福祉用具レンタル業 ケアマネ営業を「心理戦」で考える

ケアマネが自分の意のままになったらなぁ…

もしケアマネが自分の意のままになったら、ケアマネ営業はもっと簡単に進められるようになるでしょう。
そんな夢のような雲をつかむような話、、、

あるんです!

人間というのは心のクセのようなものがあり、だいたいの人は同じ行動パターンに知らず知らずのうちに陥っています。
そうした心のクセを知り「心理戦」をうまく活かすことでケアマネ営業を有利に進めることができるようになるでしょう。

今回のコラムでは、ケアマネ営業に使える「心理戦」のテクニックについてご紹介したいと思います。

単純接触効果をケアマネ営業に活かせ!

単純接触効果、これでケアマネ営業の8割は説明がつきます。

単純接触効果、別名:ザイオンス効果ともいいますが、人は頻繁に接触する人に親近感を覚えるという心理的効果です。
遠距離恋愛をしているうちに、なかなか会えない彼氏ではなく、よく会う友達といつしか仲良くなってしまった・・・

まさに単純接触効果!

ケアマネ営業では、長い時間の面談は必要なく、短時間でも頻度を上げて接触することが大事です。

理想なのは利用者とのやり取りを報告するのに1~2分程度で面談すること。
欲を言えばその際に少しずつ自分自身のこと(プライベート含む)を話して自己開示すると良いと思います。

ケアマネからすると、いつも会っている人で、実は仕事以外では〇〇らしいということが親近感になっていきます。

新規利用者が発生したときに無意識的に頭に浮かぶようになればしめたものですね。

単純接触効果を活かすには!?

とにかく短時間でもケアマネと接触を繰り返すこと!

ミラーリング&ペーシングをケアマネ営業に活かせ!

ミラーリングとペーシング、これはケアマネとの接し方での心理的テクニックです。

ミラーリングとは、ミラー(=鏡)です。

相手が笑ったら自分も笑う、相手がメモを取ったら自分もメモを取る、相手がお茶を飲んだら自分もお茶を飲む。
不思議なことにそんなことを続けていると、相手は無意識のうちに親近感を覚えてくれるというものです。
「なんかこの人と話していると居心地がいいかも…」
そんな風に思ってしまうんでしょうかね。

相手のことをマネして行動するだけなので、これはやらない手はないでしょう。
今日から目の前の相手の行動をミラーリングしてみてください。

ペーシングとは、ペースです。

相手のペースに合わせること。
ケアマネがゆっくりした人だったら、同じく相手のペースに合わせて動いてあげる。
ケアマネがシャキシャキしたスピード感の人だったら、それに合わせてパシッパシッと動いてあげる。
その方のペースに合わせて同じようなペースで動いてあげることです。

これが逆だったらどうでしょうか?
ゆっくりした人に対してこちらがせかせかと動いていると「なんだか圧が強くて疲れる・・・」となりますし、
せっかちな人に対してゆっくりと動いていると「仕事遅いわー、あいつ使えねー」となるでしょう。

ナンパとかマッチングアプリがうまい人は、LINE交換した後にだいたい相手からの返信と同じようなペースで返信しますよね。
間違っても、相手から返信が返ってこないうちから、
「こんにちは。」「読んでくれてますか?」「おーい!」
なんてやらないですよね。

それと同じです!

知らんけど…

返報性の原理をケアマネ営業に活かせ!

返報性の原理(へんぽうせいのげんりと読みます)、これは人間の心に埋め込まれた普遍的な心のクセだと思います。

人は誰かに何かをしてもらったら、自然とそれに対してお返しをしたくなる。しないといけないと思ってしまう。

そんな心のクセがあります。

すっごく良くしてもらった相手に対しては、自然と良くしたいと思うものではないでしょうか。
とても良くしてもらったのに、それに対して仇で返そうとは思わないでしょう。

仕事上で考えると、ケアマネに対して「やってあげる」ことと「情報を与える」ことだと思います。
やってあげることとは、本来ケアマネがやるべきことを「私やっときますよー!」
例えば、担当者会議のメモを取って簡単に議事録として渡してあげると「ありがとう。。。めちゃめちゃ気が利くね。」となることでしょう。

情報を与えるとは、利用者の情報はもちろん、保険制度に関する情報なんかもいいですね。
福祉用具の営業さんなのに、ケアマネが知っておくべき情報を持ってきてくれる。
そんなことを続けていると、あの人はとっても良くしてくれる人というポジションになっていくことでしょう。

そうして相手に対してやってあげることが積み重なってくると、自然と「新規依頼」というお返しが来るようになります。

思うに、お仕事も、人生も、周りの人に対して「貸し勘定」をつくり続けた者が最終的に勝つと思います。

そう考えると最近の風潮で「コスパが悪い」とか「タイパが合わない」とかドヤ顔で言っちゃってるのを見ると、人生の本質がぜんぜんわかってないな~と思ってしまいます。
返報性の原理がわかっていると、一見ムダに思えることも実は勝つための狙いがあってのこととわかった上で行動することができると思います。

短期の見返りを期待せず、貸し勘定をつくり続けましょう!

