福祉用具レンタル業 密着同行で見える営業の即時業績アップ法!

営業の実態とか今後の課題が手に取るようにわかりますね!

営業同行のレポートをさせていただいた後に、社長がおっしゃる言葉です。
いろいろな会社様の営業の方に1日同行をさせていただくことがあるのですが、営業スタッフに1日密着させていただくといろんなことが見えてきます。

今回のコラムでは、営業同行で私たちが見ているポイントとそこで見つかる課題、その課題の乗り越え方などをお伝えさせていただきます。
みなさまの会社の営業メンバーの方々と照らし合わせて、営業の業績アップのヒントにしていただければ幸いです。

ポイント1:営業スタッフは何にどれだけ時間を使っている?

営業スタッフの方に1日密着させていただき、活動内容を分単位で見ていっています。

営業の活動内容としては、

利用者対応
居宅/包括訪問
納品準備
役所申請
移動
休憩

といった項目に大別されると思います。

活動内容の一つ一つをそれぞれの項目で集計していくと、1日の時間を何にどれだけ使っているのかがハッキリとわかるようになります。

(営業スタッフ Aさんの活動内容)

利用者対応     43.7%
居宅/包括訪問   4.8%
役所申請      0.8%
移動        44.8%
休憩        6.0%

(営業スタッフ Bさんの活動内容)

利用者対応     15.1%
居宅/包括訪問   10.3%
施設訪問      9.1%
納品準備      3.4%
役所申請      0.0%
移動        50.5%
休憩        11.6%

※ちなみにAさんとBさんは別の会社の営業スタッフです。

◆営業スタッフAさんの所感・気づき

・利用者対応に十分な時間を割けており、歩行器の選定や生活動線の確認、図面の作成などができていた
・対応内容、姿勢、態度などまったく問題なく、「頼りがいのある専門相談員」であった
・利用者(〇〇様)の対応では、「こんな歩行器なんて要らないよ!」という利用者の反発にも、利用者・ご家族、ケアマネの顔をつぶすことなく包み込む対応を行い、結果として歩行器のデモへとつなげていっていた
・一方で別の利用者(△△様)の対応は、ケアマネの流れに任せるような動きになっていたり、自社サービス以外への関心が薄かったりと、自ら主導権を握る姿勢が見られるとより良かったと感じる

◆営業スタッフBさんの所感・気づき

・運転中は電話をしない、一時停止は必ずピタっと止まるなど、交通法規を順守する意識がとても高い
・ケアマネとの距離の詰め方が絶妙であり、ある程度接触回数を踏んだ相手に対して嫌われない程度に馴れ馴れしく接することができている
・お昼休憩以外は絶え間なく活動しており、また動きのスピードも俊敏な動きをしていた
・車いすの不調に対して連絡後60分くらいで訪問・対応ができており、信用を得る営業スタッフの動きができていた
・ケアマネとの接触は「手すりチラシの案内」が主体、利用者に関する報告を訪問の中心に置きたい
・納品準備のために、自店に2回、卸の倉庫に1回戻っていた。効率的な動きは改善の余地があるかもしれない

営業スタッフの活動を分単位で記録した上で、何にどれくらい時間を使っているかを定量的に把握する
時間のデータに加えて、

同行して感じた定性的な気づき・所感をまとめてレポートさせていただいています。

こうした内容を見るだけでも、営業の動きがつぶさに把握することができると思います。
さらに、営業スタッフごとの強みの部分、はたまた改善すべき課題の部分も浮き上がってくるのではないでしょうか。

1日密着同行すると、さまざまなことをリアルに把握することができますね。

ポイント2:利用者宅での選定・提案フローは適切か?

1日の動きから、今度は利用者宅での選定・提案フローという部分にグッとフォーカスしていってみましょう。

利用者宅での流れの一つ一つもおおよそ次のように大別することができます。

現地到着
あいさつ
利用者・ご家族アセスメント
現場調査
商品デモ
動線確認
間取り図作成
会社紹介・コンセプト説明
提案まとめ
今後の打ち合わせ

(営業スタッフ Cさんの選定・提案フロー)

現地到着・あいさつ 3分
商品デモ      5分
動線確認・試用   35分
まとめ打合せ    4分
合計        47分

(営業スタッフ Dさんの選定・提案フロー)

現地到着・あいさつ 10分
商品デモ      15分
動線確認      6分
図面作成      11分
まとめ打合せ    9分
合計         51分

