福祉用具レンタル業 業績を伸ばす経営者が見ている数字はコレだ!

見る数字なんて限られたポイントだけ見てれば伸びますよ!

業績絶好調の福祉用具レンタル会社の社長の言葉です。

経営者のみなさま、自社の数字はどこを見ていますか?

伸びている会社がどんな数字をどんな風に見ているか気になりませんか?

数字をぜんぜん見ていないという会社は論外として、今回のコラムでは福祉用具レンタル会社の経営で見るべき数字のポイントについてお伝えしてまいりたいと思います。

ポイント1:伸びる会社にするための数字「アベレージ獲得数」

まずは伸びる会社にしていくためにどんな数字を見ていけばいいのか?です。

みなさんの会社は利用者数ベースでどのくらい成長していますか?
年間何パーセント成長を目指していますか?
その成長を実現させるために月々の新規獲得数は何件を目指していますか?

これらの質問に即答できる社長さんはここから先は読み飛ばしていただいて、ポイント2に行ってもらって大丈夫です。
すぐに答えられない社長さんはここから先の話をしっかりと3回くらい繰り返し読んでもらえると良いかなと思います。

当然のことながら、伸びるかどうかは月々のレンタル新規獲得数によって決まります。

解約数≒利用者数×3%

と考えると、例えば利用者数が1000名の会社であれば、月に30件は解約が発生するということになります。

もし、新規獲得数が35件とかあるのであれば、利用者数はプラスの伸びになっていくでしょう。
少なくとも、新規獲得数が30件を上回っていないと横ばいか減少ということになってしまいます。

もちろん月によって解約数は多かったり少なかったり、季節変動もあるので冬場や真夏は入院なんかが増えて一気に解約が嵩むということもあるでしょう。
また獲得数も月によってバラつきがあるのもわかります。
季節要因はもちろん、営業の稼働日やケアマネの稼働日によっても新規獲得数は増減します。

そこで「アベレージ獲得数」という考え方を使います。

3ヶ月くらいのアベレージを取れば月のバラつきがならされて、おおよそ自社の獲得ペースが把握できるというものです。

例えば、

レンタル新規獲得数
4月32件
5月26件
6月40件
3ヶ月平均32.6件

アベレージ獲得数が30件を上回っていますので、計算上この会社は4月~6月の3か月間で利用者数が伸びていくということになります。

「計算上」と書きましたが、この考え方を当てはめるとほぼ間違いなく増減の傾向は当たります。

では、どのくらいのアベレージ獲得数を目指すべきなのか?

例えば年間10%伸ばしたい、1000名の利用者数を1年間で1100名にしたいという目標を立てたとします。
年間10%ということは月間0.8%、利用者数1000名であれば月間純増+8名ということになります。
解約が30件とすると、獲得ペースは38件、3ヶ月の平均を取ったアベレージ獲得数が38件を超えればいいということになります。

アベレージ獲得数がどのラインを超えているか?

伸びる会社の経営者は毎月の数字のそこを見ています。

ポイント2:儲かる会社にするための数字「レンタル粗利率」

業績が好調な、つまりは儲かっている会社の経営者はみなさん口を揃えて言います。

福祉用具レンタルで利益を出すのは極めてカンタン

現在進行形で黒字化に向けて進んでいる会社
はたまた営業利益率3~5%ゾーンからなかなか抜けられない会社
そんな社長さんからするとなんともうらやましい話だと思います。

私は日々さまざまな会社と関わり、月次損益を拝見させていただくことが多いのですが、儲かっている会社は本当に不思議なくらい利益が出ています。
そんな会社がどこの数字を見ているのかというと「レンタル粗利率」です。

