「新規がザクザク獲れる会社」と「新規獲得が伸びない会社」の違い

福祉用具レンタル業界にはおおよそ5000社、7000事業所が存在していると言われています。5000社ある福祉用具レンタル会社のうち「新規がザクザク獲れる会社」と「新規獲得が伸びない会社」が存在するのも事実です。
それでは「新規がザクザク獲れる会社」と「新規獲得が伸びない会社」の違いとは何なのでしょうか?

このコラムをお読みのみなさまは、ザクザク獲れる会社か、はたまた新規獲得が伸びない会社か、どちらでしょうか?
次に述べる3つのポイントはどの程度当てはまっているでしょうか?
ぜひ自社の状態を振り返りながらお読みいただければと思います。

ポイント1:基本が徹底できている

「新規がザクザク獲れている会社」つまり業績が好調な会社は例外なく基本が徹底できているということが挙げられます。
世の中には「凡事徹底」あるいは「些事徹底」という言葉があります。

凡事…ありきたりなこと。あたりまえなこと。
些事…小さなこと。つまらないこと。

そうしたありきたりで、小さなことを徹底している会社ほど、業績が好調である傾向は明らかに出ていると思います。

「特別なことをするために特別なことをするのではない、特別なことをするために普段どおりの当たり前のことをする。」
(日米野球界のレジェンド:イチローの名言より引用)

イチローさんの言葉にもあるように、一流の選手ほど当たり前のことを大切にし、基本を徹底しているということがわかります。

業績がいい会社ほど基本のことが徹底できている。
裏を返せば、業績が伸び悩んでいる会社ほど、基本をおろそかにしてしまっているとも言えるのではないでしょうか。
年間100社以上の福祉用具レンタル会社とお話しをしていると、基本ができていない割に「すぐに業績が上がるハウツーをくれ!」というのもよくあるケースです。

みなさまの会社では基本が徹底できているといえるでしょうか?
「凡事徹底」「些事徹底」が社員の意識・行動に浸透しているでしょうか?

それでは徹底すべき基本とはなにか、いくつか例を挙げてみたいと思います。

例えば、ケアマネへの訪問回数
利用者獲得のビジネス公式として、下記のものを定義しています。

利用者獲得数=ケアマネ訪問数×相談発生率×成約率

この公式を構成する変数のうち、自社でコントロールできるのはケアマネ訪問数です。
ケアマネへの訪問が徹底できているか?
基準となる月75回以上の訪問ができているか?
ぜひ、自社の営業活動量を見直していただきたいと思います。

例えばケアマネ報告
以前にコラムで「デキる営業が実践しているたった1つのこと」という記事を執筆いたしました。
このなかでご紹介したある会社のデキる営業の行動は次のようなものでした。

利用者様の対応をしたら、必ずその日のうちに担当ケアマネを訪問して、その対応内容を報告するということを続けているそうです。
その方は、毎月コンスタントに10件以上の新規レンタルを獲得している「デキる営業」であることは言うまでもありません。

ケアマネ報告も基本的なことでありながら、ついつい忘れてしまったり、後回しになってしまったり、そんな状態になっていませんか?

「新規がザクザク獲れている会社」は基本の徹底ができている。
まずはみなさまの会社の基本の徹底を再点検していただければと思います。

ポイント2:他社と明確に差別化できている

「新規がザクザク獲れる会社」と「新規獲得が伸びない会社」の違いの2つ目は、他社と差別化できる部分があるかどうかという点が挙げられます。
みなさまの会社の他社との違いは明確に答えられますでしょうか?