◆営業スタッフ Cさんの所感・気づき

・利用者宅に訪問の前に担当ケアマネと面談を行っていた
・営業車を邪魔にならない裏路地に駐車する配慮ができていた
・利用者宅の図面を作成、打合せ事項を追記して利用者、ケアマネに配布することができていた
・歩行器のデモ利用についてケアマネの想定通りになるような促しができていた
・宅食やデイサービスでの入浴など、自社サービスと直接関係がない話題には関わる姿勢が薄い
・居間・玄関・寝室・トイレ・浴室と図面作成では一通り見ているが、危険箇所の確認や提案まではできていない
・全体的に担当ケアマネ任せの流れとなっており、自ら主導権を取りに行く姿勢は見られなかった

◆営業スタッフ Dさんの所感・気づき

・ケアマネさんが先にいらっしゃったが、良い関係性を築けており、スムーズな導入だった。
・「ご本人が神経質」との情報を事前に得ており、ご利用者さんの思う存分試用いただいていた。
・エアマットのデモとともに、車いすの不備に関しても気にかけ、修理の対応ができていた。
・エアマットの選定理由を簡潔に述べ、ご本人含めご家族に対してスムーズな理解を得ていた。
・利用者の動線確認・試走に十分に時間を取っており、認知機能および身体機能が低下している利用者への対応としてとても良好であった
・他に選択肢がなく、お試しをすることが決まっていたので、試用の時間をもう少し時間を短縮できた。
・提案の際、「~は必要ないですかね、、?」と押しの弱い提案になっていた。

それぞれにしっかりと対応できている部分、もう少し改善が必要な部分というのがあると思います。
例えば、利用者宅への初回訪問の場面として、60分でしっかりと現場調査・選定・提案をする流れを考えると次のようなフローが想定できるかと思います。

(今後考えたい現場調査・提案プロセス)

利用者・ご家族アセスメント 10分
現場調査・生活動線確認   10分
間取り図作成        25分
会社紹介・コンセプト説明  5分
環境整備提案まとめ     5分
今後の打ち合わせ      5分
合計            60分

「え?会社紹介ってわざわざ時間取ってするの?」

と疑問を感じる方もいらっしゃるかもしれません。

実は全国の福祉用具レンタル会社でも、売れている会社、売れている営業スタッフほど、会社紹介をしっかりやっているのが、私たちが捉えている客観的事実です。
「営業」という仕事を考えたときに、商品を売る前に、自分を売り、会社を売るということが重要だからです。

多くの会社様で、そもそも会社紹介をするということが利用者訪問のフローの中に入っていないケースがほとんどです。
「営業」としていかに自社のことを知ってもらうかということをあらためて見直しをしていただくと良いと思います。

ポイント3:営業チェックリストで得意分野/苦手分野が浮き彫りに!

利用者訪問時のプロセス、流れが決まったら、そこでやるべきことをチェックリストで確認することができます。

例えば、先ほどの【利用者・ご家族アセスメント】【現場調査・動線確認】のプロセスをさらに細分化して、やるべきことをピックアップしていくと次のようになります。

さらに、それぞれの項目に「判定基準」を決めて採点ができるようにすると下図のようになります。

このようにしておけば、上長や先輩が営業スタッフに同行した際にしっかりと利用者対応ができているかどうかを客観的に見ることができます。
それぞれのプロセスでしっかりと対応できている部分、まだまだ改善が必要な部分を明確にすることができます。

定期的に同行し、利用者対応がきちんとした品質で対応できているかどうかを定点観測することができると思います。

今回のコラムでは「福祉用具レンタル業 密着同行で見える営業の即時業績アップ法!」として、営業スタッフの密着同行で見ているポイントをご紹介させていただきました。
自社の営業スタッフのいまの実力が知りたい方営業プロセスの改善ポイントを見出していきたい方もしご興味があればお問合せいただければ幸いです。

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■ 執筆者紹介
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株式会社 船井総合研究所
リフォーム支援部
チーフ経営コンサルタント
入江 貴司

【プロフィール】
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルと
シニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する
専門コンサルティングを進める。
商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制
づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

⇒ 入江 貴司 への経営相談は、コチラまで
E-Mail:takashi_irie@funaisoken.co.jp

この記事を書いたコンサルタント
入江 貴司
入江 貴司
入江 貴司

1976年大阪府生まれ。
大阪大学経済学部卒業後、大手工作機械メーカーに入社。
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルとシニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する専門コンサルティングを進める。商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

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