福祉用具レンタル業 メーカーさんを味方につける営業作戦!

ウチはメーカー同行をけっこうやって新規居宅の開拓を進めてますね!

こう話すのは東洋ケアサービス・細野社長です。

福祉用具レンタル会社どうしの情報交換会での一コマ。

「新規のケアマネってどうやって切り込んでますか?」

という質問へのお答えでした。

メーカー同行と聞いても正直なところあまりピンと来なかったのですが、聞けば聞くほど納得。
これはみんな取り入れた方がいいのでは?と思わせられる内容でした。

みなさまはメーカーさんをどのくらい味方につけられていますか?
メーカーさんの力を営業の力として活用できていますか?

ポイント1:えっ!?メーカー同行が居宅へのアプローチに有効なの?

居宅へのアプローチ、特に新規居宅や、まだ付き合いのない新規ケアマネにアプローチするのに、メーカー同行を積極的に実施していると話すのは、群馬県の東洋ケアサービス・細野社長です。
どんな風にメーカーさんと同行するのか、詳しくお聞きしてみると、

・ベッド、車いす、エアマット、オムツなどのメーカーの営業さんと同行で居宅を回る
・メーカーが一緒に来るとなると、ふだんは忙しそうなケアマネも時間をつくってくれる
・それまで接点のなかったケアマネもつられて出てきてくれる

そんな風にケアマネと接点をつくることができ、お付き合いのドアを開けることができるそうです。

さらに、同行営業を行った次の訪問機会に次のようなアクションを取っているそうです。

・先日のメーカーさんの話はどうでした?と反応を聞く
・ほかに聞いてみたい話(商品・メーカー)とかありますか?とリクエストを聞く
・リクエストがあればそれに沿ってまた別のメーカーさんとの同行を組む

そうした動きをすることで、ケアマネからすると「自分の希望を聞いて動いてくれた」という印象を残すことになり、また次の機会にもしっかりと時間を取ってくれるようになります。

こちらの目線からすると、それまで接点のなかったケアマネと着実に意味のある用事で接点をもつことができ、訪問のたびに関係を築くことができるようになります。

すでにお付き合いがあるケアマネであれば、その担当利用者さんの話をすればいいのですが、お付き合いのない新規ケアマネは利用者さんネタを使うことができません。


メーカー同行という、いつもとちょっと違った手を使うことで、最初の接点をつくり、またその接点をグワっと広げる動きをしていると教えていただきました。

また、メーカーさんとの協力関係があるとケアマネ向けのセミナーを組むこともできます。
例えば「床ずれ」について学ぶことができるセミナー。
商品ありきではなく、なぜ床ずれができるのか?床ずれを予防するにはどうすればいいのか?そんなことを学ぶ機会を提供するセミナーを企画するそうです。

他にも車いすのフィッティングや使い方なんかをテーマにセミナーを企画したりもされているそうです。

利用者数を驚異的なペースで伸ばしている東洋ケアサービス様の営業手法の一端を垣間見ることができました。

ポイント2:メーカーさんは営業活動に協力してくれる?

ここで少し気になるのが、メーカーさんはそんな風に営業活動に協力してくれるのか?ということです。

「それって東洋ケアサービスさんくらいの規模があって伸びているからできるんじゃないの?」

そんな風に思わないこともありませんよね。

細野社長いわく「声をかけたらメーカーさんは喜んで協力してくれますよ!」だそうです。

メーカーによって異なるとは思いますが、例えばメーカーさんの中でも施設営業担当と、在宅営業担当の部門があったとします。
施設営業の方は直販であったり、ディーラー(貸与事業所など)とタッグを組んで施設を攻略したりと、日々営業活動を行っています。
一方で在宅営業の方は売れる仕組みがすでに出来上がっています。

メーカー ⇒ 卸会社 ⇒ レンタル会社 ⇒ エンドユーザー

という商流のなかで、卸さんやレンタル会社が日々動いているので、メーカーさんの立場としては仕組みで売れていくわけです。

とはいえ、メーカーさんとしてもできるだけ現場に近い生の動きを把握したり、現場のニーズをキャッチしたりということは常々欲していることだと思います。
ふつうは居宅/包括にメーカーの立場として行くことはめったになく、ケアマネさんとの接点など望むべくもないことだと思います。

