福祉用具レンタル業 伸びる貸与事業所がやっていることは「これだけ!」

「伸びているあの会社っていったい何をやっているんだろう?」

そんな風に思うことはありませんか?

伸びている会社には共通するポイントがあります。
一方で伸びない会社には、やはり伸びないだけの理由があります。

今回のコラムでは、そんな伸びる貸与事業所がやっているシンプルな共通点について書きたいと思います。

ポイント1:利用者数を伸ばすシンプルな法則

利用者数を伸ばせているかどうか?
それを決める非常にシンプルな法則があります。

新規獲得数が解約数を上回っているかどうか?

解約数は計算上、利用者数×3%で計算されるので、

新規獲得数>利用者数×3%利用者数増える
新規獲得数≒利用者数×3%横ばい
新規獲得数<利用者数×3%利用者数減少

となります。

例えば、利用者数が400名の事業所の場合、計算上の解約数は月々12件発生することになります。

新規獲得数:15件以上利用者数増える
新規獲得数:12件前後横ばい
新規獲得数:10件以下利用者数減少

単月の新規獲得数だと月によって上下すると思いますので、3ヶ月くらいのアベレージ獲得数で考えると良いと思います。

いかがでしょうか?

単純ですがとてもシンプルな法則だと思います。

「ウチの会社はなぜか伸びないんだよね…」

と思っている方

「なぜか」ということはなく、伸びないのは新規獲得数が足りていないだけ。

とてもシンプルです。

あなたの会社は「伸びる貸与事業所」になっていますか?

ポイント2:新規獲得数を増やすシンプルな方程式

利用者数を伸ばすシンプルな法則があるなら、こんどは新規獲得数を増やすシンプルな方程式もあります。

新規獲得数=ケアマネ訪問数×相談発生率×成約率

これで考えるとよいでしょう。

このうち成約率については、この業界の場合はケアマネから新規相談をもらうと【ほぼ】成約すると考えられます。

余談ですが、ふつうの「営業」という職種であれば、「買いますか?どうしますか?」ということをお客様に迫る、クロージングというプロセスが当たり前に発生します。
私自身はこのクロージングという場面こそ、営業の醍醐味であり、お客様とのドラマであると思っています。
いかにクロージングをかけているかということすらわからないほど、ごく自然に「買いたい」「買わざるを得ない」状況をそれまでにつくり、最後に少しだけ背中を押す。
そんな営業の楽しみがこのプロセスにはあるのです。

一方で、福祉用具の営業では、ケアマネから相談をもらった時点で【ほぼ】成約するのでクロージングの能力はほとんど必要ありません。
もしかしたらクロージングという概念すらもわからないという方も営業のなかにはいらっしゃるかもしれないですね。
なかには案件対応をしている途中で体調が変わり入院されるとか、ご逝去されるというケースもあるので、成約率は90%くらいの定数で読んでおくとよいと思います。

ということは、利用者数が横ばい~減少、つまりアベレージ獲得数が足りていないということは、

⇒ケアマネ訪問数が足りない
⇒相談発生率が低い(有効なアプローチができていない)

このいずれかだと思います。

ケアマネ訪問数が足りないケースだと、こんな現象?言い訳?があるあるではないでしょうか。

□ 日中でも会社にいて外に営業に行かない
□ 利用者対応ばかりして居宅・包括に行っていない
□ ケアマネに会っても会話が続かない
□ 居宅・包括に行ってもケアマネに会えない
□ ネタがないからケアマネのところに行けない

みなさまの会社はこんなことって起こっていませんか?
これらすべてに一つ一つ対応策があるのでもしご興味のある方はお問合せいただければと思います。

もちろん営業スタッフ一人一人の意識・行動を見直していく必要があるのですが、

つまるところ、訪問数が足りないのは、

会社としてのやり切らせる力

の問題です!

ということを強烈に意識していただきたいと思います。

一方で、相談発生率が低い(有効なアプローチができていない)場合。

「ケアマネのところに訪問するのにネタがいるからチラシをつくらないと・・・」
「ちょうど新商品が出たからそれをもってケアマネのところへ行こう!」

よくよく認識していただきたいのですが、

▶新商品の案内をしに行ってもケアマネは決して喜びません
▶チラシをつくってどれだけもっていってもケアマネは決して喜びません

くっそ忙しいときに、アポも無しで突然やってきて「今日はチラシもってきました~」って言われても。。。

ケアマネさんも人間なので、せっかく訪問してくれた営業を無下にすることもできず、いちおうニコニコ対応して「また回覧しておきますね~」と言ってますが、
営業が去っていくやいなや、受け取ったチラシはシュレッダーで粉々です。

では有効なアプローチをするにはどうすればいいのか?

