福祉用具とセットで提案する住宅改修の受注を増やすには?

住宅改修の受注を増やす鍵は、単なる「工事の請負」ではなく、福祉用具と組み合わせた「生活動線のトータル解決」という視点を持つことです。ケアマネジャーに対し、工事と用具をセットにした具体的な生活改善プランを提示できる「提案スキル」を磨くことで、競合との差別化を図り、紹介数と単価の双方を向上させます。

1. 「単品販売」から「セット提案」へのマインドセット転換

住宅改修の受注に苦戦する事業所の多くは、ケアマネジャーから「手すり1本付けて」と言われてから動く「受身の工事屋」になっています。劇的に受注を増やすには、福祉用具の選定と住宅改修を切り離さず、「利用者の暮らしをどう変えるか」という解決策(ソリューション)をセットで提案するスキルが求められます。

点ではなく「線」で捉える: 玄関の段差だけを見るのではなく、「ベッドから立ち上がり、靴を履いて、外出するまで」の一連の動線を分析します。

相乗効果の提示: 「住宅改修で環境を整えることで、福祉用具(歩行器など)がより安全に使えるようになる」といった、セット導入によるメリットを論理的に説明します。

2. ケアマネジャーの信頼を勝ち取る「視覚化」スキル

住宅改修は、利用者やケアマネジャーにとって完成形がイメージしにくい商品です。そのため、提案時には「言葉」だけでなく「視覚情報」を駆使するスキルが不可欠です。

Before/After事例の活用: 過去の施工事例を写真付きでファイリングし、即座に提示できるようにします。「この段差にはこの手すりが最適です」と実例を見せることで、成約率は格段に上がります。

簡易図面と理由の明文化: ケアマネジャーが理由を家族や行政に説明しやすいよう、専門職としての「選定理由」を記した提案書を作成します。これにより、ケアマネジャーの事務負担が軽減され、「この人に頼めば安心」という信頼に繋がります。

3. モニタリングを「ニーズ発掘」の機会に変える

住宅改修のチャンスは新規相談時だけではありません。福祉用具の定期モニタリングこそ、潜在的な改修ニーズを拾い上げる絶好の機会です。

生活変化のキャッチ: 「最近、お風呂の出入りが少し大変になった」といった利用者の小さな変化を見逃さず、その場で「ここに手すりがあれば楽になりますよ」と、将来的なリスク回避を含めた提案を行います。

「ついで」提案の仕組み化: レンタル品の見直しに合わせて、滑り止めマットの設置や段差解消スロープの固定など、小規模な改修から提案を繋げていくことで、受注のハードルを下げます。

4. 船井総研の提言:住宅改修を「自立支援」の武器にする

船井総研が提唱する成功モデルの根幹は、住宅改修を単なるリフォーム工事として捉えるのではなく、「利用者の自立期間を延ばすためのインフラ整備」と定義することにあります。

専門性の確立: 住宅改修に強い相談員を育成し、「住宅改修といえば〇〇社」という地域一番のポジションを築く。

LTV(顧客生涯価値)の最大化: 住宅環境を整えることで在宅生活が長期化すれば、結果として福祉用具のレンタル期間も延び、事業所全体の収益性は最大化されます。

これらのスキルを組織的に標準化することで、単価アップと紹介数増加の両輪を回すことが可能になります。

この記事を書いたコンサルタント
阪下 愛弥
阪下 愛弥
阪下 愛弥

2001年長野県生まれ。
大学時代はスポーツ科学を専攻する傍ら、有志の勉強会で経営学に触れる。大学時代に地方と都心の熱量の違いを痛感し、生まれ育った長野県をはじめとした地方の活性化に貢献すべく船井総合研究所に入社。
入社後は調査や業務効率化業務に従事。クライアントの業績アップはもちろん、社会にも貢献できる企業づくりに貢献できるよう尽力いたします。

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