福祉用具レンタル業 営業のエースこそノウハウを言語化せよ!

新人教育に良い内容のコンテンツができました!

ここ1年くらいで新人教育のコンテンツづくりのお手伝いをさせていただいている会社の社長さんのお言葉です。
この会社さん以外にも、いくつかテキスト/マニュアルの作りこみをサポートしている会社さんがあり、さっそく若手メンバーの教育に展開していっています。
教育コンテンツをどのように揃えていけばいいのか、今回のコラムではそのポイントをご紹介してまいりたいと思います。

ポイント1:営業のエース社員のノウハウを言語化

教育コンテンツをつくっていく際の進め方としては、営業のエースともいえる社員の方に、自ら持っているノウハウを言語化してもらうということをやっています。

例えば、ある会社さんで最近作成したコンテンツが「ケアマネのリピート化」というテーマです。

ケアマネからリピートで安定して依頼をもらうには、どんな関わり方をして、どんな仕事をしていけばいいか。
その会社さんの社内でも、バツグンにリピート転換が上手なエースの方に、自身がやっていることを言葉にしていってもらいました。

コンテンツづくりの打合せでは、まず章立てをつくるところからはじまります。

言語化するといっても、何をどんな風に言葉にしていいかわからないというのが当然のことだと思います。
例えば「ケアマネのリピート化」というテーマでは、次のように章立てを考えていきました。

1.ケアマネリピート化とは
 1)リピート化するとどんな状態になるか?
 2)リピート化のBefore&After
 3)リピート化のチャンスはココに潜んでいる
2.リピート化の具体的手法
 1)ケアマネの仕事内容を知る
 2)ケアマネの性格を知る
 3)それぞれのケアマネにとって適した動き方をする
 4)ケアマネのタイプ分け
 5)リピート化させるポイント
3.リピート化させる利用者対応
 1)利用者とケアマネが嚙み合わないケース
 2)利用者とケアマネに接するスタンス
 3)ケース別対応法

このように章立てを一緒に考えて、コンテンツのストーリー(あらすじ)をつくっていくと、それぞれの章・項で伝えたいことが浮かんでくるようになります。

あとはこの章立てに沿って内容を肉付けしていっていただくのですが、営業のエースといえども、話すとどんどん言葉が出てくるけど書くとなるとなかなか文字にするのが進まないという方も多くいらっしゃいます。
そんなときは、対面でもリモートでも、打合せの時間を何度か取って、章立てに沿って話していただきながらそれを私たちが言語化していくという作業を行います。

ある程度ストーリー(あらすじ)と、肉付けされた内容が完成したら、あとはそれをパワーポイントなどでテキストにしていきます。

重要なことは、自社のエース社員が、自らやっていることを自分の言葉で言語化していくこと。

会社さんによってそれぞれ特有のやり方とか、暗黙の共通言語とか、細かい部分でそうしたことがあると思います。
そのようなことも全部盛り込んで、新人・若手に伝えていくコンテンツにしていくということなのです。

ポイント2:コンテンツができたらさっそく社内研修

教育コンテンツができたら、さっそく社内研修を実施して展開していってもらっています。

これには狙いが2つあります。

一つはできるだけ早く実践投入して、新人・若手にノウハウを伝えていきたいということ。

OJTが中心だと、理解が断片的になってしまい、覚えたことそれぞれがつながっていかないということもあるかもしれません。
社内研修という形で、エースである先輩社員が、自身のノウハウを体系化した内容をつたえることで、断片的であった内容が相互につながり、全体像が見えていく感覚を得ることができると思います。
研修の次の日からさっそく、学んだことを自信をもって仕事上でトライしてみるということができるようになるでしょう。

もう一つの狙いは、作成した内容の検証ができることです。

いったん作成はしたものの、その内容で狙った意図が伝わるのか?レベル感として難しすぎないか?反対に物足りなくないか?
実際に研修を行うなかで、受講する新人・若手の反応を見ながら検証していくことができると思います。

先に例で挙げた「ケアマネのリピート化」の内容で、さっそく社内研修を実施してもらいました。

内容を作成したエース社員が講師となり、テキストに沿ってレクチャーを進めていきます。
ただテキストを読んでいくだけでなく、実際の事例やエピソードも交えながら、ときおり受講者へ問いかけもしながら約1時間の研修となりました。

受講してもらった若手スタッフからすると、それまで何となく手探りでやっていたケアマネとの対応、利用者への対応について、

「これが(おそらく)正解だよ!」

と言ってもらったようで、その日以降の仕事に自信をもって臨むことができると大好評となりました。

ポイント3:教育コンテンツの充実はこれからの企業成長の必須要素

これから業績を伸ばし、また企業として成長していくことを考えると、こうした教育コンテンツは必須のものとなると思います。

みなさんも感じているように、人材採用はますます厳しいものとなっていくと思います。
できれば専門相談員資格をもっている経験者が採用できたらいいのだけれど、なかなかそんな人に恵まれることはレアでしょう。

そんな経験者がいないのなら、近い業界ということで介護職経験者を採用するか、、、
でも、介護職を入れてもお年寄りと接するのは大好きだけど、肝心の数字意識がとんと薄いんじゃあちょっと考えものだよね~

それならいっそのこと、まっさらな新卒社員を採用してイチから育てていくというのもありじゃない!?
待てよ。。。育てるって言ったって、どうやって教育していけばいいんだろう?
今日び、同行に連れまわして「先輩の仕事を見て覚えろ!」っていうのもなんだかなぁ…

それが、教育コンテンツをしっかりと充実させている会社ならどうでしょうか。

ある程度、入社してくるメンバーのバックボーンは問わず、会社の理念・ビジョンに共感してくれる人材を採用することさえできれば、
あとは準備しているコンテンツを使って、初期教育を体系的に進めることができるでしょう。

会社のこと、社長のこと、仲間のことが好きで、あとは教育方法が固まっていれば、その人材の成長は期待できるものになることでしょう。

気持ちのグリップと教育パターンがあれば、採用のペースもどんどん高めて、人材採用も量産体制にもっていけるのではないでしょうか。

いま、伸びている会社が取り組んでいるのは「人材採用」と「教育コンテンツづくり」の2つです。

感度の高い社長ほど、時流を敏感に感じ取り、いまやるべきことを絞り込んでそこにグッと力をかけていると感じています。

いま、あなたの会社が力をいれるべきは何ですか?

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■ 執筆者紹介
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株式会社 船井総合研究所
リフォーム支援部
チーフ経営コンサルタント
入江 貴司

【プロフィール】
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルと
シニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する
専門コンサルティングを進める。
商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制
づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

⇒ 入江 貴司 への経営相談は、コチラまで
E-Mail:takashi_irie@funaisoken.co.jp

この記事を書いたコンサルタント
入江 貴司
入江 貴司
入江 貴司

1976年大阪府生まれ。
大阪大学経済学部卒業後、大手工作機械メーカーに入社。
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルとシニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する専門コンサルティングを進める。商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

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