本当に大切なことなので、むちゃくちゃしっかり頭に入れていただきたいのですが、

ケアマネの仕事がスムーズに進むような動きを徹底する

営業スタッフは、ケアマネと一緒に仕事をするパートナーであり、ケアマネの仕事がストレスなくスムーズに進むようなアシストをしてあげることです。

より具体的には、

訪問は「報告」を行うことを徹底する

訪問報告を行うことで、ケアマネが欲しい情報をタイムリーかつスピーディに提供する。
これを徹底してやり続けることです。

そうすると「あの人と仕事をするととっても楽!」という印象を刷り込んでいくことになります。
いつもチラシを不意打ちでもってきて「あの人には仕事をジャマされる…」と思われるのと比べてどうでしょうか?

あともう一つ重要なポイントは、

自社の、自分の、「差別化」を徹底的に考えて実行する

みなさんの会社は他社とどこがどう違いますか?
みなさんは他の営業と比べてどんな武器がありますか?

福祉用具&リフォーム経営研究会の会員企業で多くの会社に進めていただいているのが、

図面を描くという技を身につけて描きまくる

このコラムでも何度かご紹介していますが、利用者宅の間取り図をその場で作成して、利用者、ケアマネに配布するという手法です。
こんなことをやってくれる貸与事業所は他にはなく、シンプルかつ強力な差別化の武器にすることができます。

新規獲得数=ケアマネ訪問数×相談発生率×成約率

このシンプルな方程式を頭に入れていただいて、

⇒ケアマネ訪問を徹底する
⇒有効なアプローチを徹底する

これで新規獲得数を伸ばすことができますね!

ポイント3:伸びる貸与事業所は「徹底的にやる」ただそれだけ!

ここまで利用者数を伸ばす法則、新規獲得数を伸ばす方程式について解説してまいりました。

「そんなこと当たり前やん、そんなこと知ってるよ。」

それでも伸びない会社が多いのはなぜか?

結局のところ、やり切っていないだけだと思います。

伸びる貸与事業所がやっていることは、

徹底的にやる

それだけです。

ある会社さんでグングン新規獲得数を伸ばし、利用者数を増やしている営業の方に「どんなことをやっていますか?」と聞いてみました。

まずはざっとお聞きしたことを羅列します。

・基本的なことを徹底してやっている
・図面は100%描いている、時間がない場合は後日時間をいただいて図面を描いている
・図面を描くことで、浴室・玄関・トイレ・寝室の状況を見ることができ、段差など気づいたことの提案ができる
・お客様に気になることを聞いておいて、現場で確認した上で提案するようにしている
・本人が気になっていることでないと、提案しても押し売りのようになってしまう
・ケアマネ訪問の時間がないという点については、納品したり図面を描いたり利用者さん宅で動きが合ったことを伝えるようにしている
・ケアマネが不在の場合はあらためて電話で報告をするなどしている
・利用者さんを通じて接点のあるケアマネに、利用者さんの話をするのがいいと感じている
・「歩行器を持ってきて」という商品指定の場合、手すりなど「あったらいい」と思うアイテムは車に積んで持っていくようにしている
・納品後の初回モニタリングを早めにやって、図面を描いたりし、ケアマネとの接点をつくる

すべてはこの言葉に集約されると思います。

基本的なことを徹底してやっている

徹底的にやれば、

やり続ければ、

必ず利用者数は伸びます。

あとは、

やるかやらないか

あなた次第です。

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■ 執筆者紹介
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株式会社 船井総合研究所
リフォーム支援部
チーフ経営コンサルタント
入江 貴司

【プロフィール】
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルと
シニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する
専門コンサルティングを進める。
商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制
づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

⇒ 入江 貴司 への経営相談は、コチラまで
E-Mail:takashi_irie@funaisoken.co.jp

この記事を書いたコンサルタント
入江 貴司
入江 貴司
入江 貴司

1976年大阪府生まれ。
大阪大学経済学部卒業後、大手工作機械メーカーに入社。
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルとシニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する専門コンサルティングを進める。商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。

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