- 2025.06.07
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営業手法
福祉用具レンタル業 営業が提案の際に言ってはいけないNGワードとは!?
この扉の脇に手すりを工事で取り付けさせていただければどうかな?と思いまして。
どこにでもありそうな、福祉用具の営業なら誰でも使っていそうなこの言い回し。
どこにNGワードが潜んでいるかわかりますでしょうか?
今回はこの一文の裏側にある、営業のポジションということについて考えていきたいと思います。
ポイント1:誰でも使いがちな言葉にNGが隠れている
この扉の脇に手すりを工事で取り付けさせていただければどうかな?と思いまして。
いかがでしょうか?
どこにNGがあるん?まったく問題ないやん。
そう思う方もいらっしゃるかもしれません。
確かにNGというのは言い過ぎかもしれませんが、私が気になるのはこの部分です。
「取付させていただければ・・・」
いやいやふつうに言うでしょ。
丁寧でいいやん。
というお声も聞こえてきそうです。
確かに丁寧な言い方だと思いますが「させていただく」という言葉には、コチラからお願いして工事をするというニュアンスが隠れています。
しかも相手に対して下から行っていることになっていると思います。
この、相手に対して下からお願いする、というのが何とも息苦しい感覚になってしまいます。
あらためて声に出して言ってみてください。
さんはい!
この扉の脇に手すりを工事で取り付けさせていただければどうかな?と思いまして。
住宅改修であれ、レンタル・販売であれ、お客様に対してお願いして買って(借りて)いただくものではありません。
まして、お客様と営業に上も下もないものだと思います。
お客様に対して丁寧な対応をすることはもちろんなのですが、過度に丁寧になりすぎる必要はないと思います。
では、お願いする営業ではないとしたら、どんな風に提案するのがいいのでしょうか?
ポイント2:提案の際に使いたい言い回し
営業は下からお願いするのではないと言いました。
それでは次のような言い方で提案するというのはいかがでしょうか。
この扉の脇に手すりを工事で取り付けておけば支えになるのでいいと思いますよ。
言っていることはまったく同じです。
かたや「取り付けさせていただければ~」
もう一方は「取り付けておけばいいと思いますよ。」
今度はぐっと息苦しさがなくなり、お客様との距離もぐっと縮まるような感覚で伝えられると思います。
それでは、さんはい!
この扉の脇に手すりを工事で取り付けておけば支えになるのでいいと思いますよ。
いかがでしょうか。
とても自信に満ちてお客様に対してサジェスト(示唆)をしている感覚、わかりますでしょうか?
この2つの言い方で、お客様に対しての営業のあり方が微妙に違っています。
「取り付けさせていただければ~」
→へりくだって下からお願いしている
「取り付けておけばいいと思いますよ。」
→専門家としてお客様にアドバイスをしている
この営業のあり方の違いがわかっているかどうかで、営業として売れるかどうかが決まります。
どういうことか?次の章でお伝えしたいと思います。
ポイント3:営業はどのポジションであるべきか?
繰り返しになりますが、お客様と営業に上も下もありません。
営業は役割として、住環境の専門家として、お客様の住まいがより安全に使いやすく快適になるようにアドバイスをすることです。
そう考えたときに、営業のポジションというのはどうあるべきか、しっかりと意識しておきたいところです。
感覚的なお話になって恐縮ですが、次のように捉えてみると良いと思います。
一方の営業は、売り手:営業と買い手:お客様が向き合って相対したポジションにいる。
これはまるで敵どうしのようなポジションになってしまいます。
売り手:「何とか売ってやろう!」
買い手:「うまいこと言って、だまされてなるものか!」
もう一方の営業は、営業とお客様が隣にいて同じ方向を向いているポジションです。
こうなると営業とお客様は敵どうしではなく、同じ目的を達する同志のような感覚になります。
実際には物理的なポジションは向き合って話しているかもしれませんが、心理的なポジションとして相対しているか、隣にいるかという意味合いです。
向き合っているポジションだと、お願いして買っていただくことになり、その表れが次の言葉になります。
この扉の脇に手すりを工事で取り付けさせていただければどうかな?と思いまして。
隣に並んでいるポジションだと、アドバイスやサジェストすることになり、その表れが次の言葉になります。
この扉の脇に手すりを工事で取り付けておけば支えになるのでいいと思いますよ。
ちょっとした言葉の言い回しですが、その言葉によって営業のポジションやお客様に対する意識が隠れているというのがおわかりでしょうか。
はいはい、そういうことね。
なるほどわかった!
ここで気を付けていただきたいのが、このコラムのように字面で見るとわかるし、理解できると思うのですが、
いざ、実際にお客様を前にした場面では、ついつい
「工事させていただく」
となってしまいがちということです。
「わかる」と「できる」は違うということですね。
営業とはお客様のよりよい住環境をつくるパートナーであるという意識を強くもち、お客様と良い関係をつくっていっていただきたいと思います。
その意識に変わった途端、面白いように売れていきますよ!
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■ 執筆者紹介
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株式会社 船井総合研究所
リフォーム支援部
シニア経営コンサルタント
入江 貴司
【プロフィール】
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルと
シニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する
専門コンサルティングを進める。
商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制
づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。
⇒ 入江 貴司 への経営相談は、コチラまで
E-Mail:takashi_irie@funaisoken.co.jp