福祉用具レンタル業 業績を上げる道筋を要素分解して考える
いろいろやってるんですけど、なかなか業績が上がらないんです・・・
もしそのように感じているとしたら、おそらく「いろいろ」やり過ぎているのだと思います。
「いろいろ」やり過ぎていて、さらにその「いろいろ」が業績に直結していない・・・
そんなことにならないよう、業績を上げる道筋というものをしっかりと理解しておきたいところですよね。
今回のコラムでは、業績を上げる道筋を要素分解して考えるということについてお伝えしたいと思います。
ポイント1:売上を上げるにはどこを上げればいいか?
業績を上げる、すなわち売上を上げるにはどうすれば良いか?
それには売上を構成する要素を分解して考えることが必要です。

福祉用具レンタル業の売上の約7割を占めるレンタル売上。
そのレンタル売上は次のように要素分解することができます。
レンタル売上=利用者数×平均単価
めちゃくちゃシンプルでカンタンですね。
売上を上げるには、【利用者数を増やす】か【平均単価を上げる】かのどちらかです。
いろいろやってるんですけど、なかなか業績が上がらないんです・・・
という会社さんは【利用者数を増やす】ことにも【平均単価を上げる】ことにもつながらないことを「いろいろ」やっているのかもしれません。
さて、このように要素分解して考えたものをロジックツリーと言ったりします。
まるで木のように幹から枝分かれし、枝から葉が生えているかのように、構成要素が分岐していきます。
それら構成要素のうち、特に重要なものを「KPI」として設定し、毎月数値データとして把握して数字を追いかけていきます。
社員のなかでも「KPI」は特に意識して行動し、成果が上がるように試行錯誤しながら力を注いでいきます。
例えば、利用者数を増やすために新規ケアマネからの依頼が重要と位置付けたとします。
新規ケアマネからの依頼を増やすために、訪問件数を「KPI」として設定するならば、意識して新規ケアマネへの訪問に力を入れて行動していくということになります。
「KPI」を意識するまでは、ただ言われたことに対応するだけだったのが、
言われたことの対応はメリハリをつけて終わらせて、少しでも時間を空けて新規ケアマネに訪問するように行動を変えるとしたらどうでしょうか?
きちんと業績に直結する動きをすれば、業績は上がっていくことがイメージできるのではないかと思います。
業績に直結する動き、できていますか!?
ポイント2:利用者数を増やすのに必要なこと
先ほど、売上を上げるには、
レンタル売上=利用者数×平均単価
のように、【利用者数を増やす】と【平均単価を上げる】に分解できるとお伝えしました。
ここでは【利用者数を増やす】ということをさらに分解して考えていきたいと思います。
利用者数を増やすには、新規獲得数を増やすことです。
新規獲得数=新規ケアマネ依頼数+リピートケアマネ依頼数
となり、まだ取引のない(ごく浅い)新規ケアマネから依頼をもらうのと、
ある程度取引のあるリピートケアマネから依頼をもらうのを合わせたものになります。
新規ケアマネから依頼をもらうには、
新規ケアマネ依頼数=訪問件数×相談発生率×成約率
つまり、
・訪問件数を上げる
・相談発生率を上げる
・成約率を上げる(←ほぼ決まるのであまり考えなくてもいい)
一方で、リピートケアマネから依頼をもらうには、
リピートケアマネ依頼数=リピートケアマネ数×接触頻度
つまり、
・リピートケアマネの数を一定程度確保する
・リピートケアマネとの接触頻度を保つ
そうしたことがそれぞれの構成要素を上げていくための「打ち手」になります。
いかがでしょうか。みなさまはふだんの営業活動で【利用者数を増やす】動きはできていますでしょうか?
もちろんそれぞれのアクションには創意工夫や試行錯誤をすることによって切れ味が変わってきます。
新規ケアマネからの相談発生率を高めたいのであれば、チラシ営業がいいのか、商品の実物をもちこむのがいいのか、ケアマネ向けの研修がヒットするかもしれません。
みなさんの日々の行動がどの部分でどのように業績につながっているのか、あらためてチェックしてみていただけるとうれしいです。
ポイント3:平均単価を上げるのに必要なこと
売上を上げるもう一つの要素【平均単価を上げる】についても考えていきたいと思います。
平均単価を構成する要素は、平均介護度と提案アイテム数と追加受注件数です。
平均介護度は自社が得意な領域、狙っている顧客層によって変わってきます。
中~重度が得意な事業所であれば、必要とされる福祉用具も多くなり、またひとつひとつの単価も上がっていくと思います。
一方で、軽度に照準を定めて営業をかけているのであれば、平均単価は抑えられることになるでしょう。
次に提案アイテム数について、さらに次のように分解できると思います。
・主要生活シーン動線確認回数
・提案ヒット率
きちんと利用者さんの住居を確認していれば、すなわち主要な生活シーンである寝室・トイレ・お風呂・玄関の動線と利用者さんの動作を確認していれば、提案する福祉用具は増えていくでしょう。
こうした生活シーンの動線をしっかり確認しているかということと、それに伴って提案したことが受け入れられるかどうか(ヒット率)が構成要素となります。
追加受注件数については、追加相談件数と成約率に分解することができます。
成約率はある一定の確率だとして、追加相談件数はどのように上げていくことができるでしょうか。
例えばモニタリング時にあらためて生活シーンの動線を確認する、初回の納品時に「ちょっと先のこと」として予告提案しておく、身体の変化をキャッチして必要なアイテムを提案する、などが考えられますね。
平均単価を上げることは何も「押し売り」することではありません。
利用者の身体状況や介護環境に合わせて必要なときに、必要なアイテムを揃えて差し上げるということだと思います。
そう考えて、みなさんのお仕事を再点検してみていただければと思います。
今回のコラムでは、業績を上げる道筋を要素分解して考えるというテーマでお伝えしてまいりました。
常々思っていることですが、世の中には、会社の中には、やった方がいいことは山のようにあります。
そのやった方がいいことを「いろいろ」やっていても、業績が上がるかどうかはおぼつかないでしょう。
売上の構成要素を分解して考え、ロジックツリーのなかでどの要素を上げていくのが業績に直結するのか、
しっかり見定めた上で力を注いでいきたいところです。
みなさまの業績アップにお役に立つことを願っています。
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■ 執筆者紹介
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株式会社 船井総合研究所
リフォーム支援部
シニア経営コンサルタント
入江 貴司
【プロフィール】
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルと
シニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する
専門コンサルティングを進める。
商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制
づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。
⇒ 入江 貴司 への経営相談は、コチラまで
E-Mail:takashi_irie@funaisoken.co.jp