自社レンタルと卸レンタルで粗利の構造はもちろん違います。
さらに自社レンタルと卸レンタルでは固定費の構造ももちろん違います。

その違いはあれど、共通して「レンタル粗利」に注目しているのは間違いないところです。

自社レンタルであれば「自社レンタル比率」を上げ、自社商品の「レンタル稼働率」を上げることが「レンタル粗利率」を上げることにつながります。

卸レンタルであればレンタル卸さんとのお付き合いのやり方を工夫し「レンタル粗利率」を上げることに努めます。
継続的・定期的に卸さんと仕入について見直しをする、複数の卸さんとお付き合いがあるなら、商品ごとにもっとも条件の良い卸さんから仕入れる、日々の工夫の積み重ねで「レンタル粗利率」は改善させることができます。

損益分岐点を超える売上を上げることは大前提として、そこから先、儲かる会社の経営者は徹底的に「レンタル粗利率」にこだわっています。

ある程度の規模になり、力をつけて交渉できるパワーができてきたら、レンタルの仕入を見直していくのは必須だと思います。

みなさんはどの程度「レンタル粗利率」にこだわっていますか?

ポイント3:社員を幸せにするための数字「1人あたり粗利」

何のために会社を経営しているのか?

その問いに対しての答えは一つではないと思います。
ズバリの答えではないにしても、いくつかある答えのうちの一つは「社員を幸せにすること」ではないでしょうか。

幸せの定義は人それぞれだと思いますが、

【余裕をもって生活できるくらいのお給料】と【生活が脅かされない適正な労働時間】は少なくとも、会社として社員に幸せを感じてもらえる条件だと思います。

そうした状態を数値で表すとすると「社員1人あたり粗利」、つまりは生産性ということになります。

生産性(社員1人あたり粗利)が低い会社は十分にお給料を上げることができません
生産性(社員1人あたり粗利)が低い会社はあくせく働いても仕事がなかなか終わりません
生産性(社員1人あたり粗利)が低い会社は仕事の質が低いのでクレームやトラブルに追われる状態が続きます

生産性を上げることが仕事の質を上げ、時間に余裕ができ、お金の面でも社員への還元をしていくことができるのです。

では、社員1人あたり粗利がどの程度であれば良いのでしょうか。

福祉用具レンタル会社の場合、1人あたり粗利が600万円~700万円という会社が多いと思います。
非常に残念ですが、この水準だと営業利益はギリギリ黒字になるかならないかというところで、お給料を上げていくというのはなかなかそこまで手が回らないという状態です。

一般的な目安として、

生産性指標経営状態
1人あたり粗利 600万円営業利益マイナス
1人あたり粗利 700万円ようやくギリギリ黒字か?
1人あたり粗利 800万円黒字経営
1人あたり粗利 900万円黒字経営かつ社員の給料上げられる
1人あたり粗利 1000万円余裕で黒字&社員の幸せ追求

会社としても、社員にも、幸せな状態をつくっていこうとすると生産性を高めていくのは欠かせない視点だと思います。

まずは損益分岐点を超えられるよう、利用者数を積み重ねていくべく「アベレージ獲得数」を高め、
十分に利益を上げ、儲かる会社にしていけるよう「レンタル粗利率」にこだわり、
さらに経営の質を上げていくために「1人あたり粗利」を高めていく。

冒頭にご紹介した業績絶好調な会社の社長の言葉

見る数字なんて限られたポイントだけ見てれば伸びますよ!

見るべき数字を絞り、ポイントを押さえた経営で、もっともっと良い会社にしていきたいですね!

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■ 執筆者紹介
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株式会社 船井総合研究所
リフォーム支援部
チーフ経営コンサルタント
入江 貴司

【プロフィール】
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルと
シニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する
専門コンサルティングを進める。
商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制
づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

⇒ 入江 貴司 への経営相談は、コチラまで
E-Mail:takashi_irie@funaisoken.co.jp

この記事を書いたコンサルタント
入江 貴司
入江 貴司
入江 貴司

1976年大阪府生まれ。
大阪大学経済学部卒業後、大手工作機械メーカーに入社。
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルとシニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する専門コンサルティングを進める。商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

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