福祉用具レンタル業 会社を伸ばす社長だけがやっている秘密のアレ

「あれ?おかしいな。なんだか最近成長が止まった気がする・・・」

ある程度順調に伸びてきたと思ったら不意に襲ってくる突然の停滞。
会社を伸ばしたいと思っているなら、今回のお話しは絶対に必見の内容です。

なぜ成長は停滞するのか?そのカベを乗り越える秘策とは?

そんなお話しを今回のコラムではお伝えしたいと思います。

ポイント1:会社が伸びるかどうかは社員の「ノリ」で決まる

ほとんどの社長さんは「会社を伸ばしたい」とお考えだと思います。
特に福祉用具レンタル業の場合、ビジネス構造からして、損益分岐点を超える規模まで成長しているかどうか、損益分岐点を超えてどこまで利益体質にできているか。
会社を成長させられるかどうかは、すなわちどれだけ利益を残せるかに直結してきます。

そんななか冒頭のように、気づけば成長の踊り場に差し掛かり、なぜか伸びなくなっているということが往々にして起こりえます。

例えば現社長が創業し、現場たたき上げから成長してきた会社さんの場合。
事業スタートから数年は社長が営業最前線で事業を伸ばしてこられたと思います。
面白いように利用者数が増え、一緒にやっていくメンバーを1人、2人と増やしていきます。
やがて社長は現場から離れ、通常業務は社員に任せるような段階になっていく。
そんなころから、ふと気づけば成長の鈍化を感じるようになるタイミングかもしれません。

利用者数が増えて解約が多くなったから・・・

たまたまと思っていた利用者数の一進一退が、やがては谷間の時期が増えていき、あらためて数字を見てみるとこの一年まったく伸びていない・・・

もしこのコラムをお読みのあなたが、今まさにそんな時期に差し掛かっているとしたら。
ちょっと社長と現場最前線の社員との関係性について考えてみてください。

幹部やリーダー陣は社長と一緒に仕事をして、いろんな話をしながら共に歩んできた関係だったとして。
いまの現場最前線の社員さんは、教育なんかは幹部・リーダーに担ってもらって、社長が直接関わったり一緒に仕事をする時間ってかなり少なくないですか?

当然のことながら社長が現場を離れていって「社長業」をやるようになるのは正しいあり方だと思います。
気になるのは社長と現場社員との間に距離ができてしまって、社員からすると「社長が何を考えてるのかわからない・・・」という状態になるのではないかということです。

会社が成長してある程度の規模になってくると社員の気持ちの「ノリ」が重要になってきます。

社長自身が伸ばす、社長一人で伸ばす、そんな時期は過ぎ去り、社長ではない社員みんなが力を出して会社の業績を上げていく段階になると、そうした「ノリ」が重要になるのです。


「この会社だったらスゴイことができるような気がする」
「仲間みんなとぜんぜん違う景色を見てみたい!」

そんな風に思えるなら、その会社は停滞を超えて伸びていくことができるでしょう。

「社員とちょくちょく飲み会をやってコミュニケーションは取っているけどなぁ…」
「喫煙所とかでタバコ吸いながら一緒に話はしているけど…」

そう思われた社長さんもいらっしゃるかもしれません。
雑談やバカ話はしていても、会社の未来のこと、社長の夢のこと、社員への思い、そんな話はしていますか?

次章以降では社員の「ノリ」を創る秘策、ビジョン発表会について書いていきたいと思います。

ポイント2:社員をグリップする秘策!中小企業こそ「ビジョン発表会」をやろう!

ある程度会社が成長し、そこからさらに会社を伸ばしていくには社員の「ノリ」が重要だということを書きました。
社長個人の力ではなく、社員の力を結集していく段階になってくると社員の内なるモチベーションが成長のためのガソリンになってくるのです。

モチベーションというと、以前にコラム「福祉用具レンタル業 社員のモチベーションが上がる会社?上がらない会社?」で【選択理論】というお話しを書きました。

外的刺激(良いこと、良くないこと)によって上がったり下がったりするのは「テンション」であって、
モチベーションというのは、自身の内側から動機づけられて形成されるものであるという考え方です。

社員の心の内側のモチベーションと、会社の目指す到達点がリンクした状態、これが社員の「ノリ」がある状態です。

会社の発展段階でいうと、事業スタートからしばらくは生き残るか否かの時期が続きます。
やがて、必死に生き残る段階は過ぎ去り、徐々に余裕ができ社員とともに会社を伸ばしていく時期を迎えます。

会社として「生存」できるかどうかの時期はとにかく必死ですが、
生き残って次の段階へと進むころには社員と一緒に目指す到達点を示したいところ。
すなわち、それを「ビジョン」といいます。

余談ですが、最近[スラムダンク勝利学(辻秀一先生 著)]という本を読みました。
みんな大好きスラムダンクには人生やビジネスに活かすことができる学びがたくさんあるよねという書籍です。
そういえば、経営者やコンサルタントでもスラムダンクに例えて話をする方が少なくないと思い当たります。

