新規獲得を抜群に伸ばす営業がやっていること/やらないこと

「利用者さんとあえてコミュニケーションは取らないようにしています。ぼくらはしょせん『業者』なんで。」

全国40社以上の会員企業のなかで、もっとも新規獲得を伸ばした営業の方が言っていた言葉です。

その言葉を聞いたとき、意外に思うとともに、話を聞くほどに「なるほど」と納得させられました。
福祉用具レンタル業界のコンサルタントになってかれこれ5年になりますが、まだまだ新しい発見はあるものです。
今回のコラムでは「新規獲得を抜群に伸ばす営業がやっていること/やらないこと」として、営業現場での行動のルール化を試みたいと思います。

やらないこと その1:利用者とのコミュニケーションは取らない

利用者さんはいろいろな相談をケアマネにしています。
ケアマネさんのプランに沿って動くのが福祉用具レンタルの会社であり、利用者さんから見たら一つの「業者」です。
もちろん失礼の無いような行動、言葉遣い、気遣いはした上で、やることが終わったらさっさと引き上げるようにしています。

冒頭の営業の方はそのように言っていました。
利用者さんのところに行くと大抵は【お茶タイム】があり、そこでいくらか雑談をして話を聞いて、ということをしているのかと私は思っていました。
その方がおっしゃるには、利用者さん・ご家族さんから何か話がなければ、早々に切り上げて次の現場へと走るようにしているそうです。
もちろんお茶を出されたら絶対に残さず、すべていただいてからその場を後にするそうですが。

特に用事がなければ雑談などはせず、早々に引き上げて次の現場に向かう。

新規を抜群に伸ばす営業がやらないことのその1は「利用者とのコミュニケーションは取らない」でした。

やらないこと その2:良い人にならない

なかなか成績が伸びない営業の方に共通する一つの要素は「良い人」になってしまっていることではないかと思います。
悪い人になる必要はないのですが、必要以上に「良い人」になると成績が伸びなくなってしまいます。

例えば、先述の利用者さんと雑談をするかしないかというケース。
ときに利用者さんが話をしはじめて、話が終わらず長くなりそうなときもあると思います。
「良い人」はそのままずっと話を聞き続けて、ズルズルと時間ばかり過ごしてしまうという方もいるでしょう。
一方で、「あ、すいません、ちょっとそろそろ次のお客さんのところに行かないといけないんで・・・」と言い出せるかどうか。

これは単に話を聞くかどうかということではなく、

良い人(伸びない人):主導権を相手に委ねてしまう
成果を伸ばす人:自らの主導権で行動する

そんな違いがあると思います。

とても感覚的な話しなのですが、営業として成果が伸びるか伸びないかを分ける要素の一つに「鼻が利く」ことがあると思います。
営業として成果が伸びる人はお金の匂いを嗅ぎ分けるのが上手です。
一方、営業として成果が伸びない、良い人にはお金の匂いはわかりません。

新規を抜群に伸ばす営業がやらないことのその2は「良い人にならない」でした。

やっていること その1:こまめなケアマネ報告

成果を伸ばす営業の方は、本当にこまめにケアマネ報告をしています。

例えば、ちょっとした利用者のフォローでケアマネさんから連絡があったケース。
利用者さんと連絡を取り、対応する日にちが決まったとします。
本当にちょっとしたことなんで・・・ということで対応を終わらせて、そのままにしていませんか?

成果を伸ばす営業の方は、まず日にちが決まった時点でケアマネさんに連絡を入れます。
「ご報告だけお伝えさせてください。先ほどの件、〇日にお伺いして対応することになりました。」
次に対応が終わった際にもケアマネさんに報告をします。
「先日の■■様の件なんですけど、ご訪問させていただいてコレコレの対応をしましたので、バッチリ大丈夫です!」

ケアマネさんの仕事の多くの部分を占めるのは、利用者さんとサービス事業者との「調整」だと思います。
利用者さんの状態に応じて、動いてもらうサービス事業者を考えて、連絡して、対応してもらう。
内容の調整や、日時の調整、結果のフィードバックをもらって、またその後の対応を調整する。
そんなことを日々繰り返すというのがケアマネさんのお仕事の大半ではないかと思います。

そんなケアマネさんのお仕事がいかにスムーズに進められるか、
・対応の内容が正しく伝わっているか?
・いつ何日・何時・何分に対応してくれるのか?
・対応はきちんと完了したのかどうか?
・ほかに何かフィードバック、情報はないか?
そんなことをきちんと連絡してくれるかどうかで、ケアマネさんのお仕事がスムーズに進むかどうかが決まります。

ちょっとしたことの、ちょっとした報告をおろそかにせず、地道にケアマネ報告を続けている人が「きちんとしてる」として評価されます。

新規を抜群に伸ばす営業がやっていることのその1は「こまめなケアマネ報告」でした。

やっていること その2:時間が空いたら予定を前倒し

利用者さんの対応が予想以上に早く終わり、30分くらい時間が空きました。
さて、営業のみなさんはどうしますか?

お、ちょっと時間ができたからコンビニでコーヒー飲んでちょっと一服
福祉用具の営業あるあるですね。

成果を上げる営業は利用者さんに連絡を入れて、どんどん予定を前倒ししていくそうです。
予定を前倒しして詰めて、詰めて、1日の後半にまとまった空き時間をつくるようにしていくとか。
夕方にまとまった時間があれば、居宅/包括への訪問に充てることができます。
その日の利用者さんの対応状況を、ケアマネさんに訪問して直接報告することもできるでしょう。

そもそも成果を上げる営業の方は行動がストイックです。
ちょっと時間が空いたからコンビニへ、ではなく予定を詰めて、時間をつくって「あと1件」の訪問を続けています。

新規を抜群に伸ばす営業がやっていることのその2は「時間が空いたら予定を前倒し」でした。

今回のコラムでは、「新規獲得を抜群に伸ばす営業がやっていること/やらないこと」ということでお送りしてまいりました。
みなさまの会社の営業の方のやっていること/やらないことと比べていかがだったでしょうか。
少しでも、みなさまの今後の参考になればうれしい限りです。

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■ 執筆者紹介
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株式会社 船井総合研究所
リフォーム支援部
チーフ経営コンサルタント
入江 貴司

【プロフィール】
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルと
シニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する
専門コンサルティングを進める。
商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制
づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

⇒ 入江 貴司 への経営相談は、コチラまで
E-Mail:takashi_irie@funaisoken.co.jp

この記事を書いたコンサルタント
入江 貴司
入江 貴司
入江 貴司

1976年大阪府生まれ。
大阪大学経済学部卒業後、大手工作機械メーカーに入社。
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルとシニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する専門コンサルティングを進める。商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

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