バンドワゴン効果をケアマネ営業に活かせ!

バンドワゴン効果というものがあります。

想像してください。お昼にラーメンを食べようと街を歩いていると、2軒のラーメン屋さんが並んでいたとします。
A店は中をチラっと覗くとガランとしていて、お客さんはポツリとしか入っていない様子。
B店は満席で店の外にも3~4人並んでいる状態です。

あなたなら、A店かB店かどちらのお店に入りますか?

時間の制約がなければ、ほとんどの人は行列ができているB店を選ぶのではないでしょうか。
これこそが、人気のところに乗っかってしまうという心理のクセ「バンドワゴン効果」です。

では、このバンドワゴン効果をケアマネ営業にどう活かすのか?
バンドワゴン効果という心理的クセを活用しようと思うと、意図的に行列(のようなもの)を作り出すことがポイントです。

例えば5人くらいケアマネがいる居宅支援事業所があったとしましょう。
まんべんなく5人みんなに気に入られるように訪問していて、5人のうち3人くらいから1件ずつ新規をポツポツともらうのがふつの動きだと思います。
一方で、5人のうちねらい目のケアマネに絞り込んで、集中的にアプローチ、利用者のフォローをするとします。

そのケアマネからはいつしか繰り返し依頼をもらえるようになり、ひっきりなしにやり取りをする状態ができるようになるでしょう。
そうすると周りのケアマネも気になり始めます。
「〇〇さん、あの福祉用具の人ってしょっちゅう来てるけど、そんなにいいの?」

気になってそのケアマネも依頼を出してみるようになり、さらに行列が行列を呼ぶ状態になっていきます。
そんな感じで活用できるのが、バンドワゴン効果です。

みなさんも行列のできる福祉用具専門相談員になりましょう!

バーナム効果をケアマネ営業に活かせ!

バーナム効果、またの名を「占い師スキル」といいます。

バーナム効果とは「人は自身のことを言い当てられるとその相手のことを信用する心理的特性がある」ことを狙ったものです。

占い師って、外れてもいないけどまあまあ当てはまるかなみたいなことを、さも「私にはわかります!」的に言いますよね。
「あなたは周りの人のことでこれまでにすごく哀しい思いをしましたね。」みたいな。
それがまあまあ当たっていると「え、なんでこの人は私のことわかるの?」となります。
それが3~4発くらい決まると「この人は私のことを何でも知ってる。わかってくれている。」という存在になります。
そうするとその人のことを信用してしまって、言うことをほぼなんでも聞いてしまうようになるという心理のクセがあるのです。

ケアマネ営業に当てはめて考えるとどうでしょうか。
例えば、ケアマネから直接聞いたわけではないけど、知っている情報があるとします。
「うーん、それっておそらく△△ですね。」
※知らないけど見透かすことができるっぽく言うのがポイント

例えば、ケアマネと一緒に利用者宅の家屋調査に行く場面があったとします。
「□□さん、この動作のときちょっとヒザが痛むんじゃないですか?」
「そうやねん。あんたようわかってるやん。」
そんなやり取りが2~3回くらい続くと、それを見ているケアマネも「すごーい!」と内心思っていることでしょう。

ちょっとだけ難易度が上がるかもしれませんが、言い当てを活用したバーナム効果を使いこなせると、あなたの信用力はグングン上がっていくでしょう。

今回は5つの心理的クセを題材にケアマネ営業の心理戦についてご紹介してまいりました。

大切なことは、

知っていることではなく、使いこなせること

今回ご紹介した5つのうち、1つでも早速使ってみていただけるとうれしい限りです。

知っているだけでわかったつもり

にならないように気をつけましょう!

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■ 執筆者紹介
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株式会社 船井総合研究所
リフォーム支援部
チーフ経営コンサルタント
入江 貴司

【プロフィール】
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルと
シニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する
専門コンサルティングを進める。
商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制
づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

⇒ 入江 貴司 への経営相談は、コチラまで
E-Mail:takashi_irie@funaisoken.co.jp

この記事を書いたコンサルタント
入江 貴司
入江 貴司
入江 貴司

1976年大阪府生まれ。
大阪大学経済学部卒業後、大手工作機械メーカーに入社。
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルとシニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する専門コンサルティングを進める。商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

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