福祉用具レンタル業 入社1年半の新人営業がなぜ新規10件も獲得できるのか?
入社してからわずか1年半で新規10件をコンスタントに獲得できる営業がいるとしたら…
そんな営業がいるとしたら、めちゃくちゃうれしい、貴重なメンバーだと思いませんか?
そんなことあるわけがない!ただのハッタリだよ!
そう思われるのも無理はありません。
ふつうに考えると入社1年半くらいの営業スタッフの獲得数というと、月5件くらいか、よくて7~8件獲得してくれれば御の字というところではないでしょうか。
今回のコラムでは、実際に入社1年半の若手営業が毎月10件以上の新規獲得を上げてくる実例とそのポイントをご紹介したいと思います。
ポイント1:若手営業新規10件の実例とは!?
入社1年半で新規10件以上と言っても、にわかには信じられないという方もいらっしゃると思います。
ごく一般的なお話として、新人営業が一人前になっていくステップは、
入社半年⇒少しずつ担当利用者、担当居宅をもちはじめる
入社1年⇒ようやくポツリポツリと新規を獲得、月に1~2件程度
入社1年半⇒ちょっとずつしっかりしてくる、月間新規は3~5件
このような感じの会社が多いのではないでしょうか。
福祉用具レンタル会社の営業としての重要なバロメーターである、新規獲得数。
ふつうは月3~5件というところ、月10件以上の獲得を上げているというのは、いったいどういうことなのか。
実際にこの半年間くらいの獲得数を見てみましょう。
2023年9月:11件
2023年10月:11件
2023年11月:12件
2023年12月:14件
2024年1月:10件
2024年2月:17件
6か月間の合計:75件
1か月平均:12.5件
ウソでも誇張でも何でもないホントの数字です。
瞬間的にある1か月間だけ10件を超えたということではなく、6か月間を通してずっと10件以上の獲得実績を残しているのです。
こうした実績はどこから生まれるのか?
そのポイントを見ていくことにしましょう。
ポイント2:若手の育成はまず住宅改修から!
入社1年半で新規獲得10件以上の実績、それを生み出す人材育成のポイントは「住宅改修」にあるとこの会社の社長は言います。
多くの会社ではまず福祉用具を覚えて、レンタルや販売に対応できるようになることを優先して教育することでしょう。
なぜなら売上の7割以上を占めるのがレンタル、2割程度が販売。
福祉用具の優先順位が高くなるのは当然と思えます。
また住宅改修は難易度が高くなる上、ふだんから馴染みも薄いので、まずそれを覚えさせるよりも福祉用具からというのも納得できます。
難しいことをいきなり覚えさせてもチンプンカンプンだし拒否反応が出るかもしれませんよね。
それでもこの会社の社長は「ぜったいに住宅改修から!」と言い切ります。
以前はごくふつうの育成方法として、やはり福祉用具から教えていた時期もありましたが、住宅改修を優先的に教えることで営業の成長スピードが明らかに上がることを実感しました。
いまや新人を入れた後の育成パターンとして完全に固まってきた感触をもっていると言います。
では、どのように住宅改修を教えていくのか。
この育成方法のなかで最も有効なのが「現場調査ロープレ」です。
現場調査の場面を模擬的に再現して、営業役・利用者役・ケアマネ役を設定してロープレを行います。
新人営業スタッフがロープレを行うのはもちろんですが、上長や先輩スタッフも順番に営業役を担当してロープレを行います。
上長や先輩スタッフのロープレを見る⇒現場調査手法のインプット
自分自身がロープレを行う⇒実際に現場調査のアウトプット
これを繰り返すことで、現場調査スキルをどんどん磨いていくということを進めます。
もともと住宅改修を強化している会社であることからも、現場調査にどれだけ対応できるのかということは営業の重要なポイントになります。
入社してあまり期間が経っていない新人営業スタッフであっても、現場調査にしっかりと対応できることで、
「あれ?新人さんなのにすごく頼もしい・・・!」
という印象を与えることができます。
本人にとっても現場調査をしっかりと対応することができ、ケアマネ・利用者から頼られる存在になることで自信がつくようになります。
まず住宅改修から優先的に教育していくというのは案外理にかなっているのかもしれませんね。
ポイント3:新規10件が「当たり前」の環境をつくる
社内の空気感も重要な側面だといえます。
今回取り上げている入社1年半で新規10件の新人営業さんですが、2023年8月までは多い月で8件、少ない月で3件の獲得という月が続いていました。
その時の心境を、
「先輩が10件とか、15件以上とかを『当たり前に』獲得している状況をみて、はやく人並みになりたいと思っていました。」
と振り返って言います。
全国の多くの福祉用具レンタル会社さんを見ていても、社内の空気感がどんなものかということが営業成果を左右すると感じます。
5件程度がふつうの会社さんであれば、なかなか5件を超えるアベレージは生まれません。
10件を超えられない会社は、7~8件がせいぜいだと思います。
15件をふつうに超えている会社は入社してある程度の期間でやっぱり15件をふつうに叩き出すようになってきます。
「どうやったら『当たり前』の水準を上げられるんだよ!?」
1人あたりの平均獲得数が5件程度の会社さんにとって、10件以上が「当たり前」の環境というのは夢のまた夢のように思えてきます。
まずは1人でも、1ヶ月でも、新規10件以上という突き抜けた実績を上げることだと思います。
今月は!というタイミングを見据えて、短期集中でめちゃくちゃ動きをしまくって、なんとか新規獲得10件以上の実績を出したとします。
「あれ?できるやん・・・」
やってみると意外とできることに気づきます。
そうした月がポツポツと出てくるうちに、いつの間にか獲得アベレージが上がっていきます。
面白いことに、それまでふつうだった新規獲得5件という水準が物足りないものに感じるようになるでしょう。
会社のなかの「当たり前」の空気感をつくっていく。
その空気感を高めるには、無理やりでも、瞬間的でも、突き抜けた実績を一度つくること。
そんなことが重要かなと思います。
今回のコラムでは入社半年の新人営業が新規獲得10件以上を上げ続けている事例をご紹介いたしました。
そんな実績をもつ株式会社フローラ・鬼束社長に、業績を伸ばす秘訣、人材を育成するコツなどを特別にお話いただく機会を設けていただきました。
特に利用者数1000件に満たず、なかなか伸びないとお悩みの経営者様にはぜひお聞きいただきたい内容です。
しっかり業績を伸ばして業界で勝ち残る会社にしていきましょう!
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★住宅改修×福祉用具 セット提案モデルをわかりやすく解説
福祉用具レンタル業 なぜセット提案モデルは業績が上がるのか?
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■ 執筆者紹介
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株式会社 船井総合研究所
リフォーム支援部
チーフ経営コンサルタント
入江 貴司
【プロフィール】
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルと
シニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する
専門コンサルティングを進める。
商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制
づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。
⇒ 入江 貴司 への経営相談は、コチラまで
E-Mail:takashi_irie@funaisoken.co.jp