- 2023.07.13
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社員教育
福祉用具レンタル業 社員のモチベーションが上がる会社?上がらない会社?
あの会社みたいにモチベーションの高い社員が揃っていたらなぁ・・・
バリバリ伸びている会社を見ると、みんなイキイキした社員ばかり。
うらやましく思える気持ちはよくわかります。
でも、うらやましく見える「あの会社」の社員はもともとモチベーションの高い人ばかりだったのでしょうか?
あるいは、どこにでもいるごくふつうくらいのモチベーションの人たちが、その会社にいるとイキイキ働くメンバーばかりになったのか?
今回のコラムは社員のモチベーションということをテーマに取り上げて考えてみたいと思います。
ポイント1:モチベーションを理論で考える
モチベーションとはいったい何でしょうか?
「あー、昨日阪神タイガース負けたからモチベーション上がらへんわ。。。」
「うわぁ怒られた。モチベーションさがるわ~」
ありがちな会話?心の声?ではないかと思います。
このようにある出来事によってモチベーションが上がったり下がったりすることを、少し小難しく言うと【外発的動機づけ】といいます。
一方で、これまた小難しく言うと【選択理論】という考え方があります。
正確には【選択理論心理学】の考え方であり、人は外側の刺激によって反応するのではなく、内側から動機づけられて行動を選択するというものです。
つまりモチベーションというのは外側の刺激によって左右されるものではなく、自分自身がどう考えるかによって変わるのだという理論です。
前述した「阪神タイガースが負けたから、、、」とか「うわぁ怒られた、、、」というのは外的要因です。
モチベーションは自分自身の考え方によって変化するものであり、外的要因によって上がったり下がったりするのは、モチベーションではなく「テンション」です。
冒頭の心の声をあらためて、
「あー、昨日阪神タイガース負けたからテンション上がらへんわ。。。」
「うわぁ怒られた。テンションさがるわ~」
という風に表現するとしっくりくるような気がいたします。
言葉遊びではなく、
・モチベーションとテンションは分けて考える
・モチベーションは自身の考え方によって変わるものである
ということを覚えておいていただければと思います。
ポイント2:インセンティブでモチベーションは上がるか?
福祉用具レンタル会社のなかでもインセンティブ制度を設定しているところは割とあるのではないかと思います。
利用者獲得成果とか、売上成果によって月給や、半期のボーナスにインセンティブをプラスするというものです。
「あの会社の営業はスゴイよね。やっぱりインセンティブがあるから営業のがんばりがヤバイ!」
よく聞くお話しではないでしょうか。
インセンティブの制度を設定するのは、営業メンバーの内発的動機と結びつくのであれば、めちゃくちゃアリだと思います。
営業メンバーの内発的動機と結びつくのであればというのは、
・営業メンバーの数字意識が高い
・インセンティブでお金を得ることがが本人の動機とピッタリ
・達成することにより喜びを感じる
・競争や勝利が承認欲求を満たすことになる
そんなメンバー、そんな風土をもった組織であれば、インセンティブでモチベーションを上げることができると思います。
実際に福祉用具&リフォーム経営研究会の会員企業でも社長も社員さんもイキイキ伸びている会社で、インセンティブが一役買っているというのはよくある事例です。
余談ですが、船井総合研究所という会社も歴史的にそういう風土をもった会社です。
「達成」「勝利」「成長」みたいなワードが大好きです。
以前と比べるとマイルドになったとはいえ、そうした風土は強く残っているなと感じます。
一方で、インセンティブも万能ではないということも少し気に留めておく必要があるとも思います。
・インセンティブを得る人と得られない人でギスギス感が生じることもある
・いきすぎると成果至上主義のような空気もあり得る
・お金はもらえばもらうほど「当たり前」になる
心理学に「アンダーマイニング効果」というものがあります。
大学生に対してある実験をしたそうです。
最初はパズルを自由に解いて遊んでもらっていました。一定の時間が経過すると、今度は1つパズルを解くたびに1ドルの報酬を与えるようにしたそうです。
パズルで遊んでお金がもらえるなんて最高ですね。
ところが、1ドルの報酬を設定する前と設定した後では、大学生たちがパズルに触れる時間や頻度が下がってしまったというのです。
最初は純粋に「パズルが楽しい!」と思って遊んでいたものが、報酬が発生したことによって義務のようなものになり、楽しい!やりたい!という気持ちが薄れてしまったという実験結果です。
注意すべきは、短期的には爆発的にモチベーションを上げることができるものの、長期的な視点で見ると長続きしなかったりエースの離職につながったりするケースもあり得ます。
本人の考え方とリンクすれば内発的なモチベーションとなりますが、そうでなければあくまでも外発的なものとなってしまうことも理解しておいた方が良いと思います。
ポイント3:モチベーションを高める社長、リーダーがやっていること
みんながイキイキと働き、バリバリ伸びている会社の社長、リーダーはどんなことをやっているのでしょうか?
もちろんインセンティブを上手に使っているという面もあるでしょう。
ただ、それだけではなく本人の内なる好奇心、達成意欲、成長志向を伸ばしているのだと思います。
ある会社さんは、
「〇〇でNo.1の会社になろう!」
という壮大なビジョンを掲げています。
社員の方にインタビューをすると、
「目指すところが明確なところに惹かれて入社した。」
といいます。
「壮大すぎて『本当にできるのか?』とか思わなかったのですか?」
と聞くと、
「できるかどうかはわからないけど、それくらい目指す方が面白い!」
そうです。
会社として目指すところが明確である。
それと同時に、その会社のなかで自分自身が成長できるイメージが沸く。
そんなことが内発的なモチベーションにつながっているのだなと思います。
内発的にモチベートされたものは、外部の出来事によって左右されるものではありません。
ときにテンションが上がったり、下がったり、一時的にはあるかもしれませんが、モチベーションは強固なものであると思います。
長期的な、大局的な目線で目指すもの(ビジョン)があり、短期的に達成を確認できるものとしてインセンティブがあるといいのかもしれませんね。
みなさんは社員の内なるモチベーションにアクセスできていますか?
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■ 執筆者紹介
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株式会社 船井総合研究所
リフォーム支援部
チーフ経営コンサルタント
入江 貴司
【プロフィール】
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルと
シニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する
専門コンサルティングを進める。
商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制
づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。
⇒ 入江 貴司 への経営相談は、コチラまで
E-Mail:takashi_irie@funaisoken.co.jp