私たちが考えるに、もっとも差別化しやすいのは住宅改修だと思います。
一般的に福祉用具レンタル会社は「とにかくレンタル、住宅改修はできればやりたくない」という会社が多いです。

なぜ「住宅改修はできればやりたくない」かというと、、、

・現場調査や申請など手間がかかる
・工事日の調整など業者さんとのやり取りに手間がかかる
・自社に残る粗利は10%~15%と実入りが少ない
・クレームになる可能性が高い

ざっくり言うと「手間がかかる割に儲からない、だからやりたくない。」ということで、そのお気持ちはよーくわかります。

ただ、福祉用具のレンタル・販売は極端に言うと「どこから借りても(買っても)商品は同じ」というのが福祉用具レンタル業界です。
そこで、多くの会社が「できればやりたくない」と考えている一方で、あえて住宅改修を強化していくことで差別化されたポジションをとることができるというのも事実です。

しっかり強化していけば、かける手間や時間に見合った粗利を獲得することができるようになります。

そしてなにより「住宅改修に強い事業所」として認識されるようになるのが大きなポイントとなるでしょう。

・地域包括支援センターからの「住宅改修のみ」案件
・住宅改修、福祉用具と合わせて総合的に住環境整備が必要な案件

そうした利用者の際に、真っ先に選ばれる事業所のポジションを得ることができるようになります。

他社と明確に差別化できるポイントをつくる、そのために住宅改修を強化していく。
そんな差別化戦略をぜひお考えいただければと思います。

ポイント3:社内の「当たり前」基準が高い

「新規がザクザク獲れる会社」は、社内の「当たり前」基準が高いことも特徴の一つとして挙げられます。
「これくらいやって当たり前」の基準がそもそも高いと、入社したメンバーがどんどん育っていくようになります。

・新規獲得の「当たり前」基準が高い⇒月間10件以上獲得して「当たり前」
・ケアマネ訪問件数の「当たり前」基準が高い⇒月間75回訪問して「当たり前」
・担当利用者数の「当たり前」基準が高い⇒1人200名担当して「当たり前」
・サービス品質の「当たり前」基準が高い⇒利用者に先回り提案して「当たり前」
・スピード対応の「当たり前」基準が高い⇒即日~翌日対応して「当たり前」

「当たり前」の基準が高いので、「今月はもう新規レンタル5件獲得したから、これくらいで十分でしょ。」とはなりません。

「5件なんかじゃ、まだまだぜんぜん足りない。こんなんじゃ営業ミーティングで恥ずかしくって報告できないよ。。。」
そのくらい「当たり前」基準に対してシビアに捉えていて、その基準をクリアしていくことにストイックにこだわっていると思います。

誤解していただきたくないのは、パワハラ的な厳しいノルマとかそういうものとは次元が異なる話だということです。
「新規がザクザク獲れる会社」はそれが「当たり前」だと思っているし、ごく自然にそういう思考になっているということです。

先に例で挙げたレジェンド:イチローさんは誰よりも練習時間・内容ともにハードに取り組んだといわれますが、それは無理やり誰かに強制されたものだったでしょうか。
自らの考えで、自らのルーチンとしてそうしたハードワークともいえる練習があったことは誰も疑わないところだと思います。

イチローさんは例えとしてすごすぎるかもしれませんが「新規がザクザク獲れる会社」はある種そのようなマインドで「当たり前」にやっていることのレベルが高いと思います。

「新規がザクザク獲れている会社」は、社内の「当たり前」基準が高い

このコラムをお読みの経営者のみなさまには、そうした高いレベルの「新規がザクザク獲れている会社」の実例に触れていただくことをオススメいたします。
これまで挙げた特徴を実際に網羅している例として大阪の株式会社ケンモク様が挙げられます。
株式会社ケンモク・上野社長の生のお話しをお聞きいただける機会をご用意していますので、ぜひご活用いただけますと幸いです。

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■ 執筆者紹介
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株式会社 船井総合研究所
リフォーム支援部
チーフ経営コンサルタント
入江 貴司

【プロフィール】
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルと
シニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する
専門コンサルティングを進める。
商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制
づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

⇒ 入江 貴司 への経営相談は、コチラまで
E-Mail:takashi_irie@funaisoken.co.jp

この記事を書いたコンサルタント
入江 貴司
入江 貴司
入江 貴司

1976年大阪府生まれ。
大阪大学経済学部卒業後、大手工作機械メーカーに入社。
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルとシニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する専門コンサルティングを進める。商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

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