それが「営業同行してもらえませんか?」という声かけがあり、営業活動としてケアマネさんに直接会って話ができる機会があれば、それは喜んで動いてもらえるというのも納得です。
メーカーさんのイチ営業さんの立場としても、レンタル会社と同行して現場の声を拾ってくる、それを日報/週報で会社に報告する、かなり実のある一日になることでしょう。

少し引いた視点で商流全体を見渡してみましょう。

メーカーにせよ、卸会社にせよ、間接的に自社の商品を売ってくれるレンタル会社の業績が上がれば、自社の業績につながります。
逆に言うと、自社の働きかけでレンタル会社の業績を上げることが、自社の業績にプラスのインパクトを与えます。
売ってくれるレンタル会社への「ディーラーサポート」の視点をもち、営業活動を側面から支援することがメーカー/卸会社に必要なことと思います。

メーカーさんが会社に来て勉強会とか、ベッドの組み立て方講習なんかをやってくれるのは、そうした「ディーラーサポート」の一環と考えることができるでしょう。
ただ、勉強会やベッドの組み立て方講習は、レンタル会社の営業スタッフ育成の一助とはなりますが、営業スタッフが着々と育って営業成果を出してくれるようになるまでには随分気の長い話のように感じてしまいます。
その点、一緒に営業に回るというのは、より直接的に業績アップに関わることができるチャンスになるでしょう。

「営業同行してもらえませんか?」

という働きかけは、自社にとって新規居宅・新規ケアマネへの切り込みになるだけでなく、メーカーさんにとってもより即効性のある「ディーラーサポート」の場をつくることになるのです。

そう考えると、遠慮なく声をかけることができるように思えますね!

ポイント3:法人営業でもメーカーさんとの連携が営業力になる!

このようにお互いにメリットのあるメーカーさんとの関わり方ですが、日ごろからそうした連携をしておくと法人営業の場面でもパワーになってくるといいます。

施設に営業をかけていく際に重要なのは、まず案件をひっかけてくるフック商品です。
もっともひっかけてきやすいのは、低単価でかつ購買頻度の高い消耗品。

その代表選手はオムツでしょう。

日ごろからの連携、協力関係を築いておくとより有利な条件で入れることができるのは想像に難くありません。

機械浴や特殊浴槽などの設備案件が発生した場合。
金額はもちろんですが、提案内容やスピーディな対応で協力してくれるのは、日ごろからの関係性がものを言うのはもちろんのことでしょう。

そう考えるとレンタル会社にとって在宅の営業と法人営業はまったく別のものではなく大いに関連するものとして、メーカーさんと良い協力関係を築いておくことが会社としての力となっていくと考えられます。

いかがでしょうか。

メーカー営業と聞いてあまりピンときていなかった私も、そんな話を聞いてそんなところにも業績を上げるポイントが潜んでいると納得させられました。

本当に、毎回のことですが東洋ケアサービス・細野社長にお話をお聞きすると、業績を上げるヒントの宝庫のように思います。

今回のような「新規居宅・新規ケアマネの開拓はメーカー同行」をはじめとして、細野社長のお話を生でお聞きできるチャンスがあるとしたら…

そんなチャンス、ぜったい逃がしたらあかんやん!

そのお気持ち、よーくわかります!

そんなみなさんの声にお応えして、細野社長に特に法人営業のポイントをお話いただくセミナーを企画いたしました。
在宅営業から法人営業まで、これまで驚異的に業績を伸ばしてきた東洋ケアサービス様のエッセンスを存分にお話いただきます。

業績を上げるヒントが満載のこのチャンス、絶対に逃さないようにしてくださいね!

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■ 執筆者紹介
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株式会社 船井総合研究所
リフォーム支援部
チーフ経営コンサルタント
入江 貴司

【プロフィール】
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルと
シニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する
専門コンサルティングを進める。
商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制
づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

⇒ 入江 貴司 への経営相談は、コチラまで
E-Mail:takashi_irie@funaisoken.co.jp

この記事を書いたコンサルタント
入江 貴司
入江 貴司
入江 貴司

1976年大阪府生まれ。
大阪大学経済学部卒業後、大手工作機械メーカーに入社。
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルとシニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する専門コンサルティングを進める。商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

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