福祉用具レンタル会社の8割超が感じる「自社の課題」とは?

経営コンサルタントという仕事をしていて、年間100名を超える経営者の方々とお話しをしていると、つくづく感じるのは会社の経営というのはとても多様な悩みがあるということです。
売上のこと、社員のこと、採用のこと、資金繰りのこと、法改正のこと、、、

そんな風に会社経営に悩みは数多くあれど、業界の8割以上の会社が感じる「自社の課題」について、考えてみたいと思います。

ほとんどの会社が感じる課題は「新規獲得」

まず結論から、8割超が感じる「自社の課題」というのはズバリ「新規獲得」の悩みといえるでしょう。
福祉用具レンタル会社の売上のうち、7割以上を占めるのがレンタル売上です。(当たり前ですが。)

新規利用者の獲得が伸びないと、レンタル売上が伸びない。
売上が伸びないと、損益分岐点ギリギリか、割り込んだ状態からなかなか抜け出せない。
そんな状態がもう何年も続いているという会社も少なくないのではないかと思います。

私たちが日々コンサルティングに当たるなかで、解約率はだいたい3%で見ることが多いです。
100名の利用者がいれば、月間の解約数はだいたい3件というのが解約の目安です。

一方で、業界平均の新規獲得数は営業スタッフ1人あたり月間5件といわれます。
3件の月もあれば、7件の月もあり、ならすと平均5件ずつ獲得していっているということになります。

担当利用者数を150~180名ほどもっているとすると、だいたい解約は月5件くらいになってきます。
新規獲得が5件、解約も5件となるとそこから増えたり減ったり一進一退、年間通してみると利用者数はほぼ横ばいという状態になるでしょう。
損益分岐点に届くくらいまでは順調に伸びたのに、そこからなかなか成長が止まってしまうというのは、こうしたことから起こると捉えることができると思います。

月5件といわず、7~8件、できれば10件くらい獲得できれば、もっともっと業績は伸びるのにな~
そんな風にお考えの社長さんもたくさんいらっしゃると思います。

経営者が直面するのも「新規獲得」の課題

ご存知のように船井総研では、福祉用具レンタル業界向けの経営セミナーを開催しています。
年間5~6回のセミナーを企画・開催していて、だいたい年間200名以上の経営者・経営幹部の方にご参加いただいていることになります。

セミナーを実施すると「振り返りシート」と称するご参加者アンケートというのを実施しています。
そのアンケートの中の項目として、下記のような設問を設けています。

◆自社の課題と思うこと、ご関心があるものを一つ選択してください

選択肢は6つあり、下記のようになっています。
・住宅改修×福祉用具 ビジネスモデル
・レンタル獲得力の強化
・住宅改修の体制強化
・デジタルツールの活用・ペーパレス化
・組織体制の見直し
・人材の採用・育成

このうち、どれにチェックがたくさん付くかというと、ほぼ7割方が「レンタル獲得力の強化」にチェックを入れられます。
やはりみなさま「新規獲得」に課題を感じているということなのでしょう。

他の項目も気になるのは気になるが、やはり目の前に直面している課題は「レンタル新規の獲得」である。
レンタル新規がもう少し増えれば、売上も上がって、利益も改善して、、、
そうすると、資金繰りも楽になって、人の採用もできて、新しい投資もできて、、、
すべてはレンタルの「新規獲得」が上がれば解決していくんだけどなぁ。

経営者様にとって目の前に立ちはだかっている課題、それが「新規獲得」に他ならないのです。

業界の7割の企業が利用者数500名未満

福祉用具レンタル業界を概観すると、会社数:約5000社、事業所数:約7000事業所と言われます。
5000社ある福祉用具レンタル会社を利用者規模に応じて、以下のような区分に分けるとします。

利用者数5000名以上:大手・広域事業所
利用者数1000~5000名:地域一番・地方有力事業所
利用者数500~1000名:地域有力事業所
利用者数0~500名:中小事業所、サブ事業

これらのうち、企業数の構成比を表すとおおよそ下記のようになります。

事業所規模 レンジ構成比
利用者数5000名以上1%
利用者数1000~5000名10%
利用者数500~1000名10%
利用者数0~500名69%

ざっくり言うと、業界の7割の企業が利用者数500名未満であるということになります。

さまざまな経営者と接するなかでの肌感覚ですが、このレンジの会社のレンタル新規獲得数は、まさに業界平均と変わらない状況です。
1人あたり月間5件、たまに7件獲得できれば「すごい!」という感覚でしょう。
もう何年も停滞が続いていて、利用者数も売上もあまり変わらないという会社が多いように感じます。

福祉用具レンタル会社の8割超が感じる自社の課題は「新規獲得」
いかがでしょうか、みなさまの会社にも当てはまりましたでしょうか。

もし、現在のレンタル新規獲得を2倍にすることができたとしたらいかがでしょうか?
実際に業界平均の2倍以上の獲得ペースを上げ、ずっと年間10%以上の成長を続けている会社があるとしたらいかがでしょうか?
そんな会社の社長のナマのお話しをお聞きいただけるチャンスがあります!

この記事を書いたコンサルタント
入江 貴司
入江 貴司
入江 貴司

1976年大阪府生まれ。
大阪大学経済学部卒業後、大手工作機械メーカーに入社。
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルとシニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する専門コンサルティングを進める。商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

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