバーの成長段階によって接し方を変える」ことで、うまく成長を促進していくことができるということになります。

リーダーシップ・マネジメントの考え方で『SL理論』というものがあります。
SLとは、Situational Leadershipの頭文字をとったもので、

メンバーの状況に合わせてリーダーシップの執り方を変える

というものになります。

SL理論では、
指示型行動・・・細かい指示を与えるか、ざっくり指示を与えるか
支援型行動・・・サポート的な行動をどの程度とるか
という2軸で考えます。

図示した方がわかりやすいと思うので、下記の図をご覧になってください。

この図の中で、人の成長段階は右下からスタートします。
それぞれの段階を福祉用具の営業に例えていくと次のようになるかと思います。



入社したばかりでまだ仕事を覚えていく段階。あいさつの仕方やベッドの組み方、モニタリングのやり方など先輩・上司が横について手取り足取り指導しながら仕事を覚えさせる時期。入社してから3ヶ月~半年くらいはこの時期となる。
 ↓↓



いろんな仕事を覚えるようになって事細かく指示を出さなくても作業ができる段階。一人で納品、引上げ、モニタリングに行ったり、少しずつケアマネとの接点ももちはじめる。たまに同行して行動や判断が正しくできているかを見ながら時に軌道修正のアドバイスをしていく。
 ↓↓


かなり仕事を覚えて一人立ちしている段階。細かい指示は不要で、報告を聞きながらときに軌道修正しつつ、本人の自主性に任せるよう承認を送る。本人が仕事をしやすいように応援したり、環境を整えることが経営者や上司の役割となる。
 ↓↓


自分で考えて自立的に動くことができる段階。
サポートするというよりも方向性や指針を与えて本人のアイデアで動いてもらう方が合っている。

例えば、3つ目の支援型の段階にきているのに、ケース①のような事細かな指示や管理をしていくとどうなるでしょうか?
窮屈で息苦しく感じて、意欲が減退、環境を変えることを考えて離職ということになりかねないと思います。

反対に、1つ目の指示型の段階で右も左もわからないのに、ケース②のように「自分で考えてやっといて~」という感じで接していたらどうでしょうか?
いっこうに仕事を覚えることができず、「やっぱり最近の若いやつは使えねぇな~」ということになるかもしれません。

重要なことは、

メンバーが4つの成長段階のどの段階にいて、それに応じた適切な接し方に変えていく必要がある

ということです。

さあ、みなさん社員またはメンバーのうち誰か1人を思い浮かべてください。

その方は4つの成長段階のどこに位置していますか?

その方の成長段階に応じて、適切な接し方ができていますか?

ポイント3:経営者から見る管理職の成長段階は?

先日、ある会社でこの話をしていたときのこと、事業部長からリーダーさんたちに対して、

「自分たちは『管理職として』どの段階だと思う?」

という問いかけがありました。

個人としての成長段階と、さらに管理職としての成長段階でも考えてみると面白いという視点です。
リーダーになるくらいの方々ですから、個人の成長段階としては4つ目の【委任型】に到達している方ばかりです。
ただ、リーダーとしてメンバーを抱え、人を育成・管理したり経営層との距離が近くなるポジションになると、仕事の質が変わってくるのも事実です。

管理職としての成長段階は、



数値管理やメンバーの育成など初めてのことなのでぜんぜんわからない。先輩リーダーから手取り足取り教えてもらいながらなんとかやってみることで経験を積んでいく。
 ↓↓



リーダーとしての仕事を少しずつ覚えてきて、日常のリーダー業務はこなせるようになってきた。でも新しいテーマや、何かを企画して動かしていくなどはまだ覚束ない。
 ↓↓


いろんな仕事を経験し、新しい企画や人を巻き込みながら仕事をすることもできるようになってきた。社長や上長から見守られながらリーダーとして自立しつつある。
 ↓↓


いっぱしの管理職として多様な仕事を回せるようになってきた。社長から頼られている感を感じながら次のリーダー育成を任せられるようになっている。

このようなイメージかと思います。

このコラムをお読みの経営者のみなさま、管理職、リーダーのうち誰か1人を思い浮かべてください。

貴社のリーダーさんは4つの成長段階のどこに位置していますか?

そのリーダーさんの成長段階に応じて、適切な接し方ができていますか?

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■ 執筆者紹介
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株式会社 船井総合研究所
リフォーム支援部
チーフ経営コンサルタント
入江 貴司

【プロフィール】
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルと
シニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する
専門コンサルティングを進める。
商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制
づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

⇒ 入江 貴司 への経営相談は、コチラまで
E-Mail:takashi_irie@funaisoken.co.jp

この記事を書いたコンサルタント
入江 貴司
入江 貴司
入江 貴司

1976年大阪府生まれ。
大阪大学経済学部卒業後、大手工作機械メーカーに入社。
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルとシニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する専門コンサルティングを進める。商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

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