福祉用具レンタル業 超・生産性を誇るあの会社が変革に取り組むワケ

社員1人あたり粗利 年間923万円
営業1人あたり売上 月間515万円

いかがでしょうか。これは誰か特定の1人ではなく、13名いる営業スタッフの年間平均・1人あたりの月間売上であり、40名以上いる社員の1人あたり粗利金額です。

福祉用具レンタル業界の平均的な水準が、

社員1人あたり粗利 年間600~700万円
営業1人あたり売上 月間250~300万円

ということを考えると、圧倒的な高生産性の水準ではないでしょうか。

そんなオドロキの生産性&営業力はどこから生まれるのか?株式会社西本の超・生産性のカラクリに迫ります!

業界の常識を大きく超える生産性を誇るあの会社があえて変革を続けるワケとは?

冒頭に記したように営業1人あたり月間売上500万円超、社員1人あたり年間粗利900万円超という生産性を誇る株式会社西本。
業界の一般的な水準が月間売上250~300万円、年間1人あたり粗利600万円台というところからすると、驚異の高生産性を誇っているといえます。

そんな株式会社西本ですが、代表取締役 西本氏は,

「現在、一度できている仕組みを壊して、作り直している真っ最中」

といいます。

その変革の取り組みをざっとカンタンにご紹介すると、、、

■営業の組織体制を見直し。エースを教育係へコンバート
■コールセンターの増員と業務フローの大幅見直し
■RPAの活用領域を拡大し、全社的に業務自動化
■営業KPIの再設定と業績ダッシュボードで一覧化

なぜ現在完成している社内体制を、あえて壊して作り直しているかというと、

「2030年ビジョンで現在の約2倍 利用者数14,000名の規模にするための基盤づくり」

と西本社長は言います。

さらに進化させようと変革に取り組む株式会社西本。

その内容を詳しく見ていくことにしましょう。

数字は伸びても忙しいばかりで社員が疲弊…成長とともに訪れる生産性の行き詰まりに苦悩

あえていま変革に取り組むのは、順調に伸びているときほど社内の行き詰まりが生じているという過去の苦い経験があるからです。
福祉用具事業をスタートさせて6年ほど経ったころだったと思います。

利用者数は順調に増え、1,000~1,500名ほどの規模になっていたと思います。

その頃の会社のスタッフ数は13名、おそらくごく一般的な利用者数と社員数のバランスなのではないでしょうか。

その頃に気づいたのは、利用者数が増えて会社の数字は伸びるが、すぐに現場が忙しくなり、労働時間がどんどん伸びていくということでした。

社員の残業が続くと社長としては何とかするために、人を入れざるを得なくなります。
人を入れれば一時的には業務は分散されますが、さらにまた忙しくなり、また新しく入ってきたメンバーの教育もしないといけなかったりで、社員がどんどん疲弊していきました。

このままの状態で進めていくと、生産性は上がらないどころか逆にどんどん下がっていくばかりで、会社の規模だけが膨張していくのではないかと思うと背中が寒くなりました。

営業格差の違いは社長の営業スピリットの浸透度にあった!?

もう一つ危機感を覚えたのは営業の生産性に差ができつつあることを感じた時でした。

もともと株式会社西本という事業所は、私自身が営業現場をぐいぐい引っ張って立ち上げた事業所であるというのがルーツです。

現場最前線でやっていたころは、新規月間50件とか、住宅改修月間500万円とか、そんな数字をざらにやっていました。

自慢じゃないですが、そんじょそこらの営業では手が届かないはるか上の水準の成果を挙げていたと思います。

営業の生産性に格差を感じたのは、私が現場を離れた時期なので、事業を立ち上げてから12~13年目くらいのことだと思います。

それまで一緒にやってきたメンバーには、社長の営業のやり方・マインドが入っているので、それなりに高い水準の成果を挙げてきます。

ところがある時期以降に入社してきたメンバーは、同じことを教えているはずなのに、どうも生産性が上がらない…そんな現象に直面することになりました。
新規獲得の件数も、売上金額も、提案のやり方も、どこか「当たり前の基準」が薄れていっているように感じました。

私はよく「水質管理」という例えで表現するのですが、どんな水質の環境で泳ぐかによって魚の動きは変わってきます。

何事もやり切る空気がない組織に、忙しいからといってどれだけ人を入れても、やり切れないメンバーで肥大化していくばかりです。

このまま何となく人を増やし続けると、事業立ち上げのころの営業スピリットは薄まっていくばかりで、ごく平均的な営業部隊になってしまうのではないかと強烈に危機感を覚えました。

今回のコラムでは「福祉用具レンタル業 超・生産性を誇るあの会社が変革に取り組むワケ」として、株式会社西本・西本社長が会社の変革を進めるに至った過程をお伝えしてまいりました。

次回は「福祉用具レンタル業 圧倒的な営業力はこうして生まれた!」として、その営業力の源泉に迫ってまいります。

ぜひご期待いただき、次号のコラムもお読みください。

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■ 執筆者紹介
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株式会社 船井総合研究所
リフォーム支援部
チーフ経営コンサルタント
入江 貴司

【プロフィール】
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルと
シニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する
専門コンサルティングを進める。
商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制
づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

⇒ 入江 貴司 への経営相談は、コチラまで
E-Mail:takashi_irie@funaisoken.co.jp

この記事を書いたコンサルタント
入江 貴司
入江 貴司
入江 貴司

1976年大阪府生まれ。
大阪大学経済学部卒業後、大手工作機械メーカーに入社。
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルとシニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する専門コンサルティングを進める。商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

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