赤木キャプテンは1年生のころから「全国制覇」という目標を打ち立てます。
できるかどうかわかりませんが、「全国制覇」という大きな到達点を示し、部員の心を一つにし、その到達点に向かって頑張らせるのです。

壮大、遠大な到達点がみんなの心を奮い立たせ、散漫になりがちな集中力をビタッと定め、持てる力をそのゴールに向かって邁進させていく。
スラムダンクの「全国制覇」のように、会社でも目指したいゴールを定め、それをみんなと共有することで、社員の内なるモチベーションを奮い立たせることができれば最高ですね。

「そんなたいそうな、大会社じゃあるまいし…」
仲間たちの心を奮い立たせるのに会社の規模は関係ありません。
仲間たちの心を奮い立たせるのに遅すぎることはなく、むしろ早い方が良いでしょう。

有名な逸話ですが、ソフトバンクの孫さんは創業間もない頃から「やがては会社の売上を、豆腐を一丁二丁と数えるように・・・」と言っていました。
ニデックの永守さんは創業メンバー3名を前に「インターナショナルな企業になる」と宣言しています。

中小企業こそ「ビジョン発表会」を実施し、社員のノリを高め、社員の心をグリップしていただきたいと私は思います。

ポイント3:ビジョン発表会の事例と進め方

福祉用具&リフォーム経営研究会の会員企業様でも、ビジョン発表会をどんどんやっていただいています。
利用者数でいうとまだ1000名にも満たない段階の中小事業所のステージから社長のビジョンを示していっています。

ビジョン発表会をやるのはなにも立派なホテルなんかでなくてもかまいません。
ちょっとした貸し会議室、貸しスペースで十分です。
ある会社さんはカチっとした雰囲気でなく、カジュアルな感じでみんなと語りたいということで、ライブハウスを使った貸しパーティスペースで開催されました。

時間は平日の午前中がいいと思います。

人間の集中力が最も高くなる午前中に、大事な話をして1時間~1時間半くらい。
終わったらケータリングなどの軽食を準備して、みんなでランチをして午後のお仕事に臨むと良いと思います。

「夕方に実施して、その後飲み会とかにしてもいいのかな・・・?」
そうしたパターンも悪くはないと思いますが、気になるのはお車の問題と、なにより飲んで騒いでワーってなってビジョンの話が吹き飛んでしまわないように気を付けることだと思います。

社長に語っていただくのは、次のような内容です。

▶これまでの成長の軌跡
 ⇒自分たちのがんばりをあらためて確認

▶直近1年の業績の振り返り
 ⇒良くも悪くも反省と対策

▶目指すビジョン(数値面)
 ⇒5年くらいの目線で利用者数、売上、利益、生産性など

▶目指すビジョン(定性面)
 ⇒どんな会社にしていきたいか?どこを目指すのか?

言うまでもなく重要なのは目指すビジョンですね。
数値面でのビジョンはもちろん重要、どこまでの規模の成長を目指すのか、目線を上げた目標設定はみんなの心を奮い立たせます。

それと同じくらい重要なのが定性的なビジョンです。
社長がどんな会社を創りたいか、どうやってお客様やひいては世の中の役に立っていくのかを示します。

それは言い換えると「自分たちの存在意義」であり、聞き手の心を揺さぶることで使命感に燃える状態を作ることができれば大成功だと思います。

私たち船井総研がそうしたビジョン発表会をプロデュースさせていただく場合は、その後に少しだけ第三者としての話をさせていただきます。
社長のビジョンを側面から補強するような、客観的に考えてそのビジョンにどんな意味があるのか、そんな話をさせていただいています。

「やっぱり社長の言う方向を目指して間違ってないんだ!」

社長のビジョンを聞いて心を奮い立たせられ、第三者からの話でそのビジョンに正当性を与えられる、そんなストーリーです。

ここまでお読みいただいていかがだったでしょうか。

「あれ?なんか伸びないな・・・」

目標を見失って右往左往する会社と。

生き残りの時期を越えてふとエアポケットに入りそうな時期に、次なるビジョンを掲げ社員の「ノリ」を高めていく会社。

ビジョン発表会とは単なるセレモニー的なものではない

ということがお分かりいただけたのではないでしょうか。

ぜひ社長の「夢」を思う存分に語っていただきたい

と思います。

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■ 執筆者紹介
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株式会社 船井総合研究所
リフォーム支援部
チーフ経営コンサルタント
入江 貴司

【プロフィール】
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルと
シニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する
専門コンサルティングを進める。
商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制
づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

⇒ 入江 貴司 への経営相談は、コチラまで
E-Mail:takashi_irie@funaisoken.co.jp

この記事を書いたコンサルタント
入江 貴司
入江 貴司
入江 貴司

1976年大阪府生まれ。
大阪大学経済学部卒業後、大手工作機械メーカーに入社。
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルとシニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する専門コンサルティングを進める。商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

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