福祉用具レンタル業 ケアマネから「もっと!」と言われる営業術

ケアマネージャーのところに営業訪問に行け!

福祉用具レンタル会社が業績を上げようと思うと、これは基本のことだと思います。

さて、みなさんはケアマネから「あー、また来た。。。正直同じような話、もういいんだけど…」と思われていませんか?
あるいは「あー!来た来た!話聞かせて!」と思われているでしょうか。

芸人さんのように面白い話ができる必要は決してなく、それでも「もっと聞かせて!」と思わせるケアマネ訪問のポイントは何か?
今回のコラムではケアマネ訪問の営業術について考えてみたいと思います。

ポイント1:業績を上げるにはケアマネへの接触頻度がキモ!

福祉用具レンタル会社が業績を上げていく上で、ケアマネへの訪問活動をするのは必須のことと言えます。

「訪問したからといってスグに依頼がもらえるわけではない。」
「訪問なんかしなくってもウチの営業は依頼をもらえている。」

どちらも間違ってはいません。

確かに、ケアマネに訪問したからといって「あー!いいところに来た~ ちょうど新規の利用者さんの案件あるんだけど、お願いしてもいい?」なんてことはまずないでしょう。
また、ある程度実力のある営業スタッフであれば、訪問で直接の対面をしなくてもケアマネから連絡をもらって新規依頼が発生するということもあり得ると思います。

それでもデータをしっかりと取っていくと、訪問活動の回数に対してある程度の確率で新規依頼が発生する傾向は明らかです。

ケアマネ訪問⇒新規依頼

という個別事象の【因果関係】はなくても、

ケアマネ訪問数⇒新規依頼数

という【相関関係】はあるのです。

また、実力のある営業スタッフが訪問しなくても新規依頼をもらえるという件について、もし本当にずっと訪問活動をしなかったとしたらどうでしょうか?
ある時期は連絡をもらえて新規依頼が入ってきたとして、そのうちに連絡が入ってくる頻度は減っていくことでしょう。

ケアマネへの訪問活動はおおよそ2~3ヶ月のタイムラグをもってプラスにもマイナスにも影響が出てくると考える方がよいと思います。
いま、しっかりとケアマネ訪問をするということは、2~3ヶ月先の業績をつくるという意識をもつことが重要だと思います。

さて、ケアマネへの訪問活動が業績を上げる上で必須ということなのですが、問題は効果的な訪問ができるかどうかということにあります。
ある営業スタッフは、

「あー!来た来た!話聞かせて!」

と思われているかもしれないし、

またある営業スタッフは、

「あー、また来た。。。正直同じような話、もういいんだけど…」

とウザがられているかもしれません。

みなさんの会社の営業スタッフは歓迎される営業か、ウザがられる営業か、どちらでしょうか?

ポイント2:ケアマネへの訪問は「売り込み」ではなく「報告」で!

ウザいと思われる営業の特徴は、ひたすら「売り込み」をしてくるパターンではないでしょうか。

「えっと、今日はチラシをお持ちしまして。。。」
「こんにちは!新商品のご案内できました!」

なんて言われても、

「はぁ、、、知らんがな。」

と思われているかもしれませんね。

みなさんもご自身のことに置き換えて考えるとわかります。
ときどき、突然知らない番号からかかってきて「魅力的な不動産投資のご案内で、、、」というアレ。
めちゃくちゃうっとうしいと思いませんか?

こうして文字にして書くと「それは無いやろ~ ウザいわ。」と思うのですが、現実にはついついやってしまっているのが不思議なところです。

そうならないよう、ケアマネから「あー!来た来た!話聞かせて!」と思われる効果的な訪問はどうすればよいのでしょうか。

ケアマネ訪問=報告

と位置づけるとよいでしょう。

利用者へ初回訪問したら報告
デモ納品したら報告
デモ確認したら報告
契約して利用スタートしたら報告
現場調査したら報告
見積りを出してOKをもらったら報告
工事完了したら報告

都度、ことあるごとにこまめに報告するのです。

「そんな報告でわざわざ訪問するの?」

するんです!

チラシをもって訪問するより、100倍効果的な訪問になるんです!

もう1度言います。

ケアマネ訪問=報告

ケアマネが、最も知りたい情報を、鮮度良く持っていくのが訪問報告なのです。

ポイント3:ケアマネが「もっと聞きたい!」報告のポイント

ケアマネ訪問=報告

だとして、利用者対応の情報を報告したときに、ふつうは次のような反応になると思います。

ケアマネ「あ、はい。わかりました。ありがとうございます。」

世の中の営業パーソンのなかには、同じように報告をしていても、ちょっと違う反応を勝ち得る人もいるようです。

ケアマネ「え、なにそれ、もっと聞かせて~!」

当たり前の報告に加えて、ケアマネも知らない利用者の情報をポツポツと織り交ぜて、ケアマネが知りたい&知っておくべきことを伝えていっているのです。
そうした営業パーソンにお話しをお聞きしていると、利用者宅に訪問した際の情報量が圧倒的に多いことに気づかされます。
情報量が圧倒的に多いからこそ、報告でケアマネと面談した際に、ケアマネも知らない話を入れることができるのです。

みなさんも誰かと話をしていて、
「実はこんなことがあるんですけど、〇〇さんご存知ですか?」
なんて自分が知らないことを言われたら「なにそれ?どういうこと?」という感じでめちゃくちゃ気になるのではないでしょうか。

圧倒的に情報量が多いとはどういうことか?

・玄関に入る前の様子から外出状況を見る
・玄関に入った瞬間に靴の数はどのくらい?
・玄関の使用状況は?
・下駄箱の上に何がおいてあるか?
・そのお宅はどんなことが趣味・嗜好なのか?

訪問時のわずか2~3分だけで、玄関に入る前や入った瞬間、見て受け取る情報はたくさんのものがあります。
訪問してから退出するまでの間に情報のアンテナを張っていて、いろんな情報収集をしています。
そうした多くの情報を得ることで、利用者の変化を察知したり、危険箇所を想定したりすることができます。

利用者宅に訪問する際に、言われたことをこなすだけ、話されていることを聞くだけになっていませんか?
自ら情報を取りにいき、アンテナを張って見たり、感じたりすることで1回の訪問で圧倒的な情報量を得ることができます。

情報量が多ければ、ケアマネにフィードバックできる情報も多くなり、ケアマネが「もっと聞きたい!」という状態にもっていくことができるのではないでしょうか。

今回のコラムでは「福祉用具レンタル業 ケアマネから「もっと!」と言われる営業術」というテーマでお伝えしてきました。

しつこいようですが、

ケアマネ訪問=報告

と位置付けていただき、ケアマネから「もっと聞かせて~!」と思われる訪問活動を仕掛けていきましょう!

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■ 執筆者紹介
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株式会社 船井総合研究所
リフォーム支援部
チーフ経営コンサルタント
入江 貴司

【プロフィール】
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルと
シニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する
専門コンサルティングを進める。
商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制
づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

⇒ 入江 貴司 への経営相談は、コチラまで
E-Mail:takashi_irie@funaisoken.co.jp

この記事を書いたコンサルタント
入江 貴司
入江 貴司
入江 貴司

1976年大阪府生まれ。
大阪大学経済学部卒業後、大手工作機械メーカーに入社。
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルとシニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する専門コンサルティングを進める。商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

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