福祉用具レンタル業 ルートか?開拓か?場面に応じたケアマネ営業手法

これまでの営業のやり方がぜんぜん通用しないんです・・・

それまで既存エリアでは、そこそこ成果を出していたのに、新たなエリアに行くことになりぜんぜん噛み合わなくなった。
そんなことって、福祉用具の営業「あるある」かもしれません。

今回は営業の場面に応じた攻め方について考えていきたいと思います。

ポイント1:ルート営業/開拓営業 営業のパターンを理解しよう!

ケアマネへのアプローチの仕方なんてだいたい一緒でしょ!?
そう思って、意気揚々と新しいエリアで居宅へ営業にいったら、ぜんぜん相手にされなくって心が折れそうになった。

それもそのはず、既存エリアでのルート営業と、新規エリアでの開拓営業はやり方を変えないといけないのに、
同じやり方が通用すると思ってやっているとまるで歯が立たないのは当然のことともいえます。

一般的に営業は、ルート営業と開拓営業という分類ができるもの。
まずはそれぞれをざっと見ていきましょう。

ルート営業とは・・・

すでに会社が取引をしている既存顧客を中心に営業を行う活動を言う
福祉用具の場合は、既存の居宅/包括を対象に継続的な関係の下で
巡回営業を行うような営業活動が当てはまる

開拓営業とは・・・

新たな顧客を獲得するための営業活動のことを言う
福祉用具の場合は、新規居宅/包括や、既存事業所でも
新規ケアマネへのアプローチ、それらを総合して新規エリアの
開拓を行う営業活動が当てはまる

いま自分自身がやっているのはルート営業なのか、それとも開拓営業なのか。
それによってやり方が異なるので、まずはそのどちらかを見極めることが必要です。

営業の類型に応じた攻め方、アプローチ手法を取らなければいけませんね。

ポイント2:既存エリアでも・・・ 強者の戦略と弱者の戦略

ある程度の期間、事業を行っている既存エリアであったとしても、
攻め方について注意をしておかなければならないことがあります。

それは自社のシェアがどれくらいなのかによって、自社のポジションが変わるということです。

かなりシェアが高く商圏で1番手のポジションの場合(めやす:シェア26%以上)

この場合は商圏で1番手のポジションなので「強者」となります。
奇抜なこと、突飛なことは必要なく、オーソドックスなルート営業で居宅/包括との関係をつくっていくと良いポジションです。

そこそこシェアがあり2番手~5番手くらいのポジションの場合(めやす:シェア10~20%程度)

ルート営業ではありますが、1番手ではないので「強者」ではなく、「弱者」のポジションとなります。
弱者の戦略の基本は差別化であり、1番手の事業所がやらないこと、やれないことを武器に切り込みを図っていきます。
相手の弱点に対して、自社の強みをいかに当てていくか、頭のひねりどころです。

シェアが低くてまだ商圏で受け入れられていないポジションの場合(めやす:シェア7%未満)

いくらある程度の期間、そのエリアでビジネスをやっているとはいっても、まだまだ受け入れられていない状態です。
既知のターゲットとはいえ、開拓営業をやるくらいの覚悟と心意気で当たっていくことが重要になります。

新規エリアか既存エリアかというだけでなく、商圏でのシェアによって強者か弱者かによってもどんな営業スタイルをとるべきかが変わってきます。
自社の状況を冷静に見極めて営業パターンを組み立てたいですね。

ポイント3:新規エリア、新規居宅へのアプローチで必要な開拓営業

ここまでルート営業と開拓営業の違い、
既存のエリアであっても商圏でのポジションによっては、
開拓営業のような動きをしないといけないということを見てきました。

それでは開拓営業を進めていくにはどんなポイントがあるのでしょうか。
実は開拓営業はものすごく奥が深いテーマでして、私自身もこれから本格的に体系化していこうと考えています。

そんな開拓営業ですが、ひとまず「会う価値があると思わせる」「初回訪問~継続訪問」という点についてお伝えしておこうと思います。

会う価値があると思わせる

はじめて訪問した居宅、はじめて会うケアマネに「ちょっと忙しいんで・・・」と冷淡な対応をされたことはないでしょうか。
おそらく誰しもが経験する、つらい営業あるあるではないかと思います。

なぜそのような冷淡な対応をされてしまうのかというと、
・会う価値があると思われていない
・忙しいなか、時間を使うのがもったいない

そんな心理が働き「ちょっと忙しんで・・・」となってしまうのだと思います。

そのような相手に対して、求められてもいないのに、
「新商品のチラシをお持ちしました~」
「なにかお困りのことがありましたら、なんでも言ってください。」
などのアプローチをしても、それはスベるでしょうという他ありませんよね。

大切なことは、
①相手のことを事前に調べて
②困っている/ニーズがあるであろうことの仮設を立てて
③問題解決ができることを事例とともに紹介する
そうしたことを1回 1回の訪問のたびにずっとやり続けることだと思います。

初回訪問~継続訪問

初回訪問では「はじめまして。」から始まると思いますが、そこから継続して訪問できる関係にしていくことが重要です。

そのためには、初回か2回目の訪問で「宿題」をもらうこと。
宿題をもらうと言っても相手からは「これ調べてきて」とは言ってくれないので、
ちょっとした会話のなかから、相手がやってほしいであろうことを見つけて、

「あ、それ私ちょっと調べてみますね。」

といった具合に、自分から宿題をつくって、次また訪問する理由を分捕ってくる感じだと思います。

宿題をつくったら、すぐ(その日か次の日)に返すこと。

さらにまた次の宿題を見つけて、すぐに返す。

そのまたさらに次の宿題を見つけて、またまたすぐに返す。

そうしたことを重ねていくと、いろんなことを調べて教えてくれる、しかも返事がめちゃくちゃ早い人という印象を刷り込むことができるでしょう。
仕事が早くて確実な人には「そのうちちょっとお仕事お願いしてみようかな・・・」となると思います。

開拓営業のファーストアプローチとしては「会う価値があると思わせる」「初回訪問~継続訪問」を押さえていただきたいと思います。
私自身も開拓営業についての手法を体系化していきたいと思います。

そのうちまたこのコラムでご紹介してまいります。

ぜひご期待ください!

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■ 執筆者紹介
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株式会社 船井総合研究所
リフォーム支援部
シニア経営コンサルタント
入江 貴司

【プロフィール】
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルと
シニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する
専門コンサルティングを進める。
商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制
づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

⇒ 入江 貴司 への経営相談は、コチラまで
E-Mail:takashi_irie@funaisoken.co.jp

この記事を書いたコンサルタント
入江 貴司
入江 貴司
入江 貴司

1976年大阪府生まれ。
大阪大学経済学部卒業後、大手工作機械メーカーに入社。
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルとシニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する専門コンサルティングを進める。商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

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