福祉用具レンタル業 ~続編~ ロープレ祭りで営業メンバーの現場調査力をアップデートしよう!

完全に現場調査をモノにして営業に自信をつけています!

少し前に「ロープレ祭り」をテーマにして現場調査ロープレの模様をお伝えいたしました。
その際にモデルとしてご紹介した会社さん、入社3年目の新人営業スタッフさんがこの数か月でめきめきと力をつけています。

今回は「ロープレ祭りで営業メンバーの現場調査力をアップデートしよう!」の続編としまして、現場調査ロープレによって新人営業スタッフさんがどのように変わったのかをお伝えしてまいりたいと思います。

ポイント1:住宅改修件数は全国での上位クラスの実績を叩き出す!

少し前のコラムで現場調査ロープレのことを取り上げました。

福祉用具レンタル業 ロープレ祭りで営業メンバーの現場調査力をアップデートしよう!

1日フルに使って、営業の稼働を1日止めてでも現場調査ロープレを実施するという内容です。
この記事のなかで、ある会社さんをモデルとして現場調査ロープレの様子をご紹介させていただきました。

その会社さんのなかで、入社3年目の営業スタッフさんがいらっしゃいます。
昨年から関わりをさせていただいていますが、その方のロープレの様子を見て、正直とても驚きました。

びっくりするほどしっかりと現場調査・提案ができている・・・

そう感じました。

玄関の現場調査の場面で、手すりが必要かどうかという話をされている場面でした。
利用者(役)の体格から手すりの高さはどのあたりがいいか、
上がりかまちの昇降動作をするときに、どの筋肉を使ってどういう動作をするから手すりの位置はどこがいいか、
そうしたことをしっかりと自信をもって説明されていました。

失礼ながら、それまで私が抱いていた印象とはまったく違う、とても頼もしい一人前の営業スタッフの姿がそこにありました。

これなら利用者さんも、ケアマネさんも「あなたがそう言うならお任せするわ。」という気持ちになるだろうな。
そう思わせられました。

現場調査がしっかりできるようになると住宅改修の件数は比例するように伸びていきます。
2024年6月のこの新人営業スタッフさんの住宅改修件数は6件だそうです。

ひと月あたり住宅改修6件と聞いてみなさんはどう思われますでしょうか。

全国の営業の基準値として、ごく普通クラスの住宅改修件数は1~2件です。金額でいうと10万円~20万円程度というイメージです。
上位クラスの基準は5件以上です。金額にして50万円~80万円程度というところでしょうか。

住宅改修件数6件ということは、すでに上位クラスの水準。金額は100万円を超えているということで、そこも感心するばかりです。

現場調査がしっかりできるようになり、本人が自信をもち、利用者/ケアマネから信頼されているからこそ、そうした実績が上がっているのです。
それもこれもきっかけは現場調査ロープレをコツコツと繰り返したことにあるのは間違いありません。

やはり営業スキルをアップデートするには現場調査ロープレが超・効果的です!

ポイント2:住宅改修につきものの「相見積もり」2万円高くても受注できたワケとは!?

6月に6件の住宅改修実績を上げている新人営業スタッフさん。
その6件のうちには住宅改修につきものの「相見積もり」の案件もあるそうです。

2018年の法改正以降、ケアマネは「複数の住宅改修の事業者から取るよう、利用者に対して説明」するようになっています。

「1社だけじゃなくて、複数から見積もりを取得した方がいいですよ。」

という説明をしなければならなくなっています。

必ず複数の業者から見積もりを取るかどうかは、利用者の判断であったり、案件によっての運用次第ということになると思いますが、住宅改修で相見積もりになるケースは少なくないと思います。

この新人営業スタッフさんの場合は、ある案件で相見積もりとなり、自社の見積もりは競合業者と比べて2万円程度高かったそうです。

それでも「あなたにお願いしたい。」と言われて受注したとか!

スゴイです。スゴすぎます!

ではなぜ、このケースでは自社の見積もりが高かったのにもかかわらず受注することができたのでしょうか。

この会社さんのこの営業所では、1年くらい前から毎日終礼をやるようになっています。
営業スタッフさんが全員集まって、その日の行動や成果を共有したり、自身の案件について相談とアドバイスをする時間です。

そのなかで、この案件についても相談されたそうです。
住宅改修の案件があるが、相見積もりになっていてどうやら他社の方が安い金額で出てきているらしい・・・と。

その話を受けて、先輩や上長からのアドバイスは次のようなものだったそうです。

前提として、新しくリフォームされたお宅で、かなりおうちのなかはキレイにされている利用者さんでした。
そこで、おうちの内装に合うように手すりの色やブラケットの色、質感など選んでカスタマイズすることができることを説明した方がいい。
金額については安くできないか、八方手を尽くしているので、そこまでやってダメならそれはそれで仕方ないよ。

そうしたアドバイスを受けて、最終の提案をあらためてしたそうです。
利用者さんからは「ポストに入れておいてくれたらいいよ。」と言われたそうですが、なんとかアポを取り付けて直接説明をすることができたそうで。

後日、利用者さんから連絡があって、

「金額は高かったけど、いろいろ熱心に説明してくれた『あなた』にお願いしたい。」

ということだったそうです。

ロープレによって現場調査の場面で利用者さんの家屋を観察すること、利用者さんの趣味・嗜好やご意向をしっかりヒアリングすることなどがあってこそ立てられた作戦だったと思います。

会心の逆転劇ですね!

ポイント3:お客様からの評価が自信を生み、実績を積むことで確信に変わる!

この入社3年目の新人営業スタッフさんは見違えるように一人前の営業さんになりました。
顔つきや言葉、立ち居振る舞いもすっかり自信をつけているように思います。

私自身も過去には営業という仕事をやっていたので、なんとなく感じるのですが、

営業にとって一番の味方は「お客様」だと思います。

社内では先輩や上司、あるいは別部署の人からいろいろなことを言われます。
経験の浅いうちは間違うことや、詰めが甘いことなどもあり、いろいろなことを言われるケースも多いと思います。

そんなときでも、自分のことを信じてくれるお客様の存在はとてもありがたいものです。
何を言われようと、お客様と自分自身との間の話は事実だし、お客様からの信頼は何よりの自信です。
そういう意識になると、自身もお客様のために一生懸命にやろうという気持ちになりますし、行動が外向きになっていくと思います。

お客様から信頼される営業スタッフになってくると、数字成果は自ずとついてきます。
不思議なもので、数字成果がついてくると社内でいろいろ言われることは減ってくるでしょう。
むしろ「さすがやな!」と言われたりすることが増えてくると思います。

そうなると、自分の行動や考えは間違っていないという確信に変わっていきます。
実績を上げられるようになることで、ますます一人前度合いも加速していくようになることと思います。

まさに営業の好循環サイクルです!

そうした営業さんとしての好循環サイクルはどこから始まるのか?

原点はやはりお客様とのやり取りにあると思います。
お客様のことを一生懸命に考え、お客様にわかりやすいように伝え、お客様のことをしっかりと理解するように努力する。
そうしたお客様とのやり取りが好循環サイクルの第一歩なのだと思います。

もうおわかりですよね!

お客様とのやり取りを磨くのが「現場調査ロープレ」です。

営業スタッフのスキル不足、経験不足に悩んでいるという会社さんは、

いますぐ「現場調査ロープレ」に取り組んで好循環サイクルをゴロリと回していきましょう!

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■ 執筆者紹介
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株式会社 船井総合研究所
リフォーム支援部
シニア経営コンサルタント
入江 貴司

【プロフィール】
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルと
シニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する
専門コンサルティングを進める。
商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制
づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

⇒ 入江 貴司 への経営相談は、コチラまで
E-Mail:takashi_irie@funaisoken.co.jp

この記事を書いたコンサルタント
入江 貴司
入江 貴司
入江 貴司

1976年大阪府生まれ。
大阪大学経済学部卒業後、大手工作機械メーカーに入社。
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルとシニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する専門コンサルティングを進